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日本のビジネスパーソンがエンタメ業界に行くべき3つの理由

Mintoの取締役の中川と申します。Mintoはアニメ・漫画などのエンタメビジネスをアップデートするスタートアップです。私自身は広告代理店から漫画編集者というキャリアを歩んできました。エンタメ業界で約10年になりましたが、外部から来たからこそエンタメはビジネスとしてめちゃくちゃ可能性があって面白い!と思うと同時に、日本のエンタメ業界に足りないものはビジネスパーソンだと強く感じています。

一人でも多くの人にその理由を知ってもらいたく、その実情とポテンシャルをまとめてみました。 ※3だけでも読んでもらえると嬉しいです

では早速。


1. 「エンタメ」ニーズは世界的に伸び続けるから

健康寿命の延長や中間層の増加、働き方改革などにより人々の可処分時間は増え、エンターテイメントのニーズは高まり続けています。2022年現在の世界の市場規模は1.2兆ドルに達しています。

こちらはアニメ産業の市場データですがアニメ産業も伸びてます。

また娯楽としての純粋なエンタメとして以外でも「エンタメ化」の必要性は至るところで増していると感じています。世の中に情報量が爆発的に増え、人のアテンションを手に入れることが難しくなっているためです。例えば広告業界において、ネット広告費に占める広告制作費の割合はこの5年で150%増えていることもその一例です。Web3の世界においても、キャラクターイラストがNFTとして価値が高まるなど、エンタメコンテンツが投資対象となる流れもあります。

さらに広義に捉え、ユーザーに視点を向けると、自己表現の手段としてエンタメの価値が高まっています。「推し活」と呼ばれる好きなものを応援する活動はその代表例ですが、以前からある漫画家等のクリエイター業に加えて、YouTuberやライバー、Vtuber等といった表現者になる手段が格段に増えたことで、人々にとってのエンタメがより身近になっており、結果ビジネス機会も増え続けていることを感じます。

SNSにおいて広告がコンテンツ化してる例
これ傑作なのでぜひ読んでみてもらいたいです。

2. 世界市場で日本企業が勝てる市場だから

日本の経済縮小が決まっている以上、日本のビジネスパーソンとしてグローバルで戦えるビジネスであるかは重要なポイントです。海外に行くことも手段の一つですが、日本で生まれ育ったことが武器となるビジネスを選ぶことも重要な視点だと思っています。

日本には、日本食のみならず知られざる世界一が実は本当にたくさんありますが、マンガ、アニメなどの日本独自のコンテンツは、明確に日本が世界に誇れる産業です。

アメリカの金融会社が調査した、世界のキャラクターのメディアミックス総収益ランキングでは1位がポケモン、2位がハローキティで、アンパンマンやマリオなど上位10位中5つが日本のキャラクターでした。(ちなみに3位がプーさん、4位ミッキーです。)
また「コンテンツ」はプラットフォームやテクノロジーと比べて、資本が少なくても勝負することが出来る分野であることも、世界の超大国ではなくなっていく日本にとって重要なポイントだと思っています。

3. 他業種出身ビジネスパーソンが活躍出来るから

一方でエンタメをより広く捉えると、映画などを中心にエンタメ市場が最も大きいのはアメリカです。またK-POPを輩出した韓国や、最近では中国やインドなども大きく成長しており、下記のとおり世界市場に占める日本の割合は縮小傾向です。

出典:「コンテンツの世界市場・日本市場の概観」令和2年2月 商務情報政策局 コンテンツ産業課

さらに日本が得意とする漫画アニメの分野でも、「梨泰院クラス」はじめ韓国発祥の縦型スクロールコミック「webtoon」から世界的人気ドラマが生まれ、中国では「哪吒(ナタ/né zhā)」というアニメが鬼滅の刃を超える興行収入(約700億円)を叩き出したりと各国が急成長しており、日本がNo.1だと言えなくなる危機感を強く感じています。コロナ前に何度か中国のライセンシングショーに行きましたが、中国のクオリティのレベルの高さに本当に驚くばかりでした。

