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周りから良く思われたい!その沼はまさに宇宙!

みんなから良く思われたい。好かれたい!

その沼にはまって苦しむ者は多けれど

それは無理ゲーのクリアに挑むようなもの・・・


暑さがヤバい・・・

30度を超えると活動限界を迎えるらいこうです。

今年の夏も命の危険を感じる暑さになりそうです。

みなさんお身体ご自愛ください


このサイトでは、筆者が公立中学校の教師として25年勤務した経験から学んだり、気づいたりしてきた知見を基に、学校での指導方法や、子どもへの接し方、育て方などを発信していきます。

筆者は学者や研究者ではないので、あくまで経験則から語りますので、
「それはどうなの?」と思われることもあるかと思います。

子どもをよりよく育てるための重要なポイントの一つに
「新しいものの見方、考え方を獲得する」
というのがあります。

自分が気づかなかった新たな視点を得ることで、
考えが広がり、理解が深まる。

子どもたちがよりよく成長できるように、
新たな視点を提供できるような記事を書いていきますので、
「おもしろかった」
「ためになった」
という方は、スキやフォローをお願いします!

それでは本題に移ります。



周り人の目が気になる・良く思われたい


誰だって、嫌われたくはないはず。

誰だって、周りの人からは好かれたり、良く思われたりしたいはず。

それは当たり前の願望です。
筆者にもあります。

でも、その思いが強すぎると、
周りからどう思われるかが気になって、
自分を曲げて相手に合わせてしまったり、
目立った行動ができなくなったりしてしまいます。

中学生は自我が育ってくる時期。

「こうありたい」という自分の理想像を持ち始める時期です。

同時に、「周りからどう見られているか」も意識し始めます。

入学したての1年生は、授業でも積極的に発言する子が多いです。

でも、半年もしないうちに手を挙げる子は激減します。

授業のやり方が悪いのかもしれませんが、
「間違えて恥をかきたくない」
という、周囲の目を気にした思いが、
発言をためらわせていることが多いです。

自分が抱く「理想の自分」のイメージ。

周りの人にも同じイメージをもっていて欲しい。

だから、自分のマイナス面は見せたくない。

そう考えて消極的になる子はけっこう多いです。


さらに最近では、
ささいなことで周りから悪く思われたのではと気にして、
教室に入れなくなる子、
「理想の自分」と「現実の自分」のギャップを受け入れられず、
学校に来られなく子も増えてきました。


今回は、そうした子たちに私がしてきた支援を紹介します。


そもそも本当の自分って?


周りの目が気になる。
周りからどう見られているか気になる。
周りの人には「理想の自分」を見ていて欲しい。

「理想の自分」のようにできない「現実の自分」が嫌い。

これらの思いにとらわれて苦しんでいる子はたくさんいます。

このに一度はまると、なかなか抜け出せない厄介な問題です!


そうした子たちに、筆者はまず問いかけます。


「みんなが良く見せたい自分って、どの自分?」


「自分」は一人なのに、どの自分ってなに?
「自分(私)」って、何人もいるの?

子どもたちはそんな顔をして戸惑います。

そこで筆者は、具体例を示しながら説明します。


みんなの前にいる私は「らいこう」です。

この「らいこう」という人間は一人ですね。

同じ人間は二人いません。

では、「らいこう」はどんな人でしょう?

Aさん、どんな人だと思いますか?

「生徒のために一生懸命働くいい先生」

ありがとう。では、Bさんはどう思う?

「やることやるけど、けっこうめんどくさがり屋?」

たしかに!よく見てるね~。Cさんは?

「器用でなんでもすぐそれなりにできるけど、一流にはなれない人?」

するどすぎる!本質見抜いてらっしゃる!

どう?
同じ「らいこう」という人間だけど、
人によって抱いているイメージってちがうでしょ。
「らいこう」と接した時間、交わした会話、見てきた姿によって、
「らいこう」と関わった一人一人が、
それぞれちょっとずつ違った「らいこう」をイメージしています。

最後に会ったのが10年前の友人などは、
いまだに10年前の「らいこう」をイメージしているかもしれません。

もちろん、「らいこう」自身も
「らいこうはこんな人」というイメージをもっています。

つまり、「らいこう」という人間は、

「らいこう」と関わった人の数だけ存在しているのです。


では、この何百、何千といる「らいこう」の中で、
「本当のらいこう」はどれでしょう?


私、「らいこう」本人がイメージしているのが、
「本当のらいこう」?

では、Aさんの中の「らいこう」は偽物なの?

Bさんの中の「らいこう」は間違っている?


そんなことはないよね。

全部「本当のらいこう」です。


接した時間

交わした会話

見てきた姿


それによって一人一人見えている、とらえている「らいこう」の面
(切り取っている「らいこう」像)が違っているだけで、
大もとの「らいこう」という人間は一人です。


違って見えるのは、

見えている

知っている

「らいこう」という人間の一面が

それぞれ違っているから。

でも、どれも同じ「らいこう」を見ていることは間違いない!

だから、全部が「本当のらいこう」なんです!


同じように、

「本当のあなた」は、あなたを知っている人の数だけ存在します!


それは神でも不可能な無理ゲー


さて、誰でも周りの人から良く思われたいですよね。


「嫌われてもいい」
なんて思っている人はめったにいないと思います。


ちょっと考えてみてください。

さっき話したように、
「あなた」は「あなた」を知っている人の数だけいます。


それらすべての「あなた」のイメージを、
「理想のあなた」と同じにできるでしょうか?

