ジュエリー制作を始めた理由
私がジュエリー制作に興味を持ち始めたのは、
まだニューヨークにいる頃だった。
その当時の私は
とあることで精神的なダメージを負っていた。
生きてはいられたものの精神科のカウンセリング、
それに薬が必要だった。
そしてある日、
自分の顔を鏡でまじまじと見た時に落胆したのだ。
鏡に映っている私は
あの明るく活発だった頃の面影はない。
痩せ細り肌に張りもなく
ぼろ雑巾のようになっていた。
精神的にボロボロになるというのは
外見をこうも変えてしまうのか。
情けなくて泣けてきた。
涙を流しながらハッとしたのである。
このままではいけないと。
自分を変えれるのは自分しかいないんだ。
10代の頃からお洒落をするのが好きだった。
バイト代を大好きな洋服やアクセサリーに
費やしていた時期もあった。
見た目が変わると自信が持てることを知っていた。
鏡の自分を見つめていると、
”着飾れるジュエリー作りを始めよ”
という声がどこからか聞こえてきた。
これは始めるしかない。
そこから私のジュエリー作りが始まった。
ジュエリーと言ってもその当時は
ロウ付けなどの技術も知識もなかったので、
パーツを丸カン等で繋ぎ合わせるという簡単なものだった。
私は真鍮の黄色みのある金属が好きだったので、
主に真鍮とパワーストーンを使った
ジュエリー制作をしていた。
作業している時は夢中になれた。
ただ作ることだけに集中できた。
いつのまにか何時間も過ぎていた。
そして自分で作ったジュエリーを身に着けるだけで、何だか幸せな気分になることができた。
暗黒期の私は黒い服ばかり着ていたが、
徐々に明るい色の服を着るようになった。
それだけでなく化粧も変わり
印象が変わっていった。
できあがったジュエリーたちは、
自分で身に着けるだけでなく、
友達に無料で配っていた。
そしてどんなジュエリーが欲しいのか
調査したりなんかもしていた。
それだけで楽しかったはずだった。
だが欲が湧くのだ。
職人が作るようなジュエリーを作りたい。
インスタグラムなどでソルダリングや
キャスティングで作られたジュエリーたちを見ると、自分の作ったジュエリーが安っぽく見えた。
それがどんどんコンプレックスになっていった。
本当は本格的なジュエリーが作りたいのに、
その知識や技術がないという自分に。
それならばジュエリークラスで学ぶしかない。
早速ネットでどんなジュエリークラスがあるのか
調べてみた。
画面をスクロールしては
クリックするというのを繰り返し、
私はため息をつきながら肩を落とした。
ジュエリーのクラスとはこんなに高いものなのか…
ちょっと様子を見て
お金と時間と相談をしてから
クラスに通うか決めようという結果になった。
時は過ぎようやく色々と落ち着いた頃、
行きたいと思っていたジュエリークラスに問い合わせをした。
講師の方からすぐに返信があったのだが、
現在は産休・育休中なので
半年後にクラスを再開するという内容だった。
半年後か…
その頃には、既に狸との同棲話が出ていた。
近々サンディエゴに引っ越すことが予想されたので、ニューヨークで学ぶことは断念した。
サンディエゴに引っ越して落ち着いた頃、
またジュエリークラスを探し始めた。
いくつか気になるジュエリースタジオを見つけた。
そしてメッセージを送ったり、
直接スタジオに出向いて話を聞きに行ったりした。
こうした努力が実を結び、
私にピッタリなクラスを見つけることができた。
これはジュエリー制作を学べと言われているに違いない。
ジュエリークラスについてはこちらから↓
こうして私はジュエリー制作にどっぷり浸かっていくことになる。
自宅でも自主的に
様々な方法でジュエリーを作ってみた。
スタジオで教えてもらえない内容については、
ネットやYouTubeで学んでいる。
全く何でもネットで学べる便利な時代になったものだ。
あの鏡に映ったボロ雑巾兎との会話が無ければ、
ジュエリー制作をし販売をしていこうなど、
生きている人生の中で思わなかったかもしれない。
まだまだ学ぶことはたくさんある。
技術もそうだが売買するにあたり、
ライセンスを取ったりもしていかなければならない。
ペーパー作業が億劫になり先延ばしにしてしまっている。
私は根っからレイジーなのだ。
オンラインでの売買はしているが、
やはりマーケティング力がないため
なかなか難しい現状である。
ちょこちょこ売れてはいるが、
これだけで食べていくというのは無理である。
まぁ、長い目でゆっくりやっていくしかない。
キッカケも大切ではあるが、
すぐに始めるという行動力が引き寄せる力とは、
とても強いものなのだなと感じた。
思えば今までやってきた仕事も、
興味があってやってみたいと思ったことをやってきた。
その仕事を継続するかしないかは別として、
自分の感覚に従って行動すれば
どこからかメンター的な人が現れたり、
仕事に関連するチャンスを掴めたりするのである。
もし読者さんの中で
今やりたいことがある人がいれば、
思い切ってやってみたらいい。
それをSNSなどで発信していって、
もしそれが仕事になったらラッキーじゃないか。
運なんてもんの入り口は
自分で作り出すしかなのだ。
(ニートが偉そうに言うなと言いたい)
そんなわけで今日も私はジュエリーを作ったり、
ペインティングをしたり、
イラストを描いたり、
こうやってnoteの執筆をしたりしているわけである。
ちなみに痩せ細っていた体は、
山歩きとロッククライミング、
そしてクリエイティブな兎に戻ったことで、
みるみるうちに肥えていった。
カウンセリングと薬からも
だいぶ前に卒業することができた。
今ではボロ雑巾だった時の面影はなく、
兎というより豚に近いくらいだ🐖ぶひっ
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