見出し画像

EP.37 社長の爆弾発言で採用チーム崩壊⁉

画像10

いつもお読み頂きありがとうございます。

 幹部メンバーや社長とバトルを繰り広げながら、創業以来の最大の危機を緊張感いっぱいで冷や汗を流しながら綱渡り施策で全力対応。

 そんな中でも私が始めた新卒採用は、継続して行っています。会社の状況はできるだけ混乱を避けるためにもうまく隠し、水面下で動いていましたが、ある日、社長の爆弾発言で採用チームが崩壊・・・。企業活動のすべては連動していることを体感するエピソードです。


◆新卒と副社長のホットラインは脅威⁉

 会社の未来を創る為に新卒メンバーを覚悟をもって受入し、育成も自身で担当しながら社風改善や変革を共に活動していた話を以前書きました。

と同時期に、業界のイメージ変革の象徴としてシニアマーケティングの基礎となる「お客様の声」を形にした入浴特化型短時間デイサービス「いきいきらいふSPA」を開発。このモデルの展開に向けて、業界外より優秀な幹部メンバーを招聘し、活動を加速させていった2012年、新卒2期生入社の年の話です。

 新卒2期生も1期生と共にいきいきらいふに新卒文化を創生するために、「自分たちの役割は【挑戦】の代である。そして挑戦の上、たくさんの失敗をすることで、後に続くメンバーへの道しるべになる」と言い、様々な取組を自主的にはじめてくれました。

2期生

 2期生入社と時を同じく副社長に就任した私は、後任の人事マネージャーと共に研修をはじめ、各種取組についてがっつり関わっていました。そんな中、新たに加わった幹部メンバーからリクエストが入りました。

「副社長、新卒と直接関わるの控えてもらえませんか?」

「えっ⁉ どうして? 何か問題なの??」

「現場の管理者がやりにくいって言ってます。現場からすれば副社長とホットラインを持っている新人は扱いにくいですよ。あることないことチクられたら・・・。」

 確かに!この時まで、全く気にしていませんでした。なぜなら、新卒採用を始めるにあたって社内からは猛反発、彼らを育てていくのは自分だと覚悟を決めていたのですが3年経ち、少しずつ組織化されていたのです。
 寂しさを覚えながらも、会社が大きくなっていく過程ではこれも必然。そう思い、幹部の進言を受けれることにしました。新卒とのビッグプロジェクトが終了した秋のことです。

「ビッグプロジェクトも終了して、今後は現場の仕事をがんばっていくことになるね。これまで、直接話をしてきたけどこれからは、みんなの実力をつけていかなければならないね。直接の連絡は控えていこう。」

「えっ⁉ なんかあったんですか?」

「いや~、これから会社を背負ってもらうみんなには、きちんと力をつけて実力の評価を受けて欲しい。私と話ができる関係にあると、正当な評価も穿った目でみられる可能性があるんだよ。」

「そうなんですね・・・。わかりました・・・。」

 2期生メンバーには、状況を伝えて上司や幹部陣の指導に従うように促し、ホットラインを停止することになりました。

 この判断の半年後、2期生が2年目に入った年に一人、二人と徐々に退職していくことになりました。幹部メンバーから引き止めや慰留面談のリクエストもなく、事後報告だったことが今でも悔やまれます。

画像5

 業界外かつ大手企業経験者メンバーからすると新卒は、何もできない子たち。辞めても大した問題ではないというマインドがあったことを後々知ることになります。おそらく人事や新卒の採用担当をした人との大きな違いなのだと思いますが、当時の私はそのことを知る由もありませんでした・・・。


◆新卒メンバーの採用・育成担当

 今後の話が分かりやすくなるように、新卒の採用育成担当について整理してお伝えしておきます。

 1期生は、もちろん私自身で採用責任者として動き、採用から育成のベースを整えました。当時は、採用で動けるのは私一人だったこともあり現場メンバーを招集して侍プロジェクト(PJ)として採用チーム(4~6名)を形成して全社タスクとして活動。


整理表

 2期生採用も同様に、メンバーチェンジして若手メンバーと共に採用から育成まで協力してもらっています。
 そんな中、流石に業務タスクが多岐にわたり手に負えなくなりつつあった時に業界外のキャリアメンバーを招集。一番初めに採用したのが人事MGで、私より遥に優秀な方だったので、これまのでやり方や新卒採用にかける想いを理解してもらう為、2期生教育、3期生採用を一緒に行って引継ぎしていきました。

