SSワードウルフ4-7「チョコレート」
「チョコレート」
作者名:もうネタがない男
あの頃、僕は地方のテレビ局でアシスタントとして働きながら、パティシエになる夢を追っていました。パティシエになる夢とテレビ局ではまったく関連がないように思われるでしょうが、情報番組なんかではスイーツ特集を組んだりするもので、馬鹿正直にひとつの洋菓子屋で下働きをするよりも、さまざまな店舗の裏側を知ることができたのです。
テレビ局員の幾人かも僕の願望を承知してくれており、そういう企画が持ちあがった際には、必ず僕を同行させてくれました。