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妖精は酢のすがたして豚と会う
現代川柳と400字雑文 その70
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むろん妖精などいない。20世紀初頭のイギリスでは本物の妖精が写ったとされる写真が話題になったが、「本物の妖精」という表現が逆に嘘であることの証明のように聞こえてしまい、やはり妖精は実在しないということで意見がまとまった。それから100年近く経ち、場所は日本、岡山で、ひとりの川柳作家が句を作った。《妖精は酢豚に似ているぜったい似ている/石田柊馬》いい。現代川柳について30分ほど調べれば誰でもたどり着くほどの、文句なしのの有名句だ。あるいは、酢豚を見るたび思い出すほどの有名句とも言えるだろう。これを呼び水に自分の頭の中の枯井戸からさまざまな考えを引き出すことができる、本物の名句である。ためしに一度、声に出して読んでみてほしい。ごく小さい、つぶやくような声でかまわない。だってあまり大きい声を出すと妖精がびっくりして死んでしまうから。
▼これまでの現代川柳&400字一覧
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