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#77 「表現」を磨く

【私の仕事術:❼上手な文章を書くために】
意志を込め、相手を惹きつける言葉を使おう

若手社員から提案書について相談をうけた時のお話です。

「先日頼まれた提案書なんですけど、こんな感じでいかがですか?」

と資料を渡され、提案される側の気持ちで内容を見ましたが、どうも心に響きません。

全体のシナリオは悪くないですし、提案書で言わんとする事もわかります。

でも、心に響かないのです。

その時の資料とは違いますが、イメージでいうとこんな感じの資料でした。

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見てもらうと、どういう事を提案しようとしているのかはわかるかと思いますが、これを提案されても心に響きません。

それはなぜか?改善点とともに解説します。


ポイント❶
「思います。」「考えています。」「予定です。」の言葉は使わない!

まずこのスライドにある文章で直すべき問題点は、赤字部分の表現です。

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「~考えています」とか「~予定です」という表現は丁寧ですが、聞き手にすれば「本当にやってくれるの?」と若干心配になります。

これは提案書ですから提案する側に「任せてください!やります!」という意気込みがないと「よし!じゃー、この仕事をお願いしよう!」と相手の心を動かす事はできません。

ですから、先ほどの赤字部分は削除するか断定した言い方にして意志をこめましょう。

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先ほどよりはスッキリしましたが、でもまだ心に響きません。

何が足りないのでしょうか?という事で2つ目のポイントです。


ポイント❷
相手を惹きつける表現に見直す!

提案書の場合は、特に提案を聞いた側が「なんか良さそうだな」と興味を持ってくれないとその後の話は続きません。

その視点で先ほどの資料をもう一度見てみましょう。

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赤字部分がとても平凡な表現になっていて「凄み」や「迫力」を感じません。言い換えると誰にでも言えそうな話に聞こえます。これでは相手に興味を持ってもらえませんから、表現を変えていきましょう。

まず、タイトル部分にある「内容」という言葉。これを、「骨子」や「概要」という表現に変えてみましょう。

これにより、このスライドで伝えたい事が、単に「内容=提案の中身」という印象だったのが「骨子=この提案で最も重要な部分」や「概要=全体の要点をまとめたもの」というように、この1枚を見れば全てがわかる!というアピールにつながり、相手の注目も高まります

他の部分で言うと絵の右側にある「購買データを使った分析を反映したような施策を提供」というところ。ここは「購買データを駆使した高度な分析と施策の実施」と言い換えてみましょう。

「使った」というと単に利用したイメージが、「駆使=そのものの持つ機能を十分に活用させて、使いこなすこと」という事で非常にハイレベルな分析をしてくれるイメージを想起させます。

「分析を反映したような」という比喩も、「ような」と書くと反映したのかどうか曖昧に受け取られてしまうので、曖昧に受け取られそうな表現は削除してかまいません。

このように、言葉1つ1つを、より重要なもの、より高度なものと感じられるような表現に変えていくと、先ほどのスライドはこんな感じに変身します。

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より重要なもの、より高度なものと言っても、相手に伝われないと意味がありませんので、相手が辞書で調べないとわからないような言葉を使ってはいけません。

もちろん提案書は表現よりも大事なのは提案の中身ですから、提案内容をしっかり吟味して良いものを作る事が大前提になります。ですが、せっかくいい提案内容でも表現が良くないと、提案の良さが十分相手に伝わりません。それは、とてももったいない事です。

ですから提案内容を磨きつつ、表現方法も意志をこめて、相手を惹きつける言葉に変えて、「表現」を磨いていき、相手の心を動かすものを作ってください。

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