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人狼、ボドゲ界隈に居住 広く浅く多趣味をモットーにフッ軽で生きています

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最近の記事

SSワードウルフ4-10「てがみ」

「てがみ」 作者名:もあら・ぱん しんあいなる あなたへ わたしは したっています あなたを ずっとずっと まえから いつからか わからないくらい まえから ごめんなさい あなたは びっくりしましたか わたしが おくったこと こんな てがみを? あなたは いつも いっしょにいて わたしと みまもってくれます ちいさな わたしを わたしは いつも いっしょにいて あなたと みつめています うつくしい あなたを どんなふうに あなたは おもっているでしょうか わたしを?

    • SSワードウルフ4-9「大晦日」

      「大晦日」 作者名:乾燥肌対策 「いやだ!」 「これで最後ですから」 「ぜーったい、い・や・だ!!」 「そんなこと言わずにお願いしますよ」 アンプルを2人の男が相手に押し付けあっている。 拒否している男は背中までの黒髪を1つにまとめ、青白い肌と異様なほどの赤い唇をした眉目秀麗な若い男だ。 それに対し、頼み込んでいる男はロマンスグレーの髪の人好きしそうな雰囲気の初老の男。ただ、眼鏡の奥の眼光に、時折鋭い光が煌めく。 「全部同じじゃないか。いい加減にしてよ!」 「もしかした

      • SSワードウルフ4-8「天気雨」

        「天気雨 」 作者名:南狸 ドーン 山の中に銃声が響く。 権造は胸中の焦りを押し殺し、銃声のした方向へと駆け出した。 息も絶え絶えになりながら走り着いた先にはかつての姿とは違う血に濡れた姿があった。 上がっていた息が止まり、顔を青ざめさせながらも歩み寄る権造であったが、近づいた先にあったのは物言わぬ骸となっていた。 それは晴れた秋の日だった。 権造が山に分け入り薪を拾っている時、近くの茂みより弱々しい鳴き声が聞こえてきた。茂みをかき分けて覗いてみると衰弱している仔狐がい

        • SSワードウルフ4-7「チョコレート」

          「チョコレート」 作者名:もうネタがない男 あの頃、僕は地方のテレビ局でアシスタントとして働きながら、パティシエになる夢を追っていました。パティシエになる夢とテレビ局ではまったく関連がないように思われるでしょうが、情報番組なんかではスイーツ特集を組んだりするもので、馬鹿正直にひとつの洋菓子屋で下働きをするよりも、さまざまな店舗の裏側を知ることができたのです。 テレビ局員の幾人かも僕の願望を承知してくれており、そういう企画が持ちあがった際には、必ず僕を同行させてくれました。

        SSワードウルフ4-10「てがみ」

          SSワードウルフ4-6「テンショク」

          「テンショク」 作者名:もんがまえ 私の住んでいた町には年の瀬に盆踊りを踊る風習があった。とはいえ、盆に踊るものとは音楽だけが違っているのだが。大学進学でこの町を出た時、それが一部の地域特有のものだと知ったってとても驚いたのだ。 私は最近転職をした。 自分にキャリアアップを目指し飛び込んだ会社は待遇も良く、やりがいのある仕事ができている。 本当に運良くいい会社に入れて良かったと思っている。 たった一つ、上司のことを除いては。。。 今年ももう終わりを告げようとしている2

          SSワードウルフ4-6「テンショク」

          SSワードウルフ4-4「幕間」

          「幕間」 作者名:すみれ この腐りきった世界に落ちた天使。 それが世界からの私への評価だ。 つまり私は美しい。それも尋常じゃなく。 黒髪ロングストレートの髪、パーツの整った小顔。着物がよく似合う。 まぁそれ以外も似合うのだが。 世間はそんな私を放っておいてはくれない。 …めんどくさい。 有数の投資家も、アラブの石油王も、ハリウッドの名優も、世界的に有名なIT企業の社長も、大手配信者も。 こぞって私に貢物をしてくる。 正直、興味がない。 彼らはそんな私に飽きもせず付き纏う

          SSワードウルフ4-4「幕間」

          SSワードウルフ4-5「死を想う貴方へ」

          「死を想う貴方へ」 作者名:チャン  君のことは幼い頃から知っている。  ある日、君は僕の家にやって来て机の上に花を置いた。戸惑っていると君は無邪気な笑顔を浮かべたね。それから、たまにそうして花を持ってくるようになった。僕の家にある本を指差して「読んでくれ」とせがんだこともあった。やれやれと思いながら読んであげると1ページもめくらない内に眠ってしまって困ったもんだった。  君の初恋の話も知っている。  訊いてもいないのにその女の子の話をこと細かにしてくれるもんだから、僕

          SSワードウルフ4-5「死を想う貴方へ」

          SSワードウルフ4-3「チョコレート・マジック」

          「チョコレート・マジック」 作者名:カカオ100% 今日はバレンタインデー。 カップルや陽キャたちは浮かれているようだが、彼女いない歴=年齢の俺には無縁の日だ。今まで貰ったチョコレートは母さんからのものだけで、下駄箱を開けたらクラスの女子からのチョコが入っているなんてことは……おや……? 今日はバレンタインデー。 気になるあの人に勇気を出して渡そうと、手作りチョコと手紙を用意した。 書きながら恥ずかしくなって、一緒に入れた手紙には名前を書かずに下駄箱に入れちゃった。 クラ

