SVGについて
はじめに
前回に引き続き、SVFに関連した話題を記載したいと思います。
SVFは「印刷」というイメージが強いかと思いますが、印刷に限らず、様々な「電子ファイル」への出力に対応しています。
今回はSVF Ver.10.0で対応したSVGファイルへの出力について触れてみたいと思います。
SVGとは
SVGとは、Scalable Vector Graphicsの略称で、Webと親和性の高い画像形式になります。
W3C勧告
W3Cで策定されたオープンな仕様ですので、ドキュメント類も揃っており、解析が容易です。
ベクター画像
Jpegなどのラスター画像(ビットマップ画像)は、点の集まりで表現される画像になりますが、ベクター画像は点や線の情報を数値として保存し、描画の際に数式によって導き出された曲線で画像や文字などを表現する画像形式です。ラスター画像と比較した場合、拡大、縮小しても劣化しません。
XML形式
XMLで記述されているため、テキストファイルとして編集が可能です。
SVGを使うメリット
簡単にプレビューできる
SVFからPDFやEMFなど他のファイル形式で出力を行った場合、プレビューするためには専用のアプリケーションが必要になりますが、SVGは主要なウェブブラウザーが対応していますので、そのまま閲覧することができます。
マルチブラウザー
主要なウェブブラウザーが対応しているので、Windows PCに限らず、Macやスマートフォン、タブレットなど、多様化する閲覧環境で帳票を閲覧することができます。
2次加工が可能
SVFで出力可能なファイル形式で最も一般的なものとしてはPDFファイルがあります。SVGと同様に公開仕様でありベクター形式でもありますが、基本的にバイナリ形式となりますので、編集するためにはAcrobatなどのツールが必要になります。SVGはXML(テキストファイル)ですので、特別なツールを必要とせず、テキストエディタなどで編集が可能です。また、JavScriptを使って一部分に着色をするなどの加工も容易に可能です。
まとめ
SVGは、HTML5(WHATWG Living Standard)の仕様にも含まれ、タグとしてHTML内に取り込めるので、Webとの親和性が非常に高い形式です。
SVFで出力された領収書などの帳票は、静的な文書として出力後に保管する、といった使われ方が多いのですが、SVGであれば、動的に変更されるデータのスナップショットを出力して携帯端末のブラウザーで確認し、確定後にPDFで出力する、など、SVFとしては新たな利用方法も考えられます。
SVFが新たなビジネスシーンでお役に立てれば幸いです。