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0116 聖ピエル・パオロ・パゾリーニ監督『ソドムの市』聖地巡礼

2019‎年11月3日(日)にイタリアのロンバルディア州ブレシア県ガルニャーノで、11月4日(月)にイタリアのエミリア=ロマーニャ州ボローニャ県ボローニャで聖ピエル・パオロ・パゾリーニ監督『ソドムの市』(Salò o le 120 giornate di Sodoma)の聖地巡礼をしてきました。

聖ピエル・パオロ・パゾリーニは『カンタベリー物語』の1972年第22回ベルリン国際映画祭金熊賞で列聖。

マルキ・ド・サドの「ソドムの120日」を時代背景をファシズム政権時代の北イタリアに置き換えて映画化。
1944年イタリアが連合国に降伏した(※法律上の首都はローマは44年4月に陥落)後、ファシストたちは、北部の町サロに集まり、ナチス傀儡政権(イタリア社会共和国)を形成していた。ここの権力者たち、大統領(演:アルド・ヴァレッティ 声吹替:マルコ・ベロッキオ)・大司教猊下(ジョルジョ・カタルディ)・最高判事クルヴァル殿下(演:ウベルト・パオロ・クィンタヴァッレ)・ブランジス公爵(演:パオロ・ボナチェッリ)の4人は、自分たちの快楽のために、条例を新しく制定し美少年・美少女が狩り集められ厳選した男女各9人が、狂宴の館に連れ去られる。
権力者たちは、そこで自分たちの定めた規則に従い、毎日、集会所で4人の語り部たちのうち1人に猥褻な体験を話させることによって欲望をかきたて、少年少女たちを相手にその話を実行に移すことであらゆる淫蕩・変態行為に耽るのだった…。

という訳でファシストの4人が犠牲者たちを選ぶ大邸宅の外観として撮影された場所は、ロンバルディア州&ヴェネト州&トレンティーノ-アルト・アディジェ州にまたがるイタリア最大の湖ガルニ湖(日本でいうと琵琶湖)のロンバルディア州側東岸のガルニャーノ(サロの北東)にあるヴィラ・フェルトリネッリ Villa Feltrinelli 。本篇だけでなく予告篇にも登場します。
La Villa | Grand Hotel a Villa Feltrinelli
現在は超高級ホテル。ヴィラで1泊(€1800~€3400)。
1943年10月から1945年4月までここでムッソリーニが家族と暮らし執務室もここにありました。此処のロケ地選定ですが、イタリア共産党を除名されたコミュニストである聖パゾリーニは完全に狙ってますね!戦後、元の所有者に返還されてガルニ湖畔保養地の超高級ホテルになったとさ。
ちなみに、ホテルのサイトにもあるのですが、ここは夏期のみの営業で訪問した11月3日(日)はクローズしていて閉鎖期間中の管理人にお願いして外観だけ撮影させてもらおうと考えてましたが、門に鍵がかけてあって入れません。瀟洒な大邸宅も木立に遮られて良く見えません。天気も悪くて土砂降りです。遠路はるばる現地まで辿り着いて、且つ主要都市でも無いので再訪の目途も立たないのですが、諦めて次の聖地を目指そうとサロ方面にちょっと戻ったら、道路の左に湖に流れ込むせせらぎの横の側道があったので降りてみました。そしたら何と降りたところが映画本篇のカメラのセッティング場所。雷鳴が轟く中、自分入り画像を撮って貰いました。この聖地巡礼はかなり感動しました。映画の神からの贈り物(ギフト)でした。

こっちは予告篇画像

そして、ファシスト4人による犠牲者に対する拷問が行われる大邸宅の外観として撮影されたのが、この町ならこの俺(聖パゾリーニ)にお任せボローニャのヴィラ・アルディーニ Villa Aldini 。
Villa Aldini - Wikipedia
環状のボローニャ旧市街南東の小高い丘の上に位置しています。
ここは、11月4日(月)の『アポロンの地獄』ボローニャ中心部聖地巡礼の後に訪問することにしてたのですが、この日11:30のボローニャ→ローマ・フュミチーノの飛行機を押さえていた為タイムリミットを9:30に設定してました。朝7:30にボローニャ中央駅前のホテルを出発して『アポロンの地獄』聖地巡礼を終えた時点で8:45になっていて、ヴィラ・アルディーニに移動を開始。環状旧市街南端に到着した時点で9:00。ここからの急傾斜がキツかったです。何軒かのヴィラを通り過ぎてなんとか辿り着こうとしたのですが、行きつけたとして本篇そのまんまのアングルで自分入り画像を撮影していたら飛行機に乗り遅れて帰国が1日遅れてします。9:15時点で門にも行きつけなかったので泣く泣く下山。市内中心部の交通量が多い交差点のど真ん中から丘の上の聖地を撮影。結局、中央駅の空港バスに乗り込んだのが10:20。10:45にボローニャ空港到着。10:50チェックイン。離陸40分前チェックインは初めてでした。セキュリティチェックを抜けてそのままゲートに行ったらすぐに搭乗。ちゃんとフュミチーノに飛べました。
なお、1999年4月~7月の「パゾリーニ映画祭」@ユーロスペースのパンフレット60頁に『ソドムの市』のロケ地として「支配者たちの邸宅の外景はボローニャのアルディーニ村で撮影された」との記載がありますが、このご報告を見てくれた皆さんは出典の翻訳の転訳ミスだとご理解頂けますよね。

©2019 プッチー・ミンミン
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聖ピエル・パオロ・パゾリーニ監督他作品の聖地巡礼
0109『奇跡の丘』
0110『アポロンの地獄』
0111『テオレマ』
0112『王女メディア』
0113『デカメロン』
0114『カンタベリー物語』
0115『アラビアンナイト』

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