「哪吒(ナタ/né zhā)」すごいクオリティ。。

各国を急成長し、また一方で日本が遅れをとっている要因として「ビジネス人材の層の厚さ」があると私は考えています。

前提としてエンタメ産業の活性化には、コンテンツが世に流通し、対価がクリエイターに還元されるエコシステム(=ビジネスモデル)の確立こそが肝要です。日本がマンガ大国になり得たのは、勿論血のにじむような漫画家たちの努力があってこそですが、約60年前にサンデーやマガジンが確立した「雑誌で認知獲得し、単行本で収益回収する」というビジネスモデルを、出版業界で世界でほぼ初めて確立させたことが大きな要因でした。

エンタメ業界はどの分野も基本的に数十年前に出来たビジネスモデルの上に成り立っていますが、例えば音楽がCD販売からサブスクへ切り替わったようにテクノロジーをベースに転換期が来ている中で、前述の韓国等のエンタメ業界は、急速な変化を掴み、続々と登場する新たなテクノロジーを活用したことが成長につながっています。

それが実現出来たのは、韓国やアメリカのエンタメ業界には、金融やコンサル、IT等の他業種出身者が多いことが一つの要因だと考えています。実際、例えばディズニーの役員陣はP&GやGM等の出身者で揃っています。一方で、日本では特にアニメ・漫画業界はプロパーが多く、他業界出身者をあまり多くありません。(プロパーが優秀では無いと言うつもりはもちろん有りませんが)急速な業界変革が起こる中では、多様な経験を持つ優秀なビジネスパーソンが集結し、それぞれの思想で新しいビジネス構築にトライするアクションを増やす必要があると考えています。

最近では出版社等でも他業種から転職し活躍している方が増えていますが、私自身も、出身である広告業界の思想をエンタメ業界に持ち込むことでクリエイター、ひいては業界全体に貢献できると考え、起業しました。ちなみにスタートアップ業界においても、エンタメビジネスでの成功例は少なかったですが、直近ではANYCOLOR社やCOVER社の上場、そしてWeb3の流れによって投資家からの注目度が上がり、日本のエンタメスタートアップ自体も盛り上がりを感じています。(下記で紹介します)

まとめ

KPOPが100ドル輸出されるたびに、韓国企業の消費財が1777ドル輸出されるという試算があります。(古い例ですが「冬ソナ」ブーム後に日本でSAMSUNGが売れたといえばイメージしやすいかと思います。)エンタメには間接的に他業界に影響を与える「誘発経済効果」があるからこそ、韓国は国策として支援をしています。

日本の場合は特にマンガ、アニメは世界に誇れる産業であり、それらを世界に拡張することで、日本の経済全体を盛り上げることが出来ます。そのためには、前述の通りコンテンツが流通・収益化出来るエコシステム、つまりビジネスの力が必要であり、そのためにはより他業種出身のビジネスパーソンが集結する必要があります。テクノロジーをベースに業界変革が起こっている今は、業界未経験者にとって大きな活躍のチャンスが生まれています。これを読んだビジネスパーソンはぜひ、エンタメ業界に飛び込んでもらえたら嬉しいです。

追伸(Mintoについて)

最後に弊社の紹介をさせてください。Mintoは、マンガ・アニメを軸としたコンテンツの新たな可能性を開拓するプロデュースカンパニーです。上述の危機感から個別に争ってる場合じゃない!との思いから、2021年に2社の非上場エンタメスタートアップが経営統合して生まれました。(私はそのうち1社の代表でした)。

現在はコンテンツ×広告、IPの越境プロデュース、webtoon、Web3の事業を、日本、中国、タイ、ベトナムの4拠点で展開し、コンテンツの新たなエコシステム創りを目指しています。

成長加速すべく、22年1月にはプロダクト開発スタジオのFuturize社をグループ化しました。日本のエンタメ業界を背負うつもりでやっています。ユニークなポジションで、めちゃくちゃ面白いことをやってる自信があります。絶賛採用中ですので興味を持って頂けたらぜひご連絡頂けたら嬉しいです。

日本のエンタメスタートアップ一覧

下記は弊社代表の水野が日経COMEMOで書いた、注目の日本のエンタメスタートアップ一覧です。どこも素晴らしい会社ばかりですので、宜しければこちらもチェックしてみてください。(その上で弊社に興味を持って頂けたら一番嬉しい。。。)


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