なかなか思うように出版が進まなかったので、いっそ自分で出版コードを発行し、販売することに決めました。
= 自己紹介 =
技術系会社員をしながら、アート活動や塗り絵本を世界の子供たちに届ける活動をしております、KENTA AOKIと申します。
これまでに、「インドネシア、タイ、日本の幼稚園や学校で塗り絵授業」を行ったり、「上海日本総領事館・上海伊勢丹との協賛で塗り絵ワークショップ」を行ったり、「アメリカのギャラリーコンペで年間6件受賞」をしたり、そんな活動を行っております。
本日は、「 なかなか思うように出版が進まなかったので、いっそ自分で出版コードを発行し、販売することに決めました。 」の進捗報告をさせていただきます。
= 塗り絵本 =
突然の内容ではございますが、いま「 塗り絵本 」の出版を進めております。
唐突な内容ではございますが、この塗り絵本、過去上海に住んでいた際、現地で塗り絵本を作り、現地で支援品として配っていたものになります。塗り絵とはいえ、物語もつけ、日本語&中国語で表現した、教科書としても使えそうな内容としております。中国では500部作り、支援品&ギフト品として配り、400部強は配った、そんなアイテムです。
この塗り絵本、先ほど“ 支援品 ”と書きましたが、中国では駐在員だった私(ビザで働ける身)にとって、“ 検閲 ”と“ 出版コード ”に大きなハードルがあり、出版コードが取れず、正式に販売物として中国でリリースすることができませんでした。ですので、当時は“ カタログ扱い ”として、展開をしてみました。
一方、日本に戻り、ビザの制約がなくなり、“ 販売物 ”として塗り絵本が作れる状況になりました。つまり、出版コードを取り、本の裏にバーコード等を付記し、流通にのせて、お客様の手元に届けられる、そういうことです。当初、上記中国での事例があったことを受け、「 ZINEでも良いかなあ 」とか思っていたのですが、“ 塗り絵本 ”がZINEというのは、なんか文脈的にも、扱われ方(全世代に届けられる)としても、違うかなと思い始め、「 せっかくだったら、本を作りたい! 」という思いが爆発し、この度、“ 本 ”として作ることに決めました。
= 信頼のない人はいつだって劣勢 =
そんなこんなで、“ 本の出版 ”を考え始めた2023年10月頃、日本の出版社数社に、中国で作った塗り絵本を直接送り、「 これで本の出版をしたいのですが、費用感や出版の内容などはどんな感じですか? 」と聞いてみました。
そうしたところ、ある1社からはこんな感じで御見積が返ってきました。基本的には“ 自費出版 ”ということで、全額作者持ちです。一応名前を伏せ、費用感のみをお伝えします(ご要望があれば、いつか有料noteで公開もしてみようかと思います)。
『 約1000部の出版 約300万円 』
はい、単純計算してみましょう。1冊3000円です。ここで質問です。
この金額の塗り絵本、見たことありますか??
もちろん、部数が1000冊と少ないということはあります。ですが明らかに高いです。1000~1800円くらいが塗り絵の本としての妥当なラインだと思います。そして、構成としては少なくとも原価+工賃+人件費+利益ですから、原価だけで言えば10~20%くらいではないでしょうか。
色々とお話を聞く限り、上記金額約300万円の中には、「 出版手配(コード付与など) 」、「 広告費 」、「 流通チャネル使用料 」などが含まれるとのことでした。例えば、電車の中吊り広告のごく一部への掲載、新聞下の広告枠への掲載などが広告にあたり、流通チャネル使用料に関しては、提携本屋(紀伊国屋とか蔦屋とか)の平積み1週間、みたいな感じです。確かに広告費は結構高そうだなと感じました。
ですが、1冊3000円は明らかに高い(苦笑)。自費出版ですし。
とは言え、そもそも日本で実績も、結果もない身。「 こうなるのはある意味当たり前だ(笑) 」そう思いました。いい意味で開き直れ、「 よし、次! 」と切り替えられました。
= よくよく調べてみたら… =
そんな出来事が昨年末にあり、そこから色々と出版について、お話を聞いたり、調べているうちに、いろんなことが分かってきました。やっぱり勉強は大切だなと思いました(笑)。それは、
“ 出版コードは企業および個人で発行できる ”
ということでした。ん?“ 個人!? ”ってなりました。どうやら個人で出版コードやら、本の裏のバーコードをやろうと思ったら発行できるみたいなんです。もちろん、タダではありませんし、適切な手順があるようなのですが、それでも個人ができるんです。
こう思いました。
「 面白そう… 」
…ということで、「 個人で出版コードを発行しよう! 」と決めました(笑)。いわゆる、“ 出版者になる ”ということです(面白いだけなく、こうすれば、コストもおさえられますし)。
ある会社員が、アーティストに憧れてアーティストを目指し、その後本の出版にも憧れたから本の出版を目指す(しかも自分で出版コードつけて本を出版し売り歩く)。こんなデタラメなことをしている人、少なくとも自分の会社周りではやっている人いませんし、例えば何かの資格とか取るよりもやる気が出ますし、もしできたら良い飲み会のネタになるなと思いました(笑)。
= いまいまの進捗 =
ブログが長くなってきたので、そろそろ終わりますが、いまの状況を最後に書いておこうと思います。
本の出版コードを自分で付記するためには、大きく2つのコードを取る必要があるようです。
JSBN
日本図書コード・書籍JANコード
前者のJSBNというのは、固有の書籍出版物を発行形態別、1書名ごとに識別するコードとして200の国と地域で発行され、書籍に表示されているコード、とのことです。要は、1冊1冊につけられた識別番号で、世界で統一的に認識されているコード、ということです。
そしてもう一つ、後者の日本図書コード・書籍JANコードは、日本独自の国内基準である図書分類記号と価格コードを付加して標準化(表現)したもの、とのことです。つまり、日本国内でのみ1冊1冊を区別するためにつけられた番号、ということです。
この2つを取得する必要があります。そしてこの2つを取得するためには、日本図書コード管理センターを通して、付記する人間が“ 出版者 ”または“ 出版社 ”であることを登録する必要があり、そこがスタートになります。
ということで、いまの状況としましては、“ 出版者 ”の登録が終わり、①・②のコード発行をできるように申請を出した状況にございます。本当にスタートさせました(笑)。今後の動向をもしよろしければチェックしていただけますと嬉しく思います。
= 最後に =
…ちなみになのですが、“ 出版者 ”の登録をする際、“ 屋号 ”を登録する必要があります。私、こんな屋号でこれからやっていくことになります。
「 青木出版 」
ぜひ御贔屓によろしくお願いいたします(笑)。
(私個人の本だけでなく、別の方の本にも出版コードを付記できるようですので)