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賃貸と老化、花粉と事故、オメガ3と肺と中性脂肪、農作業と認知症、生まれた季節とアレルギー、増加するカフェイン中毒、エナジードリンクの危険性、抹茶とうつ、砂糖と腎臓結石|10/19(木)〜24(火)医学論文&健康関連ニュースまとめ

10/19(木)〜24(火)にラハール公式X(Twitter)で紹介した、医学論文や健康関連ニュースをまとめました。

https://twitter.com/rahall_jp




賃貸住宅住まいは老化が進む


『喫煙や失業よりも「賃貸住宅で暮らす」ほうが老化が早い、研究結果』

✅賃貸住宅に住むことによるストレスによって、失業より100%以上、喫煙より50%以上も生物学的な老化が早まり、健康に深刻な影響があることが判明

✅賃貸住宅の人は持ち家の人よりも毎年「2週間半」分も早く老いていく
✅老化バイオマーカー(生体指標)に関する情報を集め、性別、国籍、教育水準、富裕度、食生活、ストレス度、BMIおよび喫煙に関するデータも加味

✅例外として、政府から家賃補助を受けている人は、生物学的老化の加速が無かった
✅賃借人にとって有利な住宅政策は、賃貸のもたらす生物学的老化を遅らせる可能性

💭暮らしに関わる公共政策は、ヒトの寿命や健康にとって大きな影響を持ちます。政治や行政は、多くの人間が健やかに長生きできるような施策を考えて行って欲しいものですね🏠

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【論文紹介】花粉量と事故率


『“INVISIBLE KILLER”: SEASONAL ALLERGIES AND ACCIDENTS』
https://www.nber.org/system/files/working_papers/w31593/w31593.pdf

「花粉がたくさん飛んでいる日は救急車の出動が多い」という日本の論文です。花粉曝露に伴うアレルギーによって、認知機能の低下に関連した交通事故や労働災害など、あらゆる種類の事故が増加するようでした。

「花粉曝露のリスクに対する国民の意識を高め、事故などの予防行動を促すための政府の取り組みが必要なのではないか」と著者は述べています。

💭目にアレルギー症状が出る人が多いと交通事故が増える、というのは非常に納得の行く話ですし、アレルギー性鼻炎や花粉皮膚炎などの不快な症状によって、イライラして事故や怪我が増えるということもあり得ます。花粉の飛散情報は天気予報と共に提供されていることが多いので、なるべくそれを確認して、花粉の多い日はより周りに注意して慎重に行動すると安全なのではと思います🚑

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オメガ3は肺に良い


『DHAなどオメガ3脂肪酸は「肺の健康にも重要」、初の報告』

✅オメガ3脂肪酸の血中濃度が高い人ほど、肺の健康(肺活量や1秒量)が保たれていた

✅代表的なオメガ3脂肪酸は3種類:α-リノレン酸(ALA)、EPA、DHA
✅ALA:アマニ油、エゴマ油など
✅EPA・DHA:サーモン、マグロ、サバ、イワシ、ニシンなど
✅体内でオメガ3脂肪酸を作ることはできないため、バランスのとれた食事によって摂取する必要がある

✅オメガ3脂肪酸は、米国立衛生研究所(NIH)栄養補助食品室(ODS)によれば、心臓や脳の健康増進や、免疫系の強化、血圧の低下、ホルモンレベルの改善に役立つ
✅米心臓協会(AHA)は、心臓病と脳卒中のリスクを低下させるために、魚を週に2回以上食べることを推奨

💭オメガ3は心血管疾患予防や抗炎症作用などが有名ですが、肺活量などの肺機能についても良い作用があるようです。植物性の食品ならエゴマ油か亜麻仁油、動物性の食品なら青魚や鮭がおすすめです。食事に定期的に取り入れていけると良いですね。🌿🐟

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【論文紹介】オメガ3で中性脂肪減


『Association Between Omega-3 Fatty Acid Intake and Dyslipidemia: A Continuous Dose-Response Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials』

「オメガ3脂肪酸を1日に2g以上摂取すると、血中の中性脂肪が減る」という論文です。RCTのメタ解析で、72,598人が調査対象でした。

オメガ3脂肪酸のドコサヘキサエン酸(DHA)とイコサペント酸(EPA)の摂取量と血中脂肪の濃度を調べたところ、DHAとEPAの摂取量が多いほど、トリグリセライド(中性脂肪)とnon-HDL(悪玉コレステロールなど)の血中濃度が低くなっていました。

また、脂質異常症及び過体重と肥満の患者においても、DHAとEPAの摂取量が1日2g以上の場合に、摂取量が多いほど、中性脂肪や悪玉コレステロールなどが減っていました。

💭中性脂肪や悪玉コレステロールを減らして血液や血管の健康状態を向上させるには、DHAとEPAの摂取が重要ですね。例えばサバ缶は、物にもよりますが、1缶に2〜3g程度のDHAとEPAが含まれますから、手軽にオメガ3を摂るのにちょうど良いと思います🐟

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 関連商品案内:サバ缶味付、水煮

ラハールで販売中の無添加サバ缶は、1缶の半分ちょっと食べれば、DHA+EPAを推奨量である2g以上摂取できますのでおすすめです😋

🌟サバ缶味付 DHA含有量:2.242g EPA含有量:1.406g
🌟サバ缶水煮 DHA含有量:3.097g EPA含有量:0.817g


農作業で認知症ケア


『10人に1人が認知症をもつ時代、人類の基本動作である「農作業」が危険な2分法を回避する』

✅エビデンスのある新しい認知症ケアの一つとしての「農」
✅農を用いたケアはケアファームと呼ばれ、特にオランダで盛んに行われている(ケアファームを中心にしたグループホーム)

