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EP.22 若手育成の礎となったメンバー達~鬼軍曹トレーニング~

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いつもお読み頂きありがとうございます。今回は、EP.17 未来を創る!社運を賭け、新卒採用へ挑戦!!から続くエピソードです。こちらもご確認ください。


 社運を賭けた新卒採用「侍プロジェクト」(※EP18前編EP19後編)にて、プロパー1期生を発掘している2010年、この1期生を迎え入れる為に若手育成のトライアルとして入社した22歳~27歳の若手メンバーが11名いました。今回は私のことを影で鬼軍曹と呼んでいた彼らのお話です。



◆未経験・無資格のフリーター、ニート集団、0期生!!

 若手の育成風土や体験をほとんど持っていない当時の私たちは、社会の公器として新卒を受け入れるには、あまりにも無謀と感じていました。そもそも新卒採用に対する社内の風当たりの強さを身に感じていた為、1期生の入社までに若手育成の土台をつくることにしました。

 ちょうど、運よくその時期に介護人材不足を解決するために東京都から働きながら介護の資格を取らせることができる【東京都介護雇用プログラム】と言う助成制度が始まり、これを利用して若手人材を募集する取り組みを開始。広告募集、人材紹介を駆使して介護未経験・無資格のメンバーを面接!最終的に22歳~27歳の若手が4カ月かけて11名入社することになりました。

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このメンバーの背景は、
 ・社会に馴染めず、何年も働く気力がない
 ・一度は就職したものの馴染めず早期離職してしまった
 ・就職活動が上手くいかず、内定がもらえなかった
 ・社会人になる意味・意義がわからずアルバイトを続けていた

現在も社会問題として存在しているものです。コロナ禍における採用活動のオンライン化でよりミスマッチが広がることを懸念していますが・・・。

一人一人の背景をしっかり知った上で、彼らに共通していたことは!

★今の生活や状況から抜け出したい、人の役に立つ仕事がしたい

 でした。今回の採用の目的をきちんと説明し、1年間の期間限定雇用(東京都介護雇用プログラムの条件)であることと次年入社してくる1期生の為に、いろいろな研修を試させてもらうことを合意してスタートしました。


◆手探りの研修プログラムと鬼軍曹

 さぁ、介護未経験・無資格の若手人材が11名も入社してきました。当時まだ社員数20名程度の会社にその半分を占める若手の受け入れ、正気の沙汰とは思えませんがそれくらいの覚悟を持って社内改革を断行していきました。

 研修プログラムについても、もちろんすべて手探りです。部品メーカーの製造業から介護業界に転職した時のこの業界での非常識(ビジネスマナー等)を彼らに身に着けさせるわけにはいかない!!
 そう思い、ビジネスマナーから目標設定、キャリア開発にむけて意識改善などの研修プログラムをベースに介護の基礎・実技・実習やコンプライアンスなどかなり詰め詰めで研修を実施していきました。
 研修レポートによる習熟度の確認とフィードバック、日々の日報提出など、徹底した状態管理を合わせて行いました。

 そして何より、私の研修において一番のポイントとなるのは、ニート・フリーターとしての背景を持つ彼らの意識改善です。

基本的に問題・課題から目を逸らしたり、逃げ腰になる彼ら。
本来やりたいと思って入社してきた介護の仕事。

この2つが揃うと、結果は明白。さらに輪をかけて、当社には若手人材の受け入れに関しての否定体制。
「彼らとの約束を守る為にも、辞めさせてはいけない」この強い思いから私の研修では、かなり強めに叱るスタンスで関り続けました。今のメンバーには想像もつかないくらいです!!

