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#48 経営課題を探れ!

【私の仕事術:❺仕事に役立つ交渉術】
経営課題が何かを聞き出せると、勝ち目が上昇。

今回も交渉の中で、主に「企画を提案する交渉」の際に役立つお話です。

前回#47では「独りよがりにならない」ことの大切さをお伝えしました。

でも、「相手の立場にたって考える」と言っている事はわかるけど、お取引先や、特にこれから新規に営業をかける相手先だと、相手の立場で考えるなんて難しい・・となります。

おっしゃる通りです。

ですから、私もこれまで様々な会社に訪問して提案をしてきましたが、提案がうまくいくかどうかよりも、

『相手の経営課題は何か?』を聞く事

を心がけ、その会社が何に困っているのかを聞き出す事に集中していました。そしてその課題を解決するお手伝いができる提案を次回用意するという流れです。


■ここでいう経営課題とは?

「経営課題」というと「売上拡大」や「顧客満足度向上」のような大きな話をイメージしますが、ここでは少しブレークダウンした部分を指します。

例えば、「#44 数字に強い人」でもお見せした売上を構成する要素の図でいうと、赤枠で囲っているあたりですね。

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例えば、売上を増やす為に「購入者数(利用者数)」を増やしたいという課題があったとします。その為に、”のべ来店者数”を増やすのか、”来場者のユニーユーザー数”を増やすのか、”来店頻度”を上げるのか色々ありますよね。

これまで担当した企業様を例にすると、同じ「購入者数(利用者数)」の増加でも

コンビニL社    ・・・新規購入者の増加
ファストフードM社 ・・・のべ来店者数の増加
航空会社J社    ・・・飛行機会社にこだわり無い利用
者の囲い込み

というように、いずれも「購入者数(利用者数)の増加」が課題ですが、どこに着目するかが、業界や会社によって違うという事です。もちろん、その時々の競争環境によって同じ会社でも半年前から変わるという事もあります。

新規顧客を増やす事が課題の会社にしてみれば、リピーター強化策は不要もしくは優先順位が下という状況でしょう。それなのに、こちらが既存顧客のリピーター強化策を積極的に提案しても「提案はありがたいし、気持ちはわかるが、今はそれじゃない」となってしまうのは明らかですよね?

このあたりの事情をうまく聞き出す事が大切ですし、聞き出す事で先方が求めている事にあった提案ができるようになるので、交渉の勝ち目が上がってきます。

とはいっても、いきなり「経営課題は何ですか?御社の経営課題を教えてください!」と言って、教えてくれるわけではありません。


■経営課題を知る為に

私がおすすめする方法の1つは、上場企業だと決算発表資料等がIRのページにあります。これは株主に対して決算発表の際に説明する資料でポイントがまとめられていますので、非常に参考になります。決算発表のプレゼンテーション資料はぜひ目を通しておくといいです。

特にプレゼンテーション資料の前半に出てくる主要な数値(KPIやKGI)は、株主から開示を求められている数とも言えますので、その数値が改善されると会社にとって良いことになります。

その中で、「先日の決算発表で発表された今後の方針、●●の強化ってどういう事なんですか?」等、関連した質問をして聞いてみるのもいいでしょう。

もう一つは、社会人あるあるですが、「不勉強で大変申し訳ないんですが、どうして●●●にこんなに注力するのですか?」と、謙虚に聞く事ですね。

注意すべきは「一度で全ては聞き出せない」という事です。何も言ってないのにどんどん話をしてくれるなら別ですが、あれもこれも聞くと鬱陶しいと思われますので、会議の雰囲気も読みつつ聞いてみましょう。

相手との信頼関係もあり、絶対教えてもらえるわけではないですが、「自分の会社にとても興味をもってくれている」と思ってもらえるのに損はありません。また、丁寧に教えてくれる人は、どの会社にもいらっしゃるので、うまく話題をふって教えてもらいましょう。

経営課題を聞く事で、その後の交渉が相手のニーズにあい、うまくいくようになりますので、商談の際はぜひ聞いてみてください。

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