白楽器 嘘から嘘へ陽が落ちる
現代川柳と400字雑文 その94
幼少期にすこしだけ習っていたおかげで小島さんはいまもバイオリンが弾ける。といっても腕前は小2の頃のまま、あるいはそれより後退しているらしい。いまでは、たまに思い立って押入れから取り出して弾き、そのたびなんとか「音の出し方」を思い出せるようになる、というレベル。その際に不思議なのは、前回弾いたあと、そのバイオリンを押入れの一段目にしまったか、二段目(天袋)にしまったか、かならずわからなくなっていることだ。正確には、「一段目にしまったはず」