✅農作業には、自然を楽しむ、仲間と交流する、適度な運動をする、命を慈しむ、収穫を楽しむといった喜びがある
✅新潟県上越市と東京都板橋区の「農」を用いたケアでは、従来のデイケアよりもQOLが向上との報告

✅ケアにおいて、ケアを受ける人とケアを提供する人、という2分法は、虐待やバーンアウト(燃え尽き症候群)につながる

💭植物に囲まれた環境にはストレス低減作用がありますし、老後のアクティビティとしての農作業には、精神面と肉体面の両方へ良い作用があるものとして、大きな可能性があるように思いますね🧑‍🌾

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【論文紹介】生まれた季節とアレルギー


『Effect of birth season on allergic rhinitis and cedar pollinosis considering allergen and vitamin D exposure: The Japan Environment and Children's study (JECS)』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/allergolint/72/3/72_411/_article/-char/ja/

「春夏生まれの子供は、冬生まれの子供より花粉症になる可能性が高かった」という日本の論文です。4,323人の小児が調査されました。

春夏生まれの子供は、冬生まれの子供と比べて、花粉症リスクが2.08倍高くなっていました。
また、冬生まれと比べて夏生まれの子供はダニアレルギーのリスクが高く、ダニの種類にもよりますが、アレルギーリスクが1.5倍前後でした。

💭同じ両親から生まれた兄弟姉妹でも、生まれた季節によって体質が異なるという話はこれまでもありましたが、アレルギーに関してはある程度の確実性でそれは実際にあることが分かりました。春夏に生まれたお子さんについては、アレルギーに関してより注意して見てあげて、必要なケアをしてあげられると良いですね🤧

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増加するカフェイン中毒


『急増!カフェイン中毒 相次ぐ救急搬送 いま何が』

✅日本中毒学会の調べでは、5年間で101人が病院に運ばれ、うち3人が死亡
✅5年間に、東京23区で、死因が分からず亡くなった人のうち、36人の血液から高い濃度のカフェインが検出されていた

✅危険性を知らずに依存し、知らぬ間に中毒になっていく
✅多いものだとエナジードリンク1缶にカフェインが160mg(コーヒー約2杯分)入っている
✅カフェイン感受性が高い人の場合、200mgの摂取でもカフェインの中毒症状が出る
✅過剰摂取のきっかけは、ほとんどが一本のエナジードリンクから

✅エナジードリンクやカフェイン含有のドリンク剤は、安全性の評価をほとんどやっていない
✅カフェインで得られる元気は「元気の前借り」であり、その後に2倍3倍の疲労に襲われ、そこから脱するためにまたカフェインを使うという泥沼

💭カフェインは、その危険性を知らずにいるといつのまにか摂取量が増えて行って、気づいたときには依存症や中毒になっているのが怖いところです。まずは過剰なカフェイン摂取に伴う大きなリスクを、なるべく広く知ってもらうことが大事ですね📣

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【論文紹介】エナジードリンクの危険性


『The Dark Side of Energy Drinks: A Comprehensive Review of Their Impact on the Human Body』

エナジードリンクの過剰摂取は心血管系や神経系に有害な作用があり、特に心停止及び死亡との関連があったよという論文です。この原因は主成分のカフェインによるものと考えられました。

若者の心停止による突然死にエナジードリンクが関与している可能性があるため、若者の心停止による突然死については、より厳密に評価する必要があると著者は述べています。
また、エナジードリンクの摂取制限や、そのための規制を行うことも提案しています。

💭エナジードリンクはカフェインの含有量が多く、眠気の解消や集中力を高めるなどの効果が簡単に得られるため、依存症に陥る若者が増えています。カナダでは子供へのエナジードリンクの販売が禁止されるなど規制が行われており、日本でも対策が必要なのではと思いますね🚫

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【論文紹介】抹茶のうつ改善作用


『Matcha Tea Powder's Antidepressant-like Effect through the Activation of the Dopaminergic System in Mice Is Dependent on Social Isolation Stress』

抹茶が強いうつに対して改善効果がある可能性が見つかったよという論文です。同研究者の先行研究では抹茶による不安軽減作用が報告されており、この研究はそれに関連したものです。

ストレス感受性が異なる2種類のマウスを使った実験で、うつ様症状が強いマウスに抹茶100mg/kgを投与した場合に、うつ様症状の改善が見られました。また、その抗うつ性には、ドパミンD1受容体の活性化が関わっていることが分かりました。

💭この結果はまだマウス実験の段階でのものですので、ヒトにそのまま適用できるとは限りませんが、抹茶は抗酸化作用や血圧や血糖の上昇を抑える作用などがあり、適度に摂取すると健康にプラスになります。うつ症状のある方は、抹茶を定期的に飲んでみると良いかもしれません🍵

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【論文紹介】砂糖と腎臓結石


『Association between added sugars and kidney stones in U.S. adults: data from National Health and Nutrition Examination Survey 2007-2018』

砂糖を多く含む食品の摂取と腎臓結石の関連を調べたら、砂糖摂取量が多いほど結石が出来やすかったよという論文です。成人28,303人が分析されました。

添加糖(食品に添加された砂糖)からのエネルギー摂取の割合の多さに応じて分析対象者を4群に分けて比較したところ、最も割合が低い下位4分の1群と比べて、最も割合が多い上位4分の1群は、腎臓結石の出来やすさが有意に高くなっていました。

💭腎臓結石の予防には、1日に摂取するカロリーのうちの、糖による割合はなるべく減らしたほうが良いということですね。砂糖の摂取が多いと尿中のカルシウムが増えるという報告がありますし、肥満や高血圧や糖尿病のリスクも上がることを考えても、砂糖が含まれる食品の摂取量には要注意です🍩

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