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【note版】侮れない、子供向け教材で英語学習

※こちらは他媒体に掲載中の記事から転載(自著)した、過去のものです。noteには私の個人的な記録として一部割愛、再編集したものをお届けします。フルバージョンの原文はこちらをご参照ください(2020年5月22日執筆分)。

世界的に家の中で過ごす時間が多くなったこの頃ですが、貴重なおうち時間を使って子供向け教材を使った「やさしい英語学習」にトライしてみるのはいかがでしょうか。私がイギリスで暮らすようになって、初めて子供に買い与えた英語の教材が国民的アニメのペパ・ピッグ(Peppa Pig)を使った「初めての1000語」1000 First Words という本でした。

使い始めた当初からそのクオリティの高さに感銘を受けたのですが、ロックダウンが始まってしまったので、復習がてらパラパラとまた手にとってみました。

大人でもあなどれない英単語の数々

中身は family, Peppa’s House, On the Roadといった様々なテーマのもとに、ペパという主人公の豚の女の子が、日常生活で使うと想定される英単語を紹介しています。「初めての」というタイトルからすると、言葉を話し始める幼稚園児以下の年齢から既に対象となっているはずですが、これがなかなか、われわれ大人でも十分英語の勉強になりそうです。というのも、たいていの日本人は学校で習う英語と言えば「アメリカ英語」だったかと思いますが、当然ながらペパの英語は「イギリス英語」。単語が独特すぎて、初めて聞く言葉が沢山ありました。

rubbish bin ゴミ箱、vacuum cleaner 掃除機、granny おばあちゃん、ぐらいまでは「アメリカ英語と違うな」と気付けるのですが rounders 野球(のようなもの)、checkout スーパー等の清算、pushchair ベビーカーといったレベルになるともはやお手上げです。子供に教えながら、実は自らも知らなかった、という状況が頻繁にありました。

イギリス文化も学べちゃう

また、この本では英語の勉強だけでなく、イギリスの仕来たりや行事まで学べます。

例えばパーティーのシーンでは、パーティーをするにあたって招待状を用意したり、どういったゲームや催し物が実際によく出されるか、どういった食べ物や飾りつけをしたら良いのか、お持ち帰り用手土産、終わった後のありがとうメッセージなど、実際の生活にとても役立つ単語が多数紹介されています。

お恥ずかしながら、子供の教材から学ぶシーンはこのテキスト以外にも多く、例えばわが子が通う学校では毎日読み物の宿題が出ます。子供が幼稚園の時などは、たいていは私でも軽く読みこなせる話なのですが、絵本に多用される擬音語などは英語のネイティブ・スピーカーではないので、私にとっては見慣れぬ単語がたくさんでてきます。

子供に質問をしながら読み進めていくのですが、ページによっては Bob is glum. He was not glad. とあって、「何故ボブは喜ばなかったの?」と聞きたくても、自分自身が肝心の glum という単語がわからず、「何故なんだぁあ、ボブよ、どうした⁈」と、心の内で叫びながら密かに辞書を引きます(不機嫌な、という意味でした)。

その後も、やれボブが flan を貰っただの Gran から spud を貰っただのと続くのですが、フランって何⁈ おばあちゃんはGran って訳せるんだ。でも、スパッドって何?結局何を貰ってるわけ?と・・たかだか10ページにも満たない本に、私自身が不甲斐なさに打ちのめされる日もあります。

flan とはタルトやパイといった洋菓子の一種、spud はジャガイモの口語だそうです。どちらもイギリスで育った人達には日本人にとってのオニギリ、梅干しのようにわかって当たり前の言葉なのでしょう。このように、子供の宿題からイギリスの食文化まで学べる日もあります。

リスニングにはアニメ動画でお勉強

最後にリスニングの勉強、これもまた子供向けの番組が重宝します。冒頭で述べた、ペパ・ピッグです。Ben & Holly's Little Kingdom というお姫様さまが主人公の番組でも良いいのですが、なんと言いってもこの子ブタちゃんのペパ・ピッグイチオシです。

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どちらもやはり幼稚園児向けのレベルですが、それゆえに対象年齢がもっと上の他のアニメより圧倒的に会話のテンポがスローで、英会話初心者にピッタリです。そして何より、これでもか、というほどこってこてのイギリス発音なので、イギリスに興味がある、いつかはイギリスに旅行してみたい、という方に特にオススメです。

私自身、来英当初は英国アクセントにとても苦労しました。もう、何を言っているのかサッパリわかりませんでした。ところが、これまた子供のためにと見せ始めたアニメの会話が、いつのまにか耳に入り始めるようになりました。普段なら素通りする英語の音声が、聴くつもりがなくても徐々に会話の内容がわかるまで耳になじんできました。

今回ご紹介したアニメには、それくらいやさしい単語が使われています。そしてあれだけ拒絶反応を起こしていたイギリス発音が、いつの間にやら好きになっていました。正直、初めは豚が主人公だなんて、絵も全然可愛くない、なんて思っていたのですが、今やすっかりその愛らしいタッチにメロメロです。

私のように、大人向けの細かい字の雑誌や音声番組を見ていると、すぐに眠くなって頭に入らないという方には、子供向けの題材から英語の学習を始めてみるのも良いかもしれません。なお、ご紹介したペパ・ピッグの本は日本のインターネット通販でも販売されており、教材だけでなく、普通の絵本も各種取り揃えられていました。日本では各地、続々と緊急事態宣言が解除されていますが、イギリスは一部のことが緩和されはしましたが、基本的には未だもってロックダウン(都市封鎖)中です。今しばらくこちらでは、家で英語の学習に励みたいと思います。

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