          SSワードウルフ4-3「チョコレート・マジック」

          SSワードウルフ4-2「あこがれ」

          タイトル「あこがれ」  作者:牡蠣の種 声が出なくなった 文字もかけない 私はまた 狭い頭部に一人 閉じ込められてしまったようだ 誰にも届かない 誰も救い上げてはくれない それでもいい 今は浸っていたい ぷかぷか漂う私の黄色 紙に浮かんだ数字が見える 五桁の価値は数日の命 私にはもう必要がない 何枚あったって 満たされたくはない 紙も声も無価値だ 私の価値はないというわけだ 価値には価値がない ゼロをゼロで割ることができるか つまり殻の中では無理なのだ さあ夜空に

          SSワードウルフ4-2「あこがれ」

          SSワードウルフ4-1「蓋」

          タイトル 「蓋」 作者名:レンリー=ヒョーク  カリギュラ効果ってご存知ですか?  「ダメ」って言われると、却ってやりたくなってしまう心理のことを、確かそう呼ぶらしいです。  名前が分かるっていいですよね。別に、それを知ったところでその心理に歯止めが掛けられるわけでもないですけど、「そういう気持ちになる」のは私だけじゃないって、世界中にそんな人はいるって、どこかの偉い学者先生が言ってくれてるような気がして、少し落ちつきます。  失礼、話が逸れましたね。いえ、今の話がまるっき

          SSワードウルフ4-1「蓋」

          SS人狼過去作『おふとん独占禁止法』

          【この作品は過去に行われたショートショート人狼に私が提出したものです。テーマは11月です。本来縦書きの作品なので改行等の違和感はご容赦下さい。】 _________________________ 『おふとん独占禁止法』 作者名:月 古弐 エヌ国は、毎年一月一日に新しい法律を施行していた。 しかし、それでも問題は尽きなかった。 少子高齢化、過労死、いじめ、自殺、嫁姑問題、定年の延長、穀潰しの息子に年金を渡すために点滴で生きながらえているだけの老人……正直もうお手上げ

          SS人狼過去作『おふとん独占禁止法』

          SSワードウルフ3が終わりました!

          昨晩無事に第3回SSワードウルフが終わりました!今回も初参加の方がいらっしゃって嬉しかったです!そしてとても素晴らしい物語を見せてくださったので、みんなまだまだ隠し持っているな……!と思う次第であります。 今回はレギュレーションにてるてるを入れてみましたがやってみるとシステム的に難しいことが判明したので調整の必要がありそうです。 今回の議論では1人1人がどの作品が少数派と推理したかを発表していくスタイルでした。投票ではかなり票がバラけたので決選投票が行われました。第1投票

          SSワードウルフ3が終わりました!

          SSワードウルフ3-11『メモリー』

          『メモリー』 作者:低気圧つら美 「Fカップ」 「え?」 「え?」  私が驚くと、彼はきょとんとした。 「何ですか急に」 「すいません。思いついたことをすぐに口に出しちゃう癖があるみたいで。よく怒られちゃうんです。よくたまに。ごめんなさい」  納得がいかない。セクハラを受けた。一瞬頭が怒りで真っ白になる。しかし彼はしゅんとしている。これではまるで私が一方的に攻めているみたいに見える。 彼はただピュアだったのだ。子供がチョウチョを見つけて「チョウチョ」と発語するのと同じだと思

          SSワードウルフ3-11『メモリー』

          SSワードウルフ3-10『優しく聡明な君達へ』

          『優しく聡明な君達へ』 作者名:皐月 若葉 Warning!Warning! このゲームを遊ぶこと、それは即ちー。 ーloadingー 「Welcome!初めまして!ようこそ、ーーへ!この世界のルールは簡単です、赤、青、黄3つの陣営に別れて・・・」 ログインすると、赤い衣を身に纏うNPCがこの世界の説明をし始めた。 あぁ、どうやら私は今回赤の陣営となったようだ。 いくつかの絵柄で彩られたという絵札を渡される。 どうやらこれは切り札らしい。裏返すとそれは剣を振りかざす

          SSワードウルフ3-10『優しく聡明な君達へ』

          SSワードウルフ3-9『或るオフィス』

          『或るオフィス』 作者名:六畳一マン 屋上「……」 思い詰めた表情を浮かべた男が地上を見下ろしている。物思いにふけっているだけ、というわけではないようだ。何故なら、彼が立っているのは落下防止用フェンスの「外」なのだから。 ゴクリと生唾をのみこんだ後、彼は虚空へと足を踏み出した。 ──────────────────────────────────────────── 5階・社長室「失礼します。社長、本日夕方からの───おや、社長?おかしいな、この時間はこの部屋で執務に当た

          SSワードウルフ3-9『或るオフィス』

          SSワードウルフ3-8『新説 人魚姫』

          『新説 人魚姫』 作者名:ホンソメワケベラ 「彼女以外を伴侶にすることなどもう考えられないんだ。君には本当に申し訳ないけれど」 金髪の男と紺色の髪の女、銀髪の女の間に気まずい空気が流れる。 国の唯一の後継者である王太子一行の乗った船が嵐に遭い難破した。 王太子の生存は絶望視され、国内外の評価の高い金の髪の王太子を失い、国の者達は絶望に打ちひしがれた。 そんなある日、王太子が無事な姿で見つかった。 どうやら少し離れた場所の浜辺の村に流れ着き、村人たちに助けられたらしい。 国

          SSワードウルフ3-8『新説 人魚姫』