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ぷらぷらり日記 2023.7.5 福井市街

当初の予定では、今回はあくまで石川県内でゆっくりするつもりで、博物館を見終わったら小松に戻って、まだいくつかある小松市内の温泉銭湯を攻めるかなあなどとぼんやりと思っていたのですが、加賀温泉駅の電光掲示板に福井いきの電車が案内されているのを見つけて、るなんとなく、どうせなら福井県にも行ってみるか、という気分に。

なんだろう。ふつうの思考なら小松の温浴施設を他にも巡って、石川県南部をもっと深く楽しむことに徹したほうが効率が良いし、宿を探す必要もなくなるはずですが、脳裏に大槻ハンチョウが現れて、こう囁くのです。

そんなふうに効率化のみを考える休日でいいのか……?本当は、福井にもちょっと興味が湧いてきているんじゃないのか……?ならば逆方向の電車に乗るだけなのに、迷う必要はない。ぷらーなくんはへたっぴだなあ……!欲望の解放のさせ方がへたっぴ……!

恐竜博物館はここからかなり遠い。

ハンチョウの幻覚が目蓋の裏に焼き付いたまま、ぼんやりと福井行きの電車に乗ると、椅子に座った途端に、速攻で寝落ちてしまった。びっくりするほど速攻で寝落ちした。ていうか福井駅が終点ではなく、神戸方面まで行く電車だったら、ふつうに乗り過ごして家まで帰ってしまっていたかもしれん。それくらいすんげえ爆睡した。

まあそんなこんなで、起きたら福井市でした。まだ日が照っているのが不思議だ……。感覚的には5時間くらい寝ていたような気がする。

起きた瞬間に知らない街にいるというのは妙に楽しい。意味もなく駅前を探索。

噂どおり、謎に恐竜を推している。

しかし、恐竜の化石が多く発掘されているのはこのあたりではなく、勝山市というところらしい。ほぼ山の入り口であり、実質的にあと1日しかないのに、今からそこに行くのはしんどい。今回は福井市街をぶらぶらするにとどめておこう。

敦賀市には昔すこしだけ訪れたことがあるのだが、福井市に関しては初である。福井在住ユーチューバーのカズチャンネルで少し街の風景を視たことがある程度で、予備知識はほとんどなし。

しかし、さすが県庁所在地だけあって、駅から少し歩いただけでも、オシャレな商業施設があったり、ファッションストリート的な並びがあったりする。そしてやたら恐竜がいる。ベンチにふつうに恐竜がいる。ちょっと邪魔なくらいいる。ベンチを独占すんじゃねえ。

最後にニホンオオカミの生息が確認された場所ともされている(諸説あり)。

しばらく歩くと福井城の跡があり、なかなかに趣の深い堀がいくつか見える。

福井城は明治時代に廃城となっており、付近も1945年の福井空襲によって焼失してしまった部分が多く、また直後に大震災に見舞われたため、現在の町並みは後から当時を再現したもののようです。

当たり前だが、例のあの社長はいらっしゃらなかった。

かつて城下町だったあたりをダラダラと歩き、辿り着いたのはアパホテル。

アパスパという温泉施設が付帯しており、ホテル利用者は何度でも出入りできるほか、日帰りで温泉のみの利用も可能らしい。昨日に訪れた小松にもあったのだが、見つけたのがさくら湯に寄った直後で、そちらはスルーしてしまったのよな。

全国に店舗を持つアパホテルですが、このアパスパが付帯する営業形態は、北陸地方のみのようです。別の地域のアパホテルにも温泉つきのところはあるが、名称が違うらしい。

温泉に振り切って作られているようで、サウナも一応あるけど、まあ別にふつう。水風呂もかなりぬるめ。ととのうことが目当てで来たら、ちょっと物足りないかも。

露天エリアで外気浴ができる椅子はいくつかありますが、半露天なので、無機質な柱の連なりばかりしか見えず、あまり良い眺めとはいえない。

たとえ景色が無機質でスペースが狭くても、新大阪のひなたの湯みたいに、照明を工夫してドラマチックな空間っぽく演出することもできると思うので、雰囲気のつくり方については、少し改善の余地があるのでは、という感じがしましたのですよ……社長。これを読んでいらっしゃる可能性は極めて低いが。

あ、温泉はとても良かったです。

えちぜん鉄道の三国芦原線は、現時点で日本最速の路面電車。

で、2泊3日の旅行をすると毎回のごとくそうなのですが、2日めの夜がいちばんテンションが高く、酒を呑みすぎたり、無駄に夜更かししてしまったりするのですが、まあ今回もやっちまいまして、起きたらチェックアウト時間スレスレ。

まあ、最終日である今日はのんびり行こうということで、のんびりとローカル鉄道のえちぜん鉄道へと乗り込む。交通系ICカード非対応ですが、福井駅の券売機では切符がPayPayで買えたりする。遅れているのか進んでいるのか。ちなみに交通系ICは2025年に導入予定らしい。

電車内では添乗員みたいなお姉さんが常駐されており、停車駅のアナウンスなどをしてくれるほか、たぶんわからないことを質問すれば答えてくれます。

雨の中でテニスをやっている元気な人がいた。

田原町駅で下車。たはらちょう、ではなく、たわらまち、と読むそうだ。

俵万智さんが制定されたというサラダ記念日は7月6日。今日は7月4日なので、あと2日後だな。7月4日はアメリカの独立記念日で、GACKTさんの誕生日である。現在はまともな年齢を公表されているGACKTさんだが、かつてのプロフィールでは1540年生まれということになっており、……などということをぼんやりと思っていたら辿り着いたのが、幾久公園。

