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0115 聖ピエル・パオロ・パゾリーニ監督『アラビアンナイト』聖地巡礼

2001年5月3日(木)と4日(金)にイランのイスファン州イスファンで、2005年12月29日(木)と30日(金)にネパールのカトマンズで、2007年12月29日(土)にイエメンのサヌアで、12月30日(日)にイエメンのシバーム(ハドラマウド)で、2008年1月1日(火)イエメンのワディ・ダハール=ロック・パレスで聖ピエル・パオロ・パゾリーニ監督『アラビアンナイト』(Il fiore delle Mille e una notte)の聖地巡礼をしてきました。

聖ピエル・パオロ・パゾリーニは『カンタベリー物語』の1972年第22回ベルリン国際映画祭金熊賞で列聖。

当該の『アラビアンナイト』は、1974年第27回カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ受賞。因みにパルム・ドール(←この時の最高賞の名称はグランプリ)は聖フランシス・フォード・コッポラの『カンバセーション…盗聴…』。

人生と性を謳歌する人間の初源的な美しさを高らかに奏でる聖パゾリーニによる「生の三部作」(Torilogia della Vita)の第3作。

イスラム世界の説話集「千夜一夜物語」の映画化。少年ヌレディン(演:フランコ・メルリ)と奴隷の少女ズルムート(演:イネス・ペッレグリーニ)が出会う数々の冒険と愛の物語を原作から15のエピソードを得て描く。

作品の主人公である女奴隷のズルムート役のイネス・ペッレグリーニについてはエリトリア(撮影当時はエチオピア領)のアスマラでティグリニャ人とイタリア人の混血の少女(イタリア語話者は必須)を探し出したんだそう。でもって74年みゆき座パンフレットには「おおらかな自然と陽光の下13歳から16歳の少女の新鮮なお色気を見せてくれる。」と思いっ切り正直に書いてあって、今の時代だとR18以前に児ポ法に完全に引っかかるのでその意味では聖パゾリーニにとっては野心的映画だったともいえるかも。

本篇で王宮として使われたのはイランのイスファンのイマーム広場 میدان نقش جهان(←兎に角広い)にある
میدان نقش جهان - ویکی‌پدیا، دانشنامهٔ آزاد (wikipedia.org)
イマーム・モスク مسجد شاه (撮影時はイスラム革命前のパーレビ国王(シャー)時代だったのでシャーのモスク)、
مسجد شاه (اصفهان) - ویکی‌پدیا، دانشنامهٔ آزاد (wikipedia.org)
同じくイマーム広場のアーリー・ガープ―宮殿 کاخ عالی قاپو、
عالی‌قاپو - ویکی‌پدیا، دانشنامهٔ آزاد (wikipedia.org)
それに金曜モスク مسجد جمعه / مسجد جامع اصفهان。
مسجد جامع اصفهان - ویکی‌پدیا، دانشنامهٔ آزاد (wikipedia.org)
イマーム・モスクは翡翠色と瑠璃色が映える美しいモスク。

金曜モスク
アーリー・ガープ―宮殿
イマーム・モスク

主人公ヌレディンが放浪する町などとして出てくるのがイエメン(撮影当時は南イエメン)砂漠の摩天楼として知られるハドマラウトのシバーム شِبَام حَضْرَمَوْت。
شبام - ويكيبيديا (wikipedia.org)

ドゥーニャ姫(演:アバディット・ギデイ)のお城の外観として使われたのがイエメン(撮影当時は北イエメン)ワディ・ダハールのロック・パレス دار الحجر。
دار الحجر - ويكيبيديا (wikipedia.org)

イエメン(撮影当時は北イエメン)首都のサヌア旧市街が庶民の住む街並みとして出てきます。
صنعاء - ويكيبيديا (wikipedia.org)
64のミナレットがある町として知られ、石造りや日干し煉瓦造りの白い漆喰で縁取られた窓枠をもつ6-7階建ての建物が並ぶ旧市街は私たちがイメージするアラビアンナイトの世界そのもの。

再度、ロック・パレスの登場。

カトマンズのダルバール広場は猿にされてしまったシャーザマン王子(演:アルベルト・アルヘンティーノ)が歓待を受ける東洋の王の王宮として出てきます。
वसन्तपुर दरबार क्षेत्र - विकिपिडिया (wikipedia.org)
画像で紹介したのはダルバール広場の南側にあるクマリの館です。
クマリの館 - Wikipedia
कुमारी (जीवित देवी) - विकिपिडिया (wikipedia.org)

これが女神クマリの館だ!

再度、サヌアの登場。

ロケした国のすべてで撮影当時の政治体制がひっくり返ってます…ちょっとびっくり!

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聖ピエル・パオロ・パゾリーニ監督他作品の聖地巡礼
0109『奇跡の丘』
0110『アポロンの地獄』
0111『テオレマ』
0112『王女メディア』
0113『デカメロン』
0114『カンタベリー物語』
0116『ソドムの市』

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