職場での先輩・スタッフ間トラブルについて

治療家新人が中級者になる為のバイブルPart3

入社・就職してから、雑用から受付周りがスムーズにできる頃でしょうか?教えてもらったことにミスなくできる頃だと思います。今回は上司・先輩に仕事等を教えてもらう際の始めに、指導を受ける際に最も大切な事は何でしょうか?

指導する人の気持ちを考えたことがありますか?

いつかあなたが新人指導をすれば解りますが、とても面倒で根気のいる作業です。それでもあなたが早く一人前になってもらうために、通常作業に加えて指導作業を行っていることを知ってください。そこで指導してくれる先輩の気持ちがどんなものかを知っておいてください。

そして指導する先輩方にも、新人さんの気持ちを知っていますか?

【新人-指導する先輩-責任者】の3役で説明します。

令和2年7月、当職場で実際にあったケースです。スタッフが辞めるまでに至った経緯として、先輩後輩トラブルというものがありました。これを見ている新人の皆さんは、だからといって「今の職場のアイツがムカつくから直ぐに辞める!!」というのを考え直してほしいです。

また、先輩-責任者は今後私と同じような過ちをしない様に、いつか誰かの役立てればと思います。先輩-後輩のトラブルで、実際に私の職場で起こった事例を申し上げます。私が失敗した事を認めた上でお話します。

※診療時間内の業務的なやり取りのでのケースに限定します

責任者-指導員のコミュニケーション不足

新人の指導にあたる先輩が良かれと思って教えていたことがパワハラになっていたことがありました。私の悪いところでもあるんですが、自分が新人の頃に先輩に教えてもらったことが基礎となり、それを自分の職場でも通じるものだろうと思って、先輩指導員に任せきりだったんですね。

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いつも来られている患者さん、足をひきずりながら「こんにちは・・・」

施術中の先輩「こんにちは!でもあれ?何か歩き方がおかしい?」

手が空いている後輩「ではご案内しますね~。いつもの肩に電気つけますね」

患者さん「えっ?あっ、はい・・・」

先輩「いや、ちょっと待ちなさい。今患者さんは足を引きずってるの見てなかった?」

後輩「はい?普通に歩いてましたけど?しかもいつもの指示で言われた通り、電気つけましたけど?何か?」

先輩「ちょっ、おま・・・裏に来い」

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こんなやりとりがあったとします。

これは実際にあったパターンですが、先輩からすれば足が痛そうな患者さんには、どうしたのか声をかけろ!と言いたいところですね。ですが、後輩はカルテ通り・指示通り動いた訳ですよ。どちらも正しいですね。ただ臨機応変にできないだけなんです、まだ。

ところが、後輩からすればそれは単なるパワハラで、「イヤイヤ、言われた通りやったし!」となる訳で、後から説教されようものなら納得いかないんですね。尊敬する先輩がだんだんと嫌な人になってくることがあったのです。

これは、指導する立場の者(先輩)が責任者との統一意思が無いことが原因です。「○○君をこんな風に育てよう」「彼の個性と成長曲線はこのくらいだから、こうやって指導していこう」と綿密に決めることが大切です。

更に「この様なミスが発生したら、彼にはこのレベルで話し合おう」ともしもミスをした時の対応とバックアップの基準を細かく決めべきです。

・先輩たちは怒りっぱなしで帰っていませんか?

・後輩は怒られっぱなしで放置されてませんか?

新人の気持ち

新人さんが最もむなしく、怖いことは「一人で放置される」ことです。確かにできないかもしれませんが、「そこにいるだけでいい」とかは、辞めたくなるほどの孤独感を感じます。

せめて、何かをさせてあげる、あなたが暇になっても新人さんにするべきことを与えてあげることが先輩のすべきことです。


何がパワハラか?

同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適性な範囲を超えて、精神的・肉体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為

新人の方は、始めのうちは先輩から仕事を教えてもらうために「はい」「わかりました」と答える機会が多いですね。仕事を覚えるまで、何度も体に染み込ませるように覚えなければいけません。

が、度が過ぎてしまう(なさ過ぎてもダメ)と、それはパワハラです。これをその職場の責任者が気づかないと、二人の関係がますます悪くなり職場の雰囲気が悪くなります。

※当時、私はここでパワハラだと気づいていませんでした。

ただ全てが先輩が悪いというわけではないのも事実です。何かしら問題があるとは思いますが、

・なぜ先輩が怒っているのか?
・なぜそこを指摘されるのか?

