メリットはデメリットだしヒグマだし
シリーズ・現代川柳と短文 ００４
（写真でラジオポトフ川柳０９２）
パンダとクマのちがいが思い出せない。見た目は似ているがぜんぜん別物。そう聞いたことがある気がする。シマウマとウマもそうだし、ホッキョクグマとクマもそんな感じだった………気がするが、やはり思い出せない。正直なところ、前段の《見た目は似ているが》という部分も怪しい。写真で見るとけっこうちがうな、と思ったことがある気もするのだが、いま作った記憶という気もするのだ。もうだめだ。もはやなにも思い出せない。そもそも覚える機能が著しく低いような気がする。つまり、なにも覚えられない人間だ。記憶喪失よりたちが悪い。そういえば曜日感覚は薄いし、自分の年齢をはっきり自信を持って答えられるようになったのも最近だ。いいかげんすぎる。不安すぎる。いまわたしが覚えているのは、イルカとクジラのちがいが大きさであることだけだ。
▼これまでの現代川柳と短文
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？