ゆるキャラの中で時計の音がする
現代川柳と400字雑文 その79
ハローキティはゆるくはない。が、いわゆる「ご当地キティ」はどうか。いまもあるのかわからないが、かつて見た屋久島のご当地キティは、屋久杉に包まれたキティがまぶたを閉じているという、どこか植物の反乱を思わせるデザインだった。ゆるさとは真逆のアプローチにも思えるが、そうしたデザインがひょいと商品化されること自体になにかしらゆるさを感じる。鹿児島県には屋久杉キティのほかにもいくつかのご当地キティが設定されていて、黒豚キティ、指宿(いぶすき)の砂蒸し風呂キティ、桜島大根キティなどがあった。ひとつひとつはそれなりに完成されたクオリティだが、全体を見ればそこにゆるさが忍び寄っているのは明白である。
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