「日報を書く意味がわかりません、上司はたいしたコメントくれないし…」
→「上司は忙しい!上司がコメント書きたくなるような日報を書かないあなたが悪い。書いてもらえるような内容にしなさい!!」

「研修で学んだことと、実際に現場でやっていることが違う」
→「そこに気が付いたのなら、あなたが中心に変えていきなさい。何の為に研修受けているのですか?誰もやらないならあなたがやればいい!!」

「介護に興味をもてません・・・」
→「そうやって、何もしてこなかったから今の状態。変わりたい、変わると決めたからここにいる。逃げずに向き合いトコトンやってみなさい!!」

 研修3時間、ずっとこんな感じの日もありました。私もなんとも引き出しの少ない・・・、反省です。彼らとのやり取りを全て現場にフィードバック。上司となるメンバーにも改善要求強めのアクションです。

 半年も続けば、【鬼軍曹】の出来上がりです。
私が呼び出すとガチガチに緊張、会うと背筋が伸びて表情が強張る。この状況でなんとなくイメージできるのではないでしょうか?

 その代わり、社長には0期生には極力褒めたり、励ます声かけをお願いしました。TOPが気にかけてくれて褒められて嬉しくない若手はいないはず。彼らが踏ん張れる拠り所の存在が絶対に必要だと感じていました。

 現場が若手をウェルカムで受け入れない風土の中、私の研修を厳しくすることで現場の上司が優しく見えるように仕向けるしか当時の私の力量では方法がありませんでした。 
 ただ、驚くことにこの0期生達11名で1年以内にリタイヤしたのは1名だけだったのです。(1名は体調不良によるリタイヤ)


◆新卒風土の礎となる取組の開始

 0期生とは、かなり濃密なコミュニケーションをとっていました。内定者である1期生への関りはもちろんのこと、いきいきらいふの新卒風土構築の礎となる取組に参加してもらいました。若手が活躍できる組織作りは共に未来を創り理念を実現していく覚悟の表れです。

ある日、社長が「0期生と何かやりたいなぁ」とつぶやいたので「富士山でも登ってきたら、日本一の山だし」と冗談で提案したら・・・、

「いいね、それやろう!俺も登ったことないし!!」

社長と0期生で企画をつくり、0期生が全て準備・段取り・運営を行う形が出来上がりました。(私は鬼軍曹なので、立場上参加していません)

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 実行してみて富士登山途中での数々のドラマや個人のパーソナリティなど通常の仕事場ではわからないことがたくさん見えてきたそうです。

 ここから新卒1年目が経営者を巻き込んで何か大きなことをやるというイベントが始まりました。いつの頃からかビックプロジェクト(BIGPJ)と呼ばれ、当社の名物イベントになっています。

このほかに、社長直轄組織TTP委員会ができました。
TTPとは「て(T)っていて(T)きにパ(P)クる」と言う意味です。会社の変革を目指して若手を受けれましたので、世の中にある様々な企業で行われている良いと思われる取組を社内に持ち込む活動です。1期生入社共に、活動が本格化し、「元気化朝礼」「ケアマネ感動プロジェクト」「サンクスカード」等が導入されていきます。

 さて、取締役人事部長である私は、TTP委員会から漏れたメンバーを中心に2期生採用チーム(第2期侍プロジェクト)を発足。0期生と未来のメンバー発掘に動くことにしました。
 侍プロジェクトメンバーは、その活動を通してTTPメンバーに対抗意識を燃やし積極的かつ能動的に動いてくれました。彼らがいなかったら2期生採用は上手くいかなかったことは明白です。

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0期生には、1期生内定者合宿のアシスタントやサプライズ入社式の企画・運営などを通して、若手の可能性をまざまざと感じさせてもらいました。

1年経った際、東京都介護雇用プログラムが終わると同時に今後についても面談です。1年間を振り返り、次のステップへ道が分かれます。

 11名のメンバーのうち8名が継続雇用を希望し、適性を鑑みて6名が残ることになりました。1期生の入社を皮切りに若手による組織改革が本格加速化する中心メンバーとして活躍していくことは、別のエピソードでご紹介します。

さて、今回のエピソードはいかがでしたでしょうか?
どんな気づきがありましたか?


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