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新卒1年未満で退職した日のこと


2021年3月、大学を卒業した私は
2022年3月、新卒で入社した会社を辞めた。

まだ記憶が新しいうちに
退職した日(最終出社日の日)のことを書き残しておこうと思う。



その日は生徒の受験があと1週間後に迫った
何ら変わりのない、金曜日だった。

お世話になった人たちへのせめてもの恩返しをと
私はいつもより1時間半早く出社した。

掃除をしようと決めていた。


トイレ掃除が終わり、自習室の掃除に入ろうとしたとき

中3担任の5年目の先輩が出勤してきた
後を追うようにすぐに、もう1人の5年目の先輩もやってきた

特に驚く素振りもなく、平然と受験生用の配布プリントの作成に取りかかっていた

まだ、出社時刻1時間前のことだった


あぁ、負けた
こうならないとこの会社では生き残れない
私はここまでできるだろうか

そう思った



生徒にはもちろん
今日で最後なんて言っちゃいけなくて

いつもの金曜日であるかのように演じた



校長先生からプリンをもらった
1番頼りにしていた先輩からチョコをもらった
1時間前に平然と出社してきた先輩からクッキーをもらった
他校舎の同じ英語担当の先輩からぬいぐるみつきのお菓子をもらった


帰り際、ロッカーの荷物をまとめたり、もらったものを整理していたりしたとき、

言い方は悪いけど、たった1年で辞めるのに
みんなからこんなに何かもらっている人を
10年間で俺は初めてみた

そう、校長先生が言った
そして

じゃあな、またな、

と送り出してくれた


校舎を出る

もう、涙がとまらなかった


明日から、一緒に働けなくなることが
とにかく悲しくて泣いた



新卒1年目には、毎日その日の終わりに学んだこと3つとその日の感想を書く「日報」という仕事があった
それを校舎の人全員が見れる回覧にあげる

最後の日、私はこう書き残した


この会社に入った後悔は1ミリもないこと。

みなさんと出会えて、一緒に働くことができて、本当に良かったこと。 

正直、ちょっと決断が早かったのではないかと思っていること。

でもその判断が正しかったと思えるような人生を、
これから自分で切り開いていくこと。



自分の人生を変えられるのは自分しかいないんだ








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