見出し画像

商売下手な人は、自分のことばかり考えている。

Voicy No.0241  2022年11月21日放送 
本文を音声で聴きたい方はこちらからどうぞ。

ビジネスを成功させる人の目線は、常に顧客を向いています。お客様のニーズを意識し、それに合わせて柔軟に対応していくことです。


好きを仕事に?


商売ではどうしても流行というか、
ある傾向になることがあります。

例えば起業とか経営では
今はオレの言い方だと「はやり」だけど、
好きを仕事にとか、自己実現みたいなものが
多いと思うんだよね。

SNSとか情報提供されているものに
感度が高い人ほど、
同じようなオピニオンリーダーの発信を
目にすることもあるでしょう。

「自分の好きなことを仕事にする」のは、
オレは、ふーんという考えで、
商売の需要はどこにあるのか」という
アンテナ感度の低い人は、
やっぱりうまくいっていません。

やりたいこと、興味があることを
持つのは構いませんが、
自分の大事に思っていることを
消費者やマーケットに押しつけたところで、

買う買わないの判断は、
100対0で買う側に決定権があって、
売る側には1パーセントもないわけです。

となると、
商売を成立させるのにまず考えるのは
「需要がどこにあるか」。

自分がやりたいことはあってもいいですが、
それがどういった方に、どういう感覚で、
どんな要請とか好みに合うかを、
くまなく時間をかけて
探していくことが重要です。

商売がうまくいかない人の特徴。



商売がうまくいかない人って、
すごく独りよがりな人が多いです。

独りよがりというのは、
生き方とか生活においてではありません。

オレはブランディングと商売の話をしているので、
商売において、
自分が一生懸命やっていることをそのままやれば
消費者は買ってくれると思い込んでいる人が
多い印象が、すごく強いです。

そういうオピニオンリーダーは多いし、
そんなビジネス的なフレーズが
ここ数年はやっています。

だから、
売る側のビジネスオーナー、
ブランドオーナー主体でビジネスを組み立てて、
自分がやりたいことを、
どうお金に変えていくか考える人が多すぎる。

それよりも、まずは、

1 「需要探しアンテナ」を磨く。

2 世の中のトレンドや人のライフスタイルに
        興味を持つ。

3 手間と時間とお金をかけて、自分が持っている
        要素のどこに購入いただける隙間や可能性が
        あるかを見る。

4 売れるようになった後、自分の好きなこと、
        やりたいものを徐々に増やしていく。

こんな順番で考えてみると、
うまくいきやすいでしょう。

ビジネスに成功している人の特徴。


ビジネスをうまくやっている人は、
消費者やマーケットを本当によく見ています。

ビジネスがとてもうまくいっている人が、
本当に自分の好みとか「好きを仕事に」とか、
自分主体で商売をつくっているかというと、
そういうことは全くありません。

これも「あるある」というか、
一部偏見的な言い方になって大変申し訳ないので、
一例と思って聞いてください。

オレも会社を起業した当初の26ぐらいのとき、
とにかく売り上げを上げないと死んじゃうから、
四六時中仕事をしていました。

大して売上が上がっていないのに
一生懸命働いている、
仕事に賭けている経営者みたいなところが、
唯一の心の支えだったのです。

「商売が下手な分だけ、真面目にやっています」
という感じでした。

一日中仕事をしていて業務が増えるから、
新しいものを見に行く時間とか、
人と食事に行って語り合う時間が減っていきます。

すると、時代の変化とか
新しい面白いものに触れる時間が減って、
だんだん本当のニーズがわからなくなり、

世の中の「需要のタネ」を見る
心の余裕がなくなるし、
その時間も取らなくなって、
つかめなくなってくるのです。

例えば、飲食店で独立されて最初の1~2年は、
人も雇わずに、
朝の仕込みから夜の片づけまでやっていて、
はやっているレストランに
行かなくなる方がいます。

自分の関わっているビジネスでも、
そういう現象を実際に目の当たりにしています。

でも、これはある種、致し方ない。

自分のビジネスに懸命になればなるほど、
時間を割けば割くほど、
余暇のような、先々につながるような
「需要のタネ」が見えるところに行くのは
時間も無駄だし、
正直、起業した当初は
お金の余裕もありません。

飲食店で起業して最初に人を雇うと
赤字になるのが怖いから、
仕入から開店準備から、
片づけしてレジ締めまでやって、
週1ぐらい休む。

大変立派だと思うし、そうじゃないと
ビジネスは立ち上がらない部分はある。

2022年に出てきた新業態のお店では、
料理のポーション(一皿の量)が
少ないところが増えています。

数多くのものを出して、
楽しませて写真を撮らせたいから、
コースで5品出して満腹にするぐらいなら
7品にする。

1個当たりの量がめっちゃ減って、
1口みたいなものばかり出てくることが多くなる。

でも、これは最近の流れだから、
起業して3年ぐらい一人でお店を切り盛りして、
お金もかつかつで時間もないし、
朝から晩まで働いていたら
他のお店は見られないわけです。

「需要のアンテナ」を立てる。


自分のことばかり考えているのは自分勝手、
そう言いたいのではありません。

商売がはまるかどうかは
「需要のアンテナ」の中で考えることです。

「ここにこんな隙間があって、
ここに自分たちの持っているものをこう商品化して、企画をつくったりメニューを変えたりしたら、
はまるかもしれない」というのを見ない限りは、
やっぱりうまくいきません。

自己分析とか自分の棚卸しは
ある程度は必要です。

しかし、そればかりやっている人は
商売がうまくならないのです。

買ってくれる人とかマーケットを
それ以上に見ないと、はまらないからね。

ここがとても重要なポイントとしてあるよ、
というお話でした。

本文は
コテツがVoicyの「ブランディングと商売の話」で語った内容を
文章化し加筆したものです。
Voicyアプリをダウンロードして『コテツ』で検索、無料で聴けます。
本文を音声で聴きたい方はこちらからどうぞ。

久々野智小哲津
二十数年にわたり、のべ7社ほど(8社目準備中)会社を経営。ITの会社を大きく成長させた後、新規事業でさまざまな事業を立ち上げ、フランス、イタリアを中心にヨーロッパからブランドを日本に持ってきたことをきっかけに、ブランドづくりができるようになった。
海外ブランドの日本進出や、日本国内の会社、サービス、商品、人(タレントさん、議員さん、スポーツ選手など)のブランドプロデュースにも関わっている。
Instagram https://instagram.com/q.kotetsu/?hl=ja
X(Twitter) https://twitter.com/kotetuq
公式LINE https://onl.la/khJ6hfU

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?