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ドラッグより怖い、自己承認欲求、自己顕示欲。

Voicy No.0242   62022年11月23日放送 
本文を音声で楽しみたい方は、こちらからどうぞ。

SNSの影響力が強くなると「いいね」をもらったり、人にウケたりすれば商売がうまくいくと錯覚しがちですが、スポットを当てるべきはお客様です。本来の魅力を磨いて、品質を高めることを大切にしたいものです。


ただウケればいいのか。


情報発信がたやすくできるようになって
情報発信のハードルが下がり、
情報発信にかかるコストも下がって、
そのためのツールも増えました。

スマホとネットが出てから、
何かを主張したり、見ていただいたりして、
人に何かを届けることが
できるようになりました。

すると、それをビジネスに活用したくなるのは
いいのか的な話をしようとしている
コテツ、おまえこそ、今Voicyで
しゃべっているだろうというのも、
その通りですが

ウケればいい。
「いいね」をたくさんもらえればいい。
バズればいい。

それらは商売の本質からは外れていく
怖さをはらんでいます。


ブランドが大切にしたいこと。


ファンの方との関係を構築することに最大限、
気持ちと労力と手間とお金を投入するのが
ブランドです。

自己顕示欲で
「自分にスポットライトが当たればいい」
そう取り組めば取り組むほど、
ブランドというのは遠くなります。

ちょっと前にも話したとおり、
中高生がTiktokで踊りを見てもらいたいのは、
もちろんそうだと思う。

中高生のときなんて、
学校で同級生から告白されたとか
偏差値ぐらいしか、
自己の位置取りを確認するものって、
なかなかない。

やれることが少ないしね。

それぞれ仕事を選択したり、
何か自分の特技を社会に生かしたりすることが、
中高生にはできません。
学校内のヒエラルキーとか扱いが
評価の中心になるからです。

もちろん、自分の評価を
「かわいく踊っている人」として
フォロワーを集めることだけに集中しても、
全然いいと思いますが。

ただ、ビジネスで、
特にブランドづくりとして考えたときに、
絶対に忘れたらいけないのは

「スポットライトを自分に当てるのではない」
ということ。

本当にブランドになろうと思うなら、
自分のファンから目を離したらいけない。

本当のファンの方が何を考えているか、
どういうことをやれば
求めていることや好みを満たせるのか。

ファンを満たすために、
自分がSNSを活用するのです。

ブランドをバズらせても、
バズらせなくても正直どっちでもいいですが、
ファンのためにSNSを活用するという順番を
間違ったらいけません。

目立つより品質を磨こう。


2022年に入って、
YouTubeの潮目が変わってきています。

YouTubeをビジネスに活用している人も、
そうじゃない人も、
こんな時代の流れがあると
つかんでもらえればと思います。

ブレーキングダウンみたいに、
もめ事とか、どっきりとか、迷惑掛ける系、
暴露系などの怖い物見たさとか、汚いもの、
他人の不幸は蜜の味的なところを
味わうコンテンツのほうが
再生数は取れるから、

そういうものがすごく増えています。

しかし、
こうすることが影響力を増やすとか
宣伝につながるとは、思わないほうがいい。

自分たちが一番大事にしたいお客様、
自分たちのことを好きと言ってくれて、
特別求めて指名してくださるファンの方に
届いているかどうか。

そういう視点を持たなければ
ダメだと思います。

人がワーキャー言われることには、
麻薬のような効果がある。

断っておくけれど、
タレントさんだとかインフルエンサーとか、
プロフェッショナルの領域を
目指している方は別です。

でもTikTokがバズることで
自分のビジネスに生かそうと思っている人は、
バズ自体が目的化して気持ちよくなって、
一喜一憂することから逃れられなくなります。

そちらばかり一生懸命で、
本来、満たさないといけない
自分のファンやお客様に対して、
磨くべきプロダクトのクオリティーを
おろそかにすると
絶対に相手にわかってしまいます。

スマホで情報発信ができるSNS全盛のときに
傾向として強い「見られやすいことをやる」
という尺度が
企業の活動としてもあります。

宣伝になる可能性を踏まえて
何かイベントをやって、
どこかと提携し新商品を出すのも当たり前。

企業だから話題になったほうがいいので。

ただ、そうならないだろう地味なこと
――誰も見てないし、
どこのニュースにも載らないかもしれない。

そんな、今の自分たちのブランドや
ビジネスのあり方として
「絶対やらないといけないこと」を
やれるかどうかです。


誰も見ていない地味なこと。


今は、がたがたと世の中の価値観が
変わっている激変期です。

(2022年は)コロナが緊急事態をいったんやめて
ウイズコロナになって、
人が自由に動けるようになりました。

コロナの間に変わってしまった消費動向や価値観が
どんな生活スタイルや商売を生むかは、
22~24年で見えてくるでしょう。

そんなとき
情報発信がたやすいからと
SNSで話題になる、
自己顕示欲が満たされるような
ことだけを重視している企業は、
その先、足元をすくわれると思っています。

ですから、めちゃ地味だし、
どうせ発表できないし、
表に出しても「いいね」もたくさん押されないし、
再生回数も回らないこと。

それでも自分のファンとの関係性で
絶対にやっておいたほうがいいこと。

あるいは、
自分たちのブランドやビジネスのあり方として、
絶対これだけは絶やしてはいけないことを
一生懸命やったほうがいい。

それが何なのかを考えてみたほうがいい。

でも、そうするのはやっぱり怖いよね。

SNSやネットで話題になると、
個人も企業もその呪縛というか
麻薬みたいなものにとらわれるし、

そこで最後に残るのは
自己顕示欲とか名誉欲、
自己承認欲求だという話をよく聞きます。

お金も得て年も重ねて、地位も名誉も得た人は、
最後に栄誉とか人から称賛されることが
欲しくなるそうです。

ですから、
そちらに自分を引っ張られないように気を付けて、
本当に自分のお客様やファンのことを考えて、
やることを選択したほうがいいというお話でした。

本文は
コテツがVoicyの「ブランディングと商売の話」で語った内容を文章化し加筆したものです。
Voicyアプリをダウンロードして『コテツ』で検索、無料で聴けます。
本文を音声で楽しみたい方は、
こちらからどうぞ。

久々野智小哲津
二十数年にわたり、のべ7社ほど(8社目準備中)会社を経営。ITの会社を大きく成長させた後、新規事業でさまざまな事業を立ち上げ、フランス、イタリアを中心にヨーロッパからブランドを日本に持ってきたことをきっかけに、ブランドづくりができるようになった。
海外ブランドの日本進出や、日本国内の会社、サービス、商品、人(タレントさん、議員さん、スポーツ選手など)のブランドプロデュースにも関わっている。
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