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イルカはなぜ跳ぶのか?

息を呑むイルカの躍動

海でイルカを観たことがありますでしょうか?

海面を跳ねるイルカの華麗で勇壮な姿には思わず言葉を失います。

水族館でイルカショーなど観ておりますと、5メートルもジャンプして頭上のボールにタッチするという芸当をやってのけて観客の拍手喝采を得ているのはご存知の光景だとおもいます。

ところで『なぜイルカは跳ぶのだろうか?』と疑問に思ったことはありませんか?

私はこれまで考えもしませんでしたが、ある時その疑問が頭に浮かび気になって仕方なくなりました。


『なぜ跳ねるのだ?』

『そこに海があるからだ』

これは答えになっていませんね。

山なら登りますが、「海なら跳ばずとも泳げば良いではないか」というのが私のような平凡な頭脳で思う反応です。

さてどうしてなんでしょ?


愛のために

なぜ跳ねるのか?

それは

オスがメスに対して示す求愛行動

といわれているようです。

高くジャンプすればするほど、水面に落ちたときに、よりたくさんの泡ができますよね。

メスはオスがどれだけ高くジャンプしたのかを、この泡の多さで判定するというのです。

そのような見方をイルカはしているのですね!

運動量の高さを跳躍力から評価しているとは…。運動が出来てモテるというのはなんだか小学生から思春期ごろの人間みたいです。


綺麗好き

なぜ跳ねるのか?

の次なる答えは

『体をきれいにしている』

イルカの体には、コバンザメや寄生虫などがよくまとわりつきます。またイルカは1日に何度も新しい皮膚へと変わるのですが、古い皮膚が剥げた後にカラダの表面に残りやすいのです。

イルカは跳んで着水して、カラダにまとわりついているものを振り落としているのだという。

体が綺麗だと、より速く泳ぐことができるそうです。


ニューロンの如く


別の答えは『水の抵抗をさけて長い距離を泳ぐため』

野生のイルカは、1日に60kmもの距離を泳ぐといいます。

跳ねながら泳ぐのは、水の抵抗を避けて進むことが出来、結果的に長い距離を移動できるからではないかと考えられています。

これは神経科学での有髄神経におけるニューロンの跳躍伝導と似ています。

ニューロンはその軸索という長い線に電気的刺激を伝えることで他のニューロンなどに信号を伝達しています。

その際に、軸索をミエリンという絶縁体が取り巻いています。このミエリンとミエリンの間に僅かな隙間(ランヴィエ絞輪)があり、このランヴィエ絞輪を次々と飛び石を跳ねるように電気刺激が進むことでより速い伝達が可能となっているのです。

抵抗を避けるという点では、イルカの跳躍も非常に似ています。


楽しみの時間

最後の理由は

『ただ遊んでいるだけ』

好奇心が旺盛なイルカは跳ねることが楽しいのだとか。

なんだかコレが1番しっくりくるというか、そうであって欲しいようにも思えますが。

子供にそれぞれの跳ねる理由を話すと『遊んでいるだけ』で「そりゃそうだよ、ヒトも嬉しいとジャンプするじゃん」と返され妙に納得してしまいました。


おわりに

イルカが跳ねるのには、幾つもの理由があることがわかりました。

今度イルカの跳ねる姿を見るときは、彼らの跳ねている理由を考えながら観たいと思います。

でも水族館だったら理由は『エサが食べたいから』になっちゃうのかな…


おしまい

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