今さら聞けない○○シリーズ【国産ジビエ 鴨〜基本編〜】読んで学ぶ
国産野鳥11月〜シーズンスタート!
初回予約開始しました!
いつも沢山のご相談&ご注文ありがとうございます!
今日のテーマは真鴨、軽鴨、青首(真鴨オス)などの【野鳥カモ〜基本編〜】です!
ジビエ鴨シーズンは11月中旬から♪
「とりあえず青首ください」ではなくて、
マガモ、カルガモどう違うの?味の違いは?それ以外のカモは何があるの?
主要なカモをまとめてみました。
ぜひお店に合うカモが見つかりますように!
国産ジビエ鴨とは?
狩猟鳥獣26種に含まれる鴨のことです。
(マガモ、カルガモ、オナガ、コガモなど)
狩猟期間は?
11月15日から翌年の2月15日まで
※北海道10月1日~翌年1月31日
国産ジビエ鴨の特徴
高品質!
とにかく高品質な鴨に出会えます。産地ごとに異なる味わいも魅力。
国産の場合は、いつ捕獲したかが明確です。
捕獲した当日、翌日に即発送の現場もあり、フレッシュな味わいのまま納品※されます。
網と銃での捕獲があります。
※熟成させる場合は、そのままお店で羽付熟成させます。
冷蔵庫で数日寝かせるとノミが落ち、羽が抜きやすくなります。
国産ジビエ鴨の弱点
1. 捕獲数
捕獲数に限りがあるため、産地によっては予約が集中し、入荷が不安定に。
入荷はカモ次第であるため、レギュラーで使用するのなら複数産地を抑える必要があります。
2. マガモ以外の入荷数
基本的に国内流通はマガモメイン。マガモ以外の鴨の入荷数が少ない傾向があります。
網を仕掛けて一緒に入ってきたカルガモ、コガモ、オナガなどが流通します。
マニアックな味を好まれる一部のシェフ様に熱烈な人気がある海ガモ系もほとんど流通しません。
捕獲方法
1. 網捕獲(無双網)
猟期前から水田などに大量にエサを撒き、カモを餌付けします。
餌の配合は猟地によって異なるため、そこで味わいの違いが生まれます。
カモは日中は別の場所で過ごし、夕方以降に寝床である猟場に戻ってくるので、そこを狙います。
網は銃弾のダメージがなく、肉の品質が安定するため好まれる狩猟方法です。
まれに状態の悪いものが入荷することがあるので、信頼のおける産地からの仕入れが大切。
2. 銃捕獲(散弾銃 / 空気銃)
散弾銃での捕獲は弾が肉に当たると銃弾が弾け飛び、肉に弾がめり込むことがあります。
弾が当たった箇所がうっ血しますが、未処理の場合は、外見からはダメージがわからないのでノークレームノーリターンが基本。
銃捕獲では、餌付けをしていないので品質が安定せず、ジビエらしい野生味そのままの味わいが楽しめます。以前捕獲したカモは、食道までびっしりと木の実が詰まっていたことも。
ナッティな香りと特有のコクが感じられ非常に美味しいカモでした。銃捕獲の醍醐味です。
納品形態
1. 未処理:羽、内臓付き
羽付きで手間はかかるが安価。
※イクリプス(換羽)がまだ終わっていないと羽の一部が肉から抜けず、調理するときに難点ですが、産地によってはイクリプスが完全に終わった頃に猟に入ります。
2. 毛むき:羽根をむしった状態、内臓付き
最大のデメリットは単価が上がること。産地によってはかなり上がります。
最大のメリットはあの毛むきの手間がないこと!
野鳥は毛をむいたら腐敗が始まるので注意です。熟成させるなら毛付きで仕入れてください。
※【腸抜き】
腸抜きはある産地とない産地がありますが、腸抜きをすると肉が痛みやすい傾向。
国産ジビエ鴨の主な種類
真鴨
マガモ。猟場によって味わいが異なる。
米処のマガモは脂付きよく甘い脂がつく、山のカモはナッティなコクがあり玄人好み。
沼地、海辺で捕獲のカモは食性によるものか、特有の臭みがあることがあるので注意。
野鳥の中では比較的、皮と脂肪が厚い。
わずかな苦味、血の風味のある赤身肉と野生の香りが魅力。
一般的にオスの方が味が濃く珍重され「青首 あおくび」と呼ばれるが、メスはオスに比べてクセが和らぎ、身質もしっとり。舌触り滑らかなのでメスをわざと指定するシェフ様も。
若いカモの方が、身質がよく滑らかとされている。
狩猟初期は脂付き薄く〜冬が深まるにつれてノってくる。
猟期の最後になると捕獲数が少なくなるので、早めに確保すること。
グリル、ローストなど和洋中とオールマイティに使える。
柑橘(オレンジ)のソース、ヴィネガー系、サルミソースなど
軽鴨
カルガモ。留鳥。渡らない鴨のため、地域の餌場を熟知。安定的に脂がのっている。
真鴨と異なり、野鳥特有の血の風味がおだやかで身の色もうっすらと桃色。
脂の融点がやや高めだが、万人に受ける鴨の味わい。
品質が安定しているので使いやすい。
濃厚なソースとは相性が悪い。
合鴨のイメージで使えるので、ソースも合鴨と相性が良いものを
小鴨
コガモ。1羽で一人分ほどの小さな鴨。
ガツガツと食欲旺盛なカモで味が濃く濃厚。野趣に富んだ味わい。
赤身と脂のバランスも良い。青首よりコガモ、というジビエ通も。
サルミ、柑橘系の甘酸っぱいソースが合う
尾長鴨
オナガガモ。脂肪がのりづらい分、赤身の血の風味が強く、野生味が感じられる鴨。
身質はしっかりと歯応えがあり、ジビエ通が好むジビエらしい味わい。
品質が安定せず、個体に当たり外れがあるのが難点。
赤ワイン、黒胡椒のソースなど
血の風味をうまくマスキングすると良い。
葦鴨
ヨシガモ。淡白であっさりした味わい。筋繊維が細く舌触りなめらか。
クセが少ない。流通量が少ない。
フルーツ系のピュレなどが合う。
鴨の火入れについて
しっとりロゼに火入れする。
筋繊維の密度が高く、肉汁が流出しやすい。
長時間火入れをすると肉にパサつきがでてしまうので注意。
いかがでしたか?
今さら聞けない「国産ジビエ鴨」の魅力を少しでもお伝えできたら幸いです。
初めてのシェフ様、まずは味わい穏やかな「カルガモ」「マガモメス」あたりからお試しいかがでしょうか♪
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