閑古鳥
体の中に黒いものが沸々とたまる。視界が狭く、酸素が薄くなっていく。人生の中で空白の、暗黒の記憶が途切れ途切れに思い出される。どうにもならない日々のほんの一コマ。自浄作用で終わりがくるとわかっていても、毎回じたばたしますね。
まだまだ暑い日が続きます、とお天気お姉さんが言っていた。お天気はいつから、なぜお姉さんの仕事になったんだろうと思いながらぼんやりとテレビを消す。雨もたくさん降る予報。雨は好きだ。夏の終わりの冷たい雨も、土砂降りも、車のライトに照らされてようやく見える雨も。雨の日の通勤電車で、それはそれは疲れた顔をしてうつむく人たちを見ていると、少しだけ許された気持ちになる。無理に笑わなくてもいい1日。暗い気持ちでないときでも、やっぱり無理やりに自分を曲げるのはなかなか体力がいる。
なんのためにこんなことを、、と思いながら、毎日前に進む。30回繰り返すと1ヶ月、それを12回繰り返すと1年。そこに空虚な期間があっても、テトリスみたいに積み上げていけば、思わぬ形でぴたりと空白がなくなる。だからと言って、今やっているあれこれには意味はないんだけど。