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教職大学院の進学ってどうなの?

 はじめまして。q3wと申します。わたしは非教育学部で教員免許:中・数学、高・数学、高・情報を取得見込みの者です。進学では某理学研究科数学専攻に進学する予定です。
 今日は教職大学院に行く意味があるのかなと感じたので、noteにまとめていきたいと思います。基本的に大学卒業後に教職大学院に行くことってどうなんだろうという視点でnoteを書きますので、現職教員で休職または両立されて教職大学院に行くことについてはむしろ良いことだと考えております。


教職大学院とは

 教職大学院とは2008年から設置が始まった大学院です。現在では全国の国立の教育大学をはじめ、私立大学でも設置が進んでいます。
 大学院の教育学研究科では教育学の研究者から指導を受けることに対し、教職大学院では教職経験者等の実務科教員から指導を受けることが可能です。また、学位の種類も特殊で教職修士(専門職)と呼ばれる一般的な修士(教育学)とは異なる学位を取得することになります。
 また、大学院の修士課程では、修士論文の作成が必須であることに対して、教職大学院では学校における実習が必須となり、必ずしも修士論文をまとめない場合もあり得るということが特徴的です。

教職大学院に行くメリット

 他の方もnoteやブログに教職大学院に行くメリットをまとめていらっしゃる方がいますが、いくつか教職大学院に行くメリットをまとめておきます。
・「専修免許を取得できる。」
 教員免許には主に3種類の免許形態があり、専修免許(大学院修士課程修了相当)、一種免許(大学卒業相当)、二種免許(専門学校・短大卒業相当)に分けられます。当然、教職大学院ですので、修了することで、専修免許を取得することができます。専修免許を取得すると、給与や昇進面で有利となる場合や、一部私立進学校の教員採用では専修免許を取得していることが出願の条件となっている学校もあるそうです。
・「同じ志を持つ人との繋がりを作ることができる。」
 教職大学院では実に修了者の9割近くが、学校の教育現場に就職します。その中で、学校の先生になりたいという方が多い環境で2年間学べるというメリットはあると思います。その中での指導教員・同級生の繋がりや実習先で知り合った繋がりなど多くの教育に携わる様々な方との繋がりを持てることは魅力的です。
・「教員採用試験に備えることができる。」
 大学卒業時に教員採用試験に落ちてしまった場合も、教職大学院に進学していれば、教員採用試験を受けるチャンスが2年間分は確保できます。各、都道府県の教育委員会では教員採用試験合格者の大学院進学者に対して修士課程修了時まで採用を待つ制度がありますのでそうした制度を用いて、実習や研究・教員採用試験対策に打ち込めることも魅力的です。

教職大学院のデメリット

・「修士ではない。」
 あくまでも教職修士(専門職)という特殊な学位ですので、教員になる上では問題ありませんが、就職活動は極めて不利になることが想定されます。
基本的に、理系修士以外の修士課程修了者は就職活動で不利になることが想定されますが、教職修士(専門職)も同様の扱いになる可能性が高いです。
・「学費がかかる。」
 2年間でおよそ最低でも100万ほどはかかると思います。その中でまわりの同級生の多くは就職して仕事をしていますから、収入面で遅れをとります。教員の場合、専修免許・一種免許取得者で年収が変わらないケースや、正規教員としての採用が早い教員の方が年収が高い場合まであります。
・「必ずしも学生のレベルが高くない。」
 "教員採用試験1次試験で不合格だった"ため教職大学院に進学する学生がいることも残念ながら事実です。"教員採用試験1次試験不合格"とは少なからず、専門知識や教職教養知識が不足している場合が想定されます。そういった意味では回りの学生には知識や経験が不足している学生がいる可能性もあります。
・「専修免許は他の研究科でも取得できる」
 教育学部以外でも教員免許が取得できることと似ていて、専修免許は教職大学院でなくても取得が可能です。つまり免許の希少性というものはあまりありません。それも多くの修士課程では、ほんの少し単位履修をすることで専修免許が取得できるので、「専修免許が欲しいから教職大学院に行く」という面で見るとあまりにもコスパが悪いです。
・「教職大学院の倍率がかなり低い。」
 残念ながら、教職大学院の多くは定員割れの状態です。1年間で5回の大学院入試を行っている教職大学院もあり、それでも定員割れの状態の大学院もあります。そうした教職大学院では、全国の教職課程を備えた私立大学に推薦枠を渡し、なんとか入学者数を確保している実態もあります。
・「教育学研究科と教職大学院の差別化」
 教育学研究科では研究者を育てています。それに対して、教職大学院では学校のリーダーを育てています。しかし学校のリーダーは育てるものではなく、様々な経験をしてなっていくものではないか?と思います。また、元来専修免許とは学問に対して研究力をもった一種免許取得者に授けられる教員免許という性質があると考えます。その中で学問ではなく学校教育や学校現場に偏った教職大学院を修了し、専修免許を取得したと言われても少し軸がずれていると感じざるを得ません。
・「教職大学院で経験できることの多くが大学生でも経験できる。」
 今回、最も書きたかったことがこのことです。教職大学院修了するには、学校現場での実習が必要ですが、教育実習や学校ボランティアなど、アンテナを張って意識的に大学生活を過ごしている教員志望の大学生にとって教職大学院で経験できることの多くはその延長線上でしかないのでは?と思います。また、実際に教育現場で仕事をしながら様々な同僚教員・生徒と関わる方がより深く、多くのことが学べるのでは?と感じます。

教職大学院行く意味メリットはない

 以上の理由から大学卒業後に教職大学院に行くメリットはないかと思われます。デメリットがギリギリないということが関の山ではないでしょうか?
是非、様々なご意見ある方はコメントにてお待ちしております。

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