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ダイイングメッセージでのマヨビーム
現代川柳と400字雑文 その72
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幼いころはマヨネーズが苦手だった。酢の酸味がだめで、酢の物など直接的なものはいまもかなりだめだ。マヨネーズはかなり克服できた。克服? 正確には「どうでもよくなった」というのが近い気がする。ときに人は苦手な食べ物が食べられるようになることを「克服」と言いがちだが、それはたんに感覚の鈍磨が引き起こした現象とは考えられないだろうか。だとすれば、克服どころか「衰退」や「喪失」のほうがふさわしい。たとえば、「にんじんが苦手」という感覚をその人の特殊能力ととらえ、それを喪失してしまうと考えればわかりやすい。どんなに思い出そうとしても、にんじんが苦手だったころのあの感覚はもう戻らないのである。躍起になって「克服」しようとする前に、一度立ち止まって考えてみるのもいいかもしれない。あ、なんかいまのコラムの締めっぽくていいですね。
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