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ファンの熱さだけが、ブランドの価値なのだ|ブランディングと商売

 「ブランドになること」と「インフルエンサーになること」は目指す方向が違います。どちががいい悪いではないので、最初に方向性を決めて進むことが大切です。

Voicy No.312 2023年5月12日放送
本文を音声で聴きたい方はこちらからどうぞ
(倍速で5分です!)



Voicyのリスナー様から頂いた質問

私は友人から小哲津さんのVoicyを教わり毎日勉強させていただいています。
今回の放送とは異なるのですが、もしよろしければツイッターやインスタとブランディングについて教えていただきたいです。
よく、ウケるような投稿をしてフォロワーを増やし影響力を持つような傾向がインスタ界隈にはあるように思いますが、私はそのような傾向になんだか違和感を覚えてしまいます。
ブランディングを考えていく中ではフォロワーを増やすことについてはどのように考えるのが良いのでしょうか?初心者な質問ですみません。(byぴーちゃん)

ぴーちゃん、ありがとう。質問をいただけてうれしいです。

日本人はいい質問をしようとして皆、格好付けるので、質問さえもできない民族ですが、コメントがうまくまとまらなくても、気になったことがあれば質問を入れてくださいね。

ぴーちゃんの質問は鋭いし、「フォロワーを増やすこととブランディングとの関係をどう考えるか」という違和感が、とても正常だなと思っています。


バズればいいのか


ブランディングの根本的な部分ですが、そもそも
「ブランディング=イメージアップ戦略」でも
なければ、「ブランディング=認知アップ戦略」でもありません。

ブランディングというのはブランドづくりです。
ブランドというのはファンがいることなので、
ファンづくりなのです。

まず「自分はブランドになりたいのか」を
決めないと、この結論は出てきません。

Twitterとインスタの活用については、ビジネス
としてブランドをつくろうとしているのかを
考えてみます。

個人が自己満足のためにやっていると、結論は真逆になります。

多くの人が見てくれていることが支えになるから
フォロワーが欲しい。
自己顕示欲とか自己承認欲求を満たしたいから、
バズって多くの人が見てくれるようなことをやって、写真にいいねをもらってうれしい。

ウケること、バズること、いいねをもらうことを
一番上の目的に置いて、インスタとTwitterを
やることは「ブランディングになりません」としか
言いようがないです。


インフルエンサーになりたいなら〇〇はありです


ブランドというのはファンがいること。
ファンというのは「あなたじゃなきゃダメ」と
いうことです。

相対比較せずに、無条件であなたと関係を続けたいと思ってくれて、無条件選択をしてくれる愛着を持った方をファンと言いますが、「ファンがブランドに期待していること――これだからこのブランドが好き、これだからこの人が好き」というのを裏切って、ウケるだろうことをやることが、どれだけファンを
がっかりさせることか。

はやりに乗るとか、バズるのが悪いわけでは
ありません。

インフルエンサーとしてフォロワー数で案件を頂いて何らかの発言権を得たいというビジネスとか、
そういうゴール設定でやるなら全然いいですよね。

そうではないのなら、やらないほうがいいでしょう。


熱いファンがほしいならば


ブレイキングダウンというYouTubeで、朝倉未来
という格闘家YouTuberが2022から23年にかけて、20代のイケイケ系とかやから系からすごく好かれています。

その人がヤンキーとか悪ぶっている人を集めて
格闘技のオーディションをやって、そこでけんか
させているのです。

何が言いたいのかというと、その放送がめちゃくちゃ見られているのです。動画をアップして3~6時間で100万回再生されますが、これをやると終わりだなと思っているやり方なのです。

わざともめさせて、相手を否定し罵倒して、
けんかする。
やじ馬根性ですよね。

俺は格闘技が好きだだけど、それで再生数が
回るようなものを、いつまでも見ていられないな
という感じなのね。

朝倉未来のことを、元々格闘家という、
戦うアスリートとして好きだった人からすると、
ファンの期待するものと全く違うものです。

ただ、再生数が取れるしフォロワーが増える。

でも、どっちを取るかは、その人の生き方とか考え方、ビジネスの形態に寄るところで、ゴールも答えもありません。

お客様の中でも顧客とファンは少し違うけれども、
今日その説明をするとごっちゃになるので、
やめておきます。

自分というブランドや、自分という商売を期待して
ご購入くださり、関係を続けてくださっている人を
がっかりさせたとしても、多くの人からただフォロー
されたいならそれも生き方だし、そういうビジネス感だということで否定はできないです。

そうしたらファンの方や近くにいる熱いコアな顧客とかは、離れていきますよね。
そこをどう考えるかの1点しかないでしょう。

何かビジネスやブランドをきちっと成立させたい
のならば、フォロワー数には目もくれず、自分の
お客様とかファンの方に支持いただけることを、
必死にやったほうがいい。

それに3万人、5万人のフォロワーでも、ビジネスとして何十億と売っている人もいるからね。あまり関係ないです。

70から80万人のフォロワーの方がいる人でも、有料イベントでお客様が集まらないことがあります。俺が一連の流れに関わっているイベントで、何十万人も
フォロワーがいるけれど、有料イベントだと本当に
お客さんが来ないのです。

でも、それはどっちを取るかじゃないですか。

ブランドは顧客選別が必要です。

合わない人にフォローされたり支持されることを拒否していくのが、ブランドとしての大事なスタンス
です。

ですからブランドになってビジネスを成立させることから考えれば、フォロワー数はあまり関係ないという答えになります。

久々野智小哲津でした。

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Profile・・・久々野智 小哲津(くくのち こてつ)
ブランドプロデューサー/事業家
ブランドや企業の魅力を高め世の中に届ける仕事。海外企業日本進出、IT事業、エンタメなど合計7社を経営。それ以外にも、国内の人・物・企業・番組・タレント・テレビCM・広告•ブランドのクリエイティブなど130のプロジェクトを担当。現在も、多種多用な業界の15社前後の上場企業や業界トップ企業のブランド顧問・アドバイザー・プロデューサーなどを務める。

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上の文章はVoicy放送をさかのぼり文章化したものです。
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