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日本人と野球

もうけっこう前の話題になってしまいますが、WBCでの日本代表の活躍は凄まじかったですね。 

準決勝戦で村神様こと村上宗隆選手がサヨナラホームランを打ち放ち、決勝戦では大谷翔平選手が盟友でもあるマイク・トラウト選手から三振を奪って見事に優勝、通算3度目の世界一に輝きました。

もう1ヶ月半も経っているし、そもそもニュースで散々ながれていたのだから別にいいだろうと、思いきり準決勝戦と決勝戦のラストのネタバレをしましたが、ここまで簡単に説明できるくらいにわかりやすく、快調にゲームが進むスポーツ試合というのはなかなか見たことがない。

改めて野球って面白いもんだなあと思いました。そして、日本の野球は世界に誇れるもの。

とはいえ、サッカーのワールドカップの予選の参加国が200を超えるのに対して、WBCの予選の参加国は27ヶ国のみなのだそうです。ということを、2ヶ月前に初めて知りました。
 
日本ではプロ野球選手といえば、昔も今も男の子が将来なりたい職業として定番の人気があり、お父さんがビールを片手にナイター中継を視るのが床の間のお馴染みですが、どうやら外国ではそうとも限らないらしく、世界的に見ればマイナーなスポーツと見做されているらしい。

WBC出場国のうち、どこの国だったかは忘れたのですが、代表選手はみんな野球の他に本業を持っているという話を見かけました。つまり、野球ではまともに生活費が稼げない。

日本では春先になれば、高校野球で活躍した人がプロ入り時に年俸が何百万で契約、なんてニュースがばんばん流れますが、海外ではそうはいかない。

そもそも野球を職業にするということに対するハードルがかなり高いようで、代表に選ばれているような人たちがそんな扱いなのであれば、その下にいる人たちはもっと状況が芳しくないのではなかろうか。

バイト生活から抜け出せない売れないバンドマンみたいな見られ方をしているのかもしれない。これは憶測でしかありませんけど。

それにしても、スポーツというものは万国共通で讃えられているという認識が自分の中にはあったもので、国によっての認識度の違いがあるというのはなかなかに驚きました。

オリンピックという全世界を巻き込んだ式典が昔からあるし、それに対して実際に全世界が夢中になっているのだから、競技や種目にかかわらす、スポーツはおしなべて、どこの世でも高く評価されているのだという思い込みがあったのですね。

まあ、冷静に考えてみれば、野球は当たり前にテレビで放送されるけど、サッカーはワールドカップシーズン以外はあまり地上波で観ることはない。バスケットボールやバレーボールなんかもオリンピックの時だけ盛り上がって、普段はそこまで取り上げられない。

数年前にはラグビーが盛り上がっていましたが、いまラグビーの話をしている人は、少なくとも自分の周りにはいない。

流行るか流行らないかについては、その土地ごとの風土や慣習があるのでしょう。

日本人の自分だと、上述のように野球は誰もが知るメジャーなものだという認識があり、そうでない国のほうを不思議に感じてしまい、なぜ向こうではウケないのだろう?と思ってしまいますが、あえて逆に、なぜ日本でこんなにウケるのかという観点で考えてみます。よし、ググるぞお。

と、意気込んでみたのはいいものの、いまいち腑に落ちる結果は得られませんでした。調査しましたが○○さんの彼氏の有無はわかりませんでした、みたいなブログ定型文で恐縮ですが、実際のところ、全然よくわかんなかった。

ピッチャーとバッターの一騎打ちにサムライの心が宿っている、日本では数あるスポーツの中でもプロ野球による経済効果がとてつもなく大きいなどの情報がありましたが、それだけであれだけの影響力をもたらすだろうか。

どれだけ興味がない人でも、阪神タイガースが関西のチームで、読売ジャイアンツが関東のチームであることくらいは知っています。

どちらがセ・リーグがパ・リーグかわからないにしても、大抵の人は、ヤクルト、中日、カープ、ロッテの名称くらいは言える。

チームが地域に根ざしているから、というのもあるでしょうが、それならサッカーだってそうだよなあ。

もちろん地元であるガンバ大阪の旗はたまに街中で見かけはするし、セレッソ大阪の本拠地である長居公園(ヨドコウ桜スタジアム)の最寄り駅であるJR鶴ケ丘駅には大々的にオブジェが飾られてはいる。

だけど、野球ほどに土着的ではないように感じる。大阪人と東京人との阪神ファンと巨人ファンの対立という構図はお馴染みだが、ガンバサポーター対ヴェルディサポーターというのは聞いたことがない。

国際的なスポーツが開催されるたびに掲げられる「がんばれニッポン」というフレーズがありますが、あれがなんか苦手な自分も、WBCに関しては素直に応援できたのは、野球大国の日本人の血の現れなのだろうか……。

などと思ってみたりもするのですが、実際はそんな大それたことではなく、単純に大谷さんパネェ、村神様やってくれるぜ、という痛快さに魅せられたのでしょう。

ニッポンががんばるとか勇気をもらったとかではなく、もっと単純に、楽しいものを見せてくれてありがとうという気持ちだし、野球が手軽に見られる日本に生まれて良かったことは事実です。

村神様はこのところ三振つづきで不調のようですが、またあの漫画みたいにわかりやすい大活躍を見せてほしいと思いながら、特にどこのチームを応援するわけでもなくサウナでぼんやりと夜を更かそう。

……あ、土日はナイターって基本的にないのですね。知らなんだ。やっぱりまだまだ疎いなあ。

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