🌱【私小説的気づきのエッセイ】宇宙の采配は最善。。。『心の声に耳を澄まして選択したら、道はひらかれる』と、いうこと。

【気づきのエッセイ】その瞬間の選択を『思考』ではなく、『心』に従って選択したら、奇跡的な出来事が起こったという、自身の経験に基づくストーリーです。

母との電話

『ホント、いいタイミングやったね。いやぁ、ほんまに良かったわ〜。』

電話の度に母は言う。１年以上前の話を、先週のように話すのだ。

『私もそう思うわ〜、ほんま、バッチリのタイミングでタイに戻れて良かったわぁ。あれ以上遅かったら、きっと大変やったと思うで。旦那さんと娘ちゃんも一緒だったし〜。』

と、私も毎回、同じセリフで応える。まるで、漫才のネタみたいだ。

それにしても、母の言う通りなのだ。本当に、ラッキーだったと思う。あと少し旅の日程がずれていたら、タイ到着後のPCR検査や、14日間の隔離検疫を受けることになっていたかもしれない。
そうなると、外国人である私は、戻った早々、とんでもなく面倒な手続きに巻き込まれてしまう所だったからだ。こういう時に『何かに護られているんだなぁ』と思う。

『それからな、旅行もありえへんぐらい、充実して楽しかったし〜、ほんま行くとこ行くとこの皆さんにお世話になって、感謝しかないよね〜』

私は、電話の向こうの母に、いつもの通り、奇跡の旅の話を始めた。

日本縦断旅行で、ミラクルの引き寄せが止まらない

帰国したのは、2020年の1月末。5年余り勤めた会社を退社してすぐのタイミングだった。
退社後は、旦那さんが総菜店を開業する予定だったので、“今後しばらくは、長期の家族旅行は出来ないだろう”と、気合いを入れて計画した、約１か月にわたる、家族揃っての日本縦断の旅だった。

日本で旦那さんと娘と一緒に“味わいたい景色“や、“経験したいこと“が山ほどあった。
伊勢神宮参拝を皮切りに、父の眠る沖縄の離島まで、日本を縦断しながら、各地の親類や友人たちを訪ねる旅。
父の墓参り、母の手料理を食べながらの団欒は、旦那さんの一番の希望でもあった。その次に、雪・桜・日本酒も！

“せっかくここを周るなら、この人にもあの人にも会いたいな。それから、雪と桜と日本酒と！”と、ワクワクしながら、計画を立てていた。

ワクワクは、思った以上の良い現実を引き寄せた。
出発日程が仕事の都合でなかなか決まらず、ぎりぎりに連絡したにも関わらず、行く先々の親類、友人達から歓待を受け、感動の連続だった。
もっと言うと、本当に一生忘れられない奇跡の旅となったのだ。。。

父の墓参りのつもりで尋ねた沖縄・離島での滞在では、偶然にも旧暦十六日と呼ばれる特別な日と重なったのだ。なんというミラクル！

その日はお彼岸のような日にあたるそうで、伝統的な料理を作ってご先祖様にお供えしたり、家族でお墓の掃除を行い、故人とご飯を食べる風習の日。その地方では、家族が集合するとても大切な行事なのである。

十六日のことは聞いたことがあったけど、旧暦に慣れていない私は、本当にビックリ仰天。
親類の方たちに混ざって、お墓掃除を隅から隅まですることができて、“今日ここに来るべくしてきたんだ”“導かれてきたに違いない“と感じた瞬間だった。
いつもご先祖様のお墓を守ってくれている親類の方々に、感謝してもしきれない！今でも、胸いっぱいの感謝の気持ちを送りたいほどだ。

奇跡はそれだけでは終わらなかったのだ。
日本酒はもちろん、スキー場にも連れて行ってもらい、雪体験もできた。
２月にも関わらず、東京の河原の桜並木が三分咲きになって、花見ができた。
その上、外国からの観光客が減ってきていたタイミングだったため、どこへ行っても人がいない。だから、観光地でも混雑しない。並ばなくていい。（自閉症の娘にとっては、待たなくていいのは想像以上に快適なのだ！）
さらに！必要に差し迫って取ったホテルは、どれもバーゲン価格というおまけ付きだった。１００％いや１２０％の確率で願いが叶ったのだ。