今日の目的地のひとつである福井県立歴史博物館は、この公園の隣にある。

ちなみに、福井駅前に「福井市立郷土歴史博物館」がありますが、この「福井県立歴史博物館」は全く別の建物です。ややこしい。

入場料は100円。イベント時などは別途料金がかかるエリアもあるそうですが、なかなかに見ごたえがある館内で、ふつうに300円くらい取ってもいいと思いました。

ばーちゃんちのアパートの下の階の人の部屋がこんなんだったような気はする。

昭和時代の家。

現代の感覚からすると、靴箱のスペースの狭さにびっくりする。いや、ここはもしかして玄関ではなく勝手口かな?勝手口がある家というのに住んだことがないので、いまいちどういうものなのか、よくわかっていない。

三河屋のサブちゃんは、磯野さんちの勝手口に文字どおりに勝手に入ってきているが、あれは現代ではやはりアウトなのだろうか。

たぶんアウトなんだろうなあ。ウーバーイーツがあそこから入ってきたら、すぐGoogleのクチコミに悪評価を書かれてしまうんだろうなあ。どっちがいい時代なのかはなんともいえんが。

駄菓子屋が懐かしいという感覚ですら、もう過去のものかも。

昭和の商店街の再現。軒ごとの間隔がまるでない。どこかが火事を起こしたら、3軒とも道連れである。

そういう安全面での問題はともかくとして、ここまで隣の屋号が密接に連なっているというのは、確かに商店街が一丸となって社会を営んでいるという感じがある。

今だって元気に機能している商店街はたくさんあるが、昭和のこの時代のように、人と人との距離が近い街の風景というのは薄れているだろう。たぶん。

大阪でいえば寺田町の源ヶ橋商店会がこういったかつての雰囲気を残してはいるが、多くの店舗のシャッターは固く閉められ、元気に開いているのは大通り側の薬局くらいしかない。昭和は遠くなりにけり。

傘立てを使うには100円玉が必要。

昭和に浸りつつも、風呂には入らねばならぬ。いや前日にアパスパに3回も入ってはいるのだが、まだ足りない。

極楽湯の福井店。極楽湯は全国チェーンなので、地元にもいくつかあります。

和風の外観も、うたた寝処の雰囲気も、浴室内の装備も、地元のそれとあまり変わらないのですが、ここは水風呂が外にあるというのが珍しい。

晴れていれば最高だったんだけどなあ。スチームサウナが外というのもまた極楽湯のセオリーどおりですが、通常のサウナまで外にあるパターンは初めて見たかもしれない。

さらに、サウナには窓があり、外の景色が見える。これも珍しいけど、まあ好き嫌いが分かれるでしょうね。サウナで瞑想したい人には不向きかも。

露天のテレビ前の風呂は天然温泉らしい。あまり強調しておらず、本当にしれっと書いてある。俺じゃなきゃ見落としてたね、と思うくらい、しれっと書いてある。大阪ならたぶんもっと強調する。

地域性の違いか、このあたりでは共同浴場の温泉なんてそんなに珍しいものでもないのだろうか。というか、今回おとずれた浴場、図らずもすべて温泉であった。別に事前に調べたわけでもないのに。

で、今日は最終日なので、もう帰らないといけない。近くに点在する一般銭湯にも行ってみたかったなあ。

待合室はWi-Fiがあるので、長い待ち時間でも快適にスマホをいじれる。

えちぜん鉄道の越前開発駅。昼間は人がいるらしいが、夜は無人駅。

小屋のような待合室があり、そこにいれば雨を凌げるのだが、肝心のホームは屋根なし。なので、待合室からホームに移動する間だけ傘を差す必要があり、これが地味にめんどくさい。

待合室の横には、ちょこんとトイレが付いている。このようなローカル鉄道の無人駅のトイレなんぞ、どうせクソきったねえ和式であろう。紙なんぞ当たり前にないんじゃねえか……。

などと失礼な予測をしていたところ、なんと、ちゃんときれいに手入れされた洋式。紙もあります。

こちらの車両には、添乗員のお姉さんはいらっしゃいませんでした。ちなみに、線路そのものは大昔から存在するが、えちぜん鉄道の開業は2003年と、まだわりと新しいらしい。

街に氷屋があるというのが不思議な感じ。

おまけ1。24時間営業の氷屋さん。このあたりは繁華街であり、夜のお店もたくさんあるのですが、夜中でも氷屋さんの需要はあるのだろうか。でも大阪や京都では見たことないな。

恐竜しかいない。

おまけ2。夜明けにホテルを抜け出してしばし散歩し、駅前まで。人がいないのはもちろん、車も全く走っていない。いくら早朝でも、大阪ではこんなに道が空いていることはまずあり得ない。

酔いどれての早朝の散歩ということもあって、思わず路上に寝転がってみようかと一瞬よぎったものの、もちろんやめました。ちなみに交番が近いので、警察の方々はずっと見張ってくれています。

昔の機器は今の間隔で見るとどれも実に四角い。

おまけ3。昭和のアイテムとして、初代ファミコンも福井県立歴史博物館に展示されていました。

この小さくて軽そうなのが次世代ビデオゲームだったのは今にして見ると隔世の感がありますが、怒り狂ったお母さんが投げるには手頃なサイズだろうな。2以降のプレステなんか重すぎて、下手したら持ち上げるだけで腰を痛める。もっとオカンが投げやすいゲーム機を……、といっても、今は親子でポケモンをやる時代だからなあ。

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