「あなた」が望む「良いあなた」のイメージを、
「あなた」を知っているすべての人に、
同じように持たせることはできるでしょうか?


接する時間

交わす言葉

見せる姿

関わりが深い親兄弟や友達、先生でさえ、

誰一人同じ人はいないのに

それぞれの中の「あなた」だけ同じ良いものにしたい!


そんなことができるとしたら、

それはもはや神の所業!


人の身でできるとは思えません。

クリア不可能な無理ゲーに挑むようなもので、

時間と労力の無駄使いです!


さらに、周りから良く思われたいのは、あなただけではありません。

「らいこう」は「らいこうを知っている数千人」に良く思われたい。

「Aさん」は「Aさんを知っている数百人」に良く思われたい。

「校長先生」は「校長先生を知っている数万人」に良く思われたい

・・・・・・


そうやって広がり続けたら・・・


その沼は まさに宇宙!


無限の宇宙をコントールしたい!


なんて、

それはもう無理ゲーが過ぎます!


あなたがすべき「たった一つ」のこと


ここまで話すと、いかに無謀な願望であるか、
中学生はだいたい理解してくれます。


ただ、これだけでは問題は解決しません。


理解したからといって、

本能的な欲求や願望を簡単に捨てて、

マインドシフトできるものではありません!


ここでさらに一手!
具体的な支援が必要です。


「周りから良く思われたい」という、
形(具体的な手段)も、終わりもない欲求?不安?

これを

「形ある具体的なたった一つのこと」


にすり替えます。


①イメージ(良い面)を絞り込む

まず自分を振り返り、
基盤となりうる「ポジティブなイメージ」を探ります。

※「ポジティブなイメージ」とは、誰もが良い面(長所)だととらえてくれる、特技、性格、性質、趣味などです。特別なことでなくてかまいません。「給食を残さない」「掃除をがんばっている」「宿題を忘れない」
「休んだ友達の当番を代わってくれる」「挨拶ができる」
誰からも良い面だととらえられて、「誰にでもできそうだけど、その子は特にできている」というものがいいです。
先生をはじめ身近な大人は、一人一人の子の「ポジティブなイメージ」が、何か一つはすぐに出てくるように、日ごろから観察してあるといいですね。


生徒自身でこれといったものが出てこないときは、
筆者のほうから「〇〇さん絵が得意だよね。それはどうかな?」
などと、その子に合わせて提案します。


本人の賛同が得られたら、次のステップに進みます。


②周囲に印象付ける手段の共有

次に、その「ポジティブなイメージ」が周りに周知されるための方法を
一緒に考えます。

あくまで無理せず、自然にできる範囲で、例えば「絵が得意」の場合は、

・学級通信にイラストをつけてもらう(先生の似顔絵とか)
・学級目標のデザインをお願いする
・友だちへのメッセージにちょっとしたイラストを添える
・美術の制作に力を入れる
・絵画コンクールに応募してみる

など、簡単にできそうなことをリストアップします。


ここで大切なのは、本人だけで考えないこと。

取り組んでいく具体的な内容を、
先生など身近な大人と共有しておくことで、
実践しているのに気づいたとき、
認めてあげる声掛けができたり
できていなそうなときに、
「通信にイラスト書いてみない?」
などと実践を促したりできます


こうして何か一つ、
「○○さんには◇◇といういい面がある」という認識を、
本人も周りの人も共有できる
と、
心身共にかなり安定してくると思います。


これは学級経営のコツにもつながります。

「どの子にも居場所があり、安心できる学級」

そんな学級を作るための重要なファクターの一つだからです。


「考えてみよう」
「やってみよう」
そう投げかけるだけでは支援にはなりません。

子ども任せにしておきながら結果だけ求めるのは、
教育者として最もやってはいけないことです!


・・・と、筆者は個人的に思っています。


果てしない宇宙のような沼から抜け出すために、
あなたがすべき「たった一つ」のこととは、

「自分の基盤となるポジティブイメージを1つに絞り、
身近な大人と共有したうえでPRしていき、
周囲の人たちと共通認識を構築する」
ことです。

まずは頼りになる、身近な大人に相談しましょう。

大人の人は、身近な子供が沼っていそうだったら、
手を差し伸べてあげましょう。


おまけ

今回は時間をかけて、それなりのボリュームと内容を書いてみました。

後半は有料にしてもいいような内容だと思うのですが、まだ始めたばかりで加減がわかっていないので、無料で公開しています。

「らいこう」の書く記事の「品質」を判断してもらえればと思います。

今後も今回のような水準で、知見やスキル、経験則を紹介していきたいと思っています。

学校の先生だけでなく、子育て真っ最中の保護者の方、進行形で悩んでいる中学生の方などの、お役に立てたらと思っています。

他にも知りたい読みたいと思われた方は、スキやフォローをお願いします。

筆者自身、自分の考えが「唯一の正解」とは思っていませんし、様々な意見をいただいて見識を広げたいとも思っていますので、賛否を問わず、コメントお待ちしています。

また、学校教育や子育てに関して、お悩みや質問などありましたら、そちらもコメント欄にお寄せください。

最後までお読みいただいてありがとうございました。
また次の記事でお待ちしております。

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