もう、“こんなに長い旅はしばらくできないだろう“　という予感も、現実のものになった。原因はちがったけど。。。

タイに戻ったのは、2月末。
その日は、北海道の旅行から戻ったタイ人がタクシードライバーにウィルス感染させた、というニュースで、どこもかしこももちきりだった。
そこから、毎日のように感染者数がニュースでカウントされるようになり、鎖国が始まり、非常事態宣言になだれ͡こんだのだ。

『そうや、そういえば、旅の準備中にも“護られてる”って思ってしまうくらいの、奇跡の出来事が他にもあってんやん！』

と、私は母に話をつづけた、、、

フライト準備のミラクル

会社には1年前から退職の意志を伝え、2019年の9月末で勤務終了が決定していた。ところが、人員確保の問題で会社から相談を受け、2度ほど退職日程を変更することになったのだ。

引継ぎ期間は3か月程度で設定したい、という会社の意向に反して7月後半になっても後任が決まらない、、、
会社と対策を協議した結果、“ポジションに穴をあけず、後任の方へ私から引継ぎするのが望ましい”とされ、私も納得の上で、年末まで勤務延長することとなった。

その時の私は、どこかほっとした気持ちでいた。このまま自分の要求をつき通して、期日通りに辞めたら、後に残されたスタッフに負担がのしかかることが、目に見えていたからだ。
旦那さんも、そんな私の判断に大賛成してくれていた。

そうなれば、フライトを年明けにした方が良いかもしれない！

年末年始のフライトは高額で予算オーバー。なら、お正月はタイで過ごして、年明けのフライトは安くなるかも．．．！と、ひらめいて検索した。
そうしたら、面白いチケットが出てきたのだ。

シンガポール航空、1月7日出発、シンガポール経由、フルサービス付き。　札幌行き　片道　1万5千円　荷物30㎏まで可！　同じく名古屋行きも同価格で片道でも購入可能！トランジット時間は自由に選択可能。ただしキャンセル不可、日程変更は条件によって可能。。。

大阪着とか福岡着の便もあったけど、この2つがダントツに安い設定。
もうこのどちらかに決めるしかない！って心に決めた。

面白いことに、日本出発便の価格が非常に高価で、往復価格になるといきなり10万円近くになっていたのだ。
そのため、日本出発便は別で片道チケットを探すことにした。
どちらかというと、その方が都合がよかった、とも言える。
なぜなら、まだ旅のスケジュールが、すべて本決まりでなかったからだ。“日本出発の日程を決め切れていなかった“というのがその理由。

『それで、旦那さんに相談してんやん、“冬の北海道行ってみたい？“って。“雪、見れると思うよ、タイの人にも人気みたいやし。もしかしたら、めっちゃ、積もってるかも！“って、そしたら、“寒すぎるのは、ちょっと、、、“って、意外な回答やってん。だから名古屋行きにすることにしてんけど、、、』

それが大正解だった！
北海道はタイの旅行チャンネルでも紹介され、人気の高い観光地になっていた。
それなのに、、旦那さんはなぜか気が乗らなかったのだ。だから、名古屋行きのチケットを即予約した。

もし、札幌を選んでいたら？　
そちらを選んだパラレルワールドの私たちはどうなっていただろう？　　
もしかしたら、感染リスクがあったかもしれない。
旦那さん、本当に寒過ぎだけが行きたくない原因だったのか？
直感がまたしても働いたのか？？　
それは、今でも謎なのである。
本当に、“何かの力が働いて護ってくれたんじゃないか“と思うのだ。

そして、もう１つの願いが生まれる。
シンガポール空港でのトランジットの時間選択できるんなら、行きたいとこがある！
シンガポール空港の横にあるJewelに行きたい！Youtubeで見たVortexの光のショー、見た瞬間にときめいたから！

その後、後任が決まったものの、すでに12月に入っていた。年末年始の休暇を前にして、実質の引継ぎ時間は2週間しかないことになる。
とても不安を感じた私は、念のため、フライトの変更可能日を確認してみようと瞬時に思った。
タイに戻る日程を決めて逆算して調べてみたのだ。そうしたら、変更可能な日程が1日だけあった！
1月30日のフライト。この日なら大丈夫かも！！
心がおどった。

翌日、上司に話してみると、私の提案をとても喜んでくれた。そして、2回目の協議の結果、勤務日程を1月29日まで延長することになったのだ。

バンコク出発前日まで働くのは、さすがにバタバタだったけど、できるだけのことができたと思う。
やり切った満足感でいっぱいの私は、心おきなく会社を後にすることができたのだ。
そしてそれは、私だけではなく、みんながハッピーになれるミラクルだったと今でも思っている。