を理解してもらいたいのも、事実です。

逆の立場になり、先輩の気持ちも察してみましょう。

先輩の気持ち

どうやって仕事を見つけてあげるかが解からない。※どのことを教えても、良い反応がなければ、先輩は余計に迷います。

嫌われたくない、負けたくない、馬鹿にされたくない、尊敬されたい。あなたが急成長しても困るのが先輩のホンネでもあります。

受付業務を覚えてくると、次は接客の仕事が多くなります。この時に簡単にできることから始めるんですが、先輩としては本当に本質を理解してやっているのか?という迷いが出ますね。

そしては俺たち(先輩)と早く同等レベルの仕事ができるようになることを期待しています。


ミスの後のフォローまで決まっているか?

あれもこれもと、覚えることがたくさんあるのでついつい「これをやってね」「あれをやってね」「それもやっといてね」と連続で指示したことがあります。

ただ後輩からすれば、一つの事でいっぱいいっぱいなのに、それもこれもと続けざまに言われると頭がパンクしていたそうです。

一つのことで止まっていると、二つ目三つ目のことは聞いてるはずなのに、身体が追いつかず、動きが止まってしまうんですね。

ここに先輩が「何でそれできないんだ?!」と、追い打ちをかけるようにして言ってしまうケースが多く、新人さんの気持ちが折れてしまうんですね。

ここでの改善点は、先輩は後輩がどのくらいのキャパ(容量)を持っているのか?細かく観察しなければなりません。

新人さんは、言いにくいかもしれませんが「僕は○○までしかできません」と、最初に伝えるべきかもしれません。※それ言うと更に「はっ?!何で?!」って言われるよ・・・という職場はよろしくありません!(私がそうでした!・・・ごめんね)

解らないところは「わかりません」「もう一度教えてください」と、恥ずかしいかもしれませんが、勇気をもって聞くべきです。

ミスは誰でもしますね?

先輩も十分分かっております。大事なのはミスのリカバリーです。どうしてミスをしてしまったのか?これを考えなければなりません。先輩としても

・なんでミスをしたと思う?

・じゃあどうすれば、これがこれにならなかったのかな?

怒らずに、聞く姿勢を持って諭すやり方も必要です。


あなたの将来を考えてモノを言う

先輩というものは、新人さんが思っているより実はいろんな作業をしていたり、面倒なことをやってくれてます。これを知らずに、「ちょっとしたミスに、ただキレてるわ」「訳を話しただけなのに、すぐ怒ったわ」と不機嫌になってしまうのは新人さんが注意する点です。

先輩もただただ怒るのではなく、

・どうしてそうなってしまったのか?
・どうすれば改善できたのか?

を一緒に考えてあげないと、一歩通行の怒りになってしまい、後輩が納得できずに不満が積み重なります。

また先輩が本気で怒った場合、将来あなたのことを思って怒ってくれています。中には理不尽なこともあるでしょう。世の中には理不尽なことだらけであって、この理不尽さを克服しなければ、次なる職場で必ず同じような問題が起こります。

毎回逃げてしまうので良いのでしょうか?

「あの人、私のこれが嫌いなんじゃないか?」だんだんと仕事じゃないところも嫌に見えてきてしまいます。こうなると信頼関係が崩れ、後輩の一方的な拒絶反応により、先輩がいくら指導をしても全く受け付けなくなる状態にもなります。実にもったいないですね。

人間ですから、そういう態度を取られると、教えてる側も「なんだこいつ?」と教えたくなくなってしまう事実です。

先輩後輩トラブルというものは、一方が存在自体を受け付けなくなってしまうと、それ以降全てのことに対して受け付けなくなってしまうことです。拒絶反応と言いますか、挨拶にしても「何か嫌な感じ」「目を合わせるだけで怒りがこみ上げてくるような感じ」になります。

それでいいのでしょうか?

こうなってしまうと仕事中もギクシャクし、そのギクシャクが患者さんにも伝わってしまいます。

私たちの業界では、新人の時は指導される・怒られるが前提にあります。それほど、あなたに期待していると思って良いでしょう。本当です。

逆に、全く怒られない状態・何も言われない状態というものは、あなたの成長を期待していない・駒のままでOKと一緒です。

もう一度言います。

先輩は、あなたの将来を思って指導していることを忘れないでください。

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