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RFIDについて

はじめに

前回に引き続き、SVFに関連した内容を記載したいと思います。
今回はSVF Ver.10.1でRFIDへの出力に対応しましたので、RFID技術について触れてみたいと思います。

RFIDとは

RFID(Radio Frequency IDentifier)とは、電波を用いてRFタグのデータを非接触で読み書きするシステムです。

RFIDには様々な種類があり、使用する周波数毎にISOによってISO/IEC 18000-1~18000-7の規格が定められています。

電子マネー等で使用されている非接触ICカードもRFIDの一種になりますが、今回のテーマは在庫管理や棚卸しなどで使用される「物」に対して付与して使う「RFタグ」や「ICタグ」と呼ばれるものになります。

RFIDで何が便利になる?

小売業ではいかに効率よく在庫を管理できるが重要になります。RFID技術を利用することで、検品、棚卸しなどの際、バーコードやQRコードを利用した場合と比較して、速く簡単に行うことが可能になります。

  • 一度に複数の商品を読み込める

 バーコードやQRコードの場合、商品を一つずつ読み込む必要がありますが、RFIDの場合、電波の届く範囲であれば大量の商品を一度に読み込めるので、レジの待ち時間短縮や、入荷・出荷時の検品、棚卸しや固定資産の管理などを速く簡単に行えるようになります。

  • 離れていても読み込める

 棚の上にある商品など手の届かない場所にある商品でも電波が届く範囲の商品を読み込むことができるので、脚立など利用せずに安全に読み込むことができます。

  • 段ボールの中でも読み込める

 バーコードやQRコードの場合、段ボールを開けて一つずつ商品を読み込む必要がありますが、RFタグであれば段ボールを開けずに読み込むことができます。

SVFで何ができる?

SVFと連携済みのラベルプリンターの中には、RFIDに対応したモデルが存在します。RFタグが内蔵されているラベル用紙を使うことで、ラベル表面の印刷と同時にRFタグのメモリへ書き込むことが可能になります。

現在SVFでは東芝テック社のRFIDプリンターに対応しています。
SVFからAPIを呼ぶことで、ラベル表面の印刷と同時にRFタグのメモリ(EPC領域、USER領域)に簡単に書き込むことが可能です。
メモリ構造については次項で説明いたします。

RFタグのメモリ構造

RFタグの特性はメーカーによって違いがありますが、データを格納するメモリ領域はISO/IEC18000-63に準拠した規格 Class1Generation2(C1G2)が主流となっています。

RFタグのICチップおよびアンテナ

また、ICチップのメモリは4つの領域に分かれています。
通常、EPC領域、USER領域に情報を書き込みます。

  • RESERVED

 メモリへのアクセスを制限するパスワード(Access PasswordおよびKill Password)を格納する領域になります。

  • EPC

 タグを識別するためのコード情報、EPC(Electronic Product Code)を格納するための領域として用意されています。ユーザーが自由に読み書きできる領域ですが、一般的にはGS1コードで用いるGTINに固有番号を付加したSGTIN(Serealized GTIN)を格納することが推奨されています。

一般財団法人流通システム開発センター(GS1 Japan)にEPCの詳しい説明が記載されていますので、ご参考にしてください。
  https://www.gs1jp.org/standard/epc/about_epc.html

  • TID

 タグ製造メーカーが使用するメモリ領域で、どのようなチップであるかを示す番号などが格納されています。読み取り専用になります。

  • USER

 ユーザーが自由に読み書きできる領域です。ICチップにより搭載されているものと、搭載されていないものがあります。

まとめ

在庫管理の効率化につながる技術としてRFIDが注目されています。
SVF Ver.10.1以降では、従来のバーコード出力に加えて、RFタグへの出力も可能になりました。
SVFを活用いただくことで、皆さまの業務改善につながれば幸いです。


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