『ほんでな〜、実はまだあんねん。ミラクル！旦那さんのビザ申請に行った時のことやねんけど、、、』

まだまだ、奇跡は止まらない、、、

ビザ申請のミラクル

10月のある日、娘の日本のパスポートの期限が差し迫ってきていたので、日本大使館に申請に行った。娘は日本とタイの両方のパスポートを持っている。日本に入国するときは日本のパスポートが必要なのだ。

大使館に来たついでに、配偶者の場合の観光ビザについて確認をしてみた。申請はちょっと離れたところに、ビザ専門窓口のビザセンターへ行く必要があるらしい。

タイ人の旦那さんは、2週間程度の日本滞在ならビザの申請は不要なのだが、それ以上の場合はビザが必要になる。それで、今回初めてビザを申請することにしたのだ。

パスポートの受け取り時には、娘を連れて大使館に再訪する必要があったので、その日に合わせて休みを取り、ビザセンターへ申請に行ってみることにした。申請資料についても大使館で確認済み、さっそく書類準備にとりかかった。とてもスムーズな展開だったのだか、、、

11月に入り、娘のパスポートの受け取りに行く日がやってきた。受け取ってすぐビザセンターに向い、申請手続きに入った。書類については全く問題なかったが、係の人がこう提案してきたのだ。

『旅行の予定が、1月7日から2月5日までになっているから、今日は申請しない方がいいです。申請は12月に入ってからでも構わないですよ。』

正直、何てこと！という気分になった。

私は、締め切りギリギリという発想はあまり好きではない。特にこういった役所関係の手続きは、ギリギリだと何かと不安になるので、さっさと済ませてしまいたかったのだが、、、
理由を聞いてしぶしぶその日は手続きしないで帰ることにした。

観光ビザは申請日を起点に3か月期限で発行されるため、あまり早く申請するのは望ましくない。
規定により、ビザを受け取った後ね日程変更は不可。ビザを使わなくなった場合は、キャンセルの手続きが発生する。キャンセルした場合、“しばらくの間のビザの申請が受け付けられない‘’

そして、旦那さんはそれに賛成し、12月にもう一度申請しなおすことにしたのだ。
ここまでスムーズに運んでいたから、申請が見送りになったことが不満に思えて仕方がなかった。ところが、である。。。

その後、旅の日程は変更になるのだ。
12月に入って、そろそろ手続きに行こうとした時、後任が決まり、旅の日程を変更することになった。ビザ申請を遅らせた事により、事なきを得たのだ。

もし、11月に申請していたら？とても困ったことになっていた可能性が高い。そして、日本の旅は、違ったものになっていたと思う。もっと良かったのか、悪かったのか、それは、パラレルワールドの私たちに聞いてみないとわからない。

ミラクルはどこから来るのか

宇宙の采配は、いつも最善であるという。

人生に必要な事はすべて準備されていて、ロールプレイングゲームのように、目の前の選択肢の中から、ひとつずつ選び取っていくのは、自分自身しかいないのだ。だから目の前の現実は、自分自身が創っている。

自分の心の声に耳を澄まして、選択するしかないのだ。

どうしたいの？　私は本当はどうしたいの？

そして、あなたは？

『なぁ、すごいやろ、お母さん！こんな事、信じられる？でも全部ホンマやねん。人生の中で何回こんな事あるんやろう。私たちって、ホントにラッキーやと思わへん？旦那さんともそう言ってんねん。それじゃ、長くなったから、また電話するね。ほんなら、また〜』

そう言って、電話を切る間際に母がいつも言ってくれる言葉がある。

『あんたらが、健康で仲良く幸せでいてくれたら！それだけが私の願いやねんから。いつも祈ってるから、がんばりや〜』

今は、母の愛を受け止められるようになった。そんな自分を褒めてあげたい。
今までも、そこら中に愛はあふれていた。今なら、それが分かる。
でも感じられなかった、そして、それを見て見ぬふりして受け取らなかったのは、私自身の選択だった。

でもね、お母さんが、生んでくれたこと。それがミラクルの始まりやんな。ありがとうね。
おかあさん。奇跡をありがとう。

おしまい。

☆編集後記☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡

こんにちは、『ququ』と申します。最後まで読んでいただき、ありがとうございます！

エッセイ第４弾です♪　気に入っていただけると嬉しいです〜！

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