 最初は、会社の未来を創ると聞かされたのにプロジェクトとは言え、そのタスクを若手新卒メンバーで構成することに大きな反対をされました。
 しかし、私と共に活動していくうちに新卒の可能性を理解され、彼らと共に歩む道を自ら切り開いていく活動に移っていったのです。

画像6

 もともと優秀な方ですので、引継ぎに時間はかからず、いきいきらいふのイズムや私の想いをしっかり踏襲して採用や育成をしてくれているように見えました。

 3期生の入社後は、育成含めすべてを委ね3期生メンバーは順調にスキルアップしていきました。そして、同時並行で動く4期生の採用については完全移譲。新卒採用・育成から一切の手を引いていったのです。

画像9


◆社長の爆弾発言!! 採用チーム崩壊・・・

 しかし、この3期生入社年がEP32でご紹介した大混乱の2013年なのです。

 新卒採用に携わったことのある方はよくわかると思いますが、2014卒の新卒採用活動は早ければ2012年の秋頃からスタートしています。新卒は、内定から入社までが恐ろしく長いのです。それだけ、採用計画は綿密に組み、活動していく必要があります。

※現在は、就活協定などの動きもあり一定の時期に開始するような暗黙のルールがありますが、インターンと言う名の選考活動を行っている企業が増えて形骸化しつつあります。

つまり、当社の経営危機の真っ最中に内定承諾していたのが4期生になるメンバー。急拡大の多店舗展開での主要メンバーとなってもらうべく、11名も内定を出していました。

画像7

 メガトン級の爆弾事件が発生対応中でももちろん採用活動はとまりません。内定者にとっては、入社は人生を左右するとても大きなイベントです。
 入社まであと2カ月と迫った2014年2月に内定者である4期生の入社後育成プランについて人事部長、採用マネージャー、採用担当とのミーティングを行った席で事件は起こりました。

 本社の会議室に副社長である私を含め採用チームメンバーが揃い、社長を待ちます。
 4期生は採用チームがかなり力を入れて選考してきたので、私の目からみても優秀なメンバーが揃っていました。今後の活躍を期待し、育成もしっかり関わっていこうと話していました。

会議室に社長が来て、開口一番・・・。

「4期生、こんなにたくさん採用してどうするんだ!どう責任とる?」

しまった・・・。

まさか、この場でそんな話をするとは・・・。

 財務危機にあり、経営再建中の話は幹部しか知りません。幹部会でも新卒採用を絞ったり、止める話は一切出ていませんでした。完全に社長の独断発言です・・・。

ましてや、「新卒文化、若手の活躍」を標榜してた社長に採用計画の承認をもらって、苦労しながら活動してきたメンバーのショックは計り知れないものでした。

会議室は凍り付きました。

画像4

 何がどうなっているのかわからず、採用マネージャーが泣き始め、内定者に対する想いをぶちまけました。カオス状態です。

最早ミーティングどころではなく、人事部長から仕切り直しの提案。人事部長は、採用マネージャーと採用担当を連れて会議を後にしました。

当の社長は、「えっ⁉ 俺なんかまずいこと言った???」と面食らう始末。

 状況を整理して説明し、あとは私の方でフォローすると伝えて散会。自分の先読みの出来なさにへこんだのを覚えています。
 この時に、採用メンバーの心は離れ、完全に上層部への不信感を抱かせたのは間違いありません。この後、採用チームは崩壊していきます。

 私の責任の下、もちろん4期生11人は全員入社してもらいました。彼らの入社までに状況を打破しないといけませんでしたが、私の中では綱渡りでも再建策そのものには自信を持っていました。

危機を脱したとは言え、一度失った信頼を取り戻すには・・・。これらの歪がこの後一気に噴き出します。次回はそんなお話です。

さて、今回のお話からはどんなことを感じ取られましたでしょうか?
私は「約束を守る」を信条としています。過去の実績によって信用が作られ、信頼につながっていく、そう信じて活動しています。



画像1
画像2


この記事が参加している募集

オープン社内報

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?