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GS1 QRコードについて

はじめに

前回に引き続き、SVFに関連した話題を記載したいと思います。
SVFは各種バーコードを出力できますが、その中でもGS1規格に準拠したQRコードについて触れてみたいと思います。

GS1とは

GS1は、流通に関する標準化を行う国際機関であり、自動認識技術の仕様などを定めてサプライチェーンの効率化を推進しています。世界110以上の国・地域が加盟しており、日本ではGS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター)が加盟しています。

なぜGS1 QRコード?

GS1 QRコードは、GS1で標準化されたQRコードであり、ISO/IEC 15418で規定されたアプリケーション識別子(AI)を付与してデータを書き込む仕様となっています。この仕様に従ってデータを書き込めば、読み取り側も何のデータが含まれているのかを判断できます。

商品識別コードや商品情報のURLなどを決まったルールで書き込むことで、正確に読み取り側に情報を伝えることができ、さまざまなデータを企業間などでやりとりすることが可能になります。

  • 従来のQRコードを使った場合

どのようなルールで書き込まれているかわからないので、読み込めても何のデータが書かれているのか不透明です。

  • GS1 QRコードを使った場合

AIとデータがセットで書き込まれるため、読み取り側はAIを確認することでデータの種類を識別できます。書き込み側と読み取り側の双方がGS1に対応することで、共通のフォーマットでデータをやり取りできます。

  • AI(アプリケーション識別子)とは

データの内容や長さを管理する数字のコードです。商品識別コード、商品情報のURL、製造日、ロット番号など、さまざまなコードがあり、データの先頭に付与して格納します。AIによってデータの属性情報を利用者間で伝達することができます。

AIについては、GS1 Japanに詳しい資料がありますので、ご参考にしてください。

SVFでのGS1対応

SVFでは、既にVer.9.0でGS1 データバーに対応しており、Ver.10.1でGS1 QRコードおよびGS1 データマトリックスへの出力が可能になりました。

SVFを使用してGS1 QRコードおよびGS1 データマトリックスを出力するには、帳票設計画面(SVFX-Designer)で2次元バーコードを作成し、Ver.10.1で新設されたプロパティである[GS1データを使用する]にチェックを入れるだけで設計は完了です。SVF実行時にAIを付与したデータを書き込めばGS1 QRコードとして読み込めるようになります。詳しくはSVFのマニュアルをご確認ください。

SVFX-Designer画面

まとめ

GS1 QRコードなど、AIが使える各種バーコードを利用することで、異なる企業間やシステム間でデータを統一したルールでやり取りでき、製品の透明性やトレーサビリティを向上させることができます。データの仕様を統一することで、簡単かつ安価にサプライチェーンの効率化を図ることが可能になります。

GS1 QRコードはRFID同様に、スマートロジスティクスの重要な要素となり得ます。SVFが出力した帳票によって皆様の業務効率化に貢献できれば幸いです。

余談ですが、GS1 Japanでは、AIを読み取れるバーコードリーダーアプリが用意されていますので、ご活用いただければと思います。

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