シェア
「お願い。おごるから!」 全くそそられない彼女の誘いに頷いたのは、昨年、彼氏と別れたと目…
ねぇ、星降る花火をみたこと、ある? 空いっぱいに、パァッと広がった花火がね、 ゆっくりゆっ…
「あの2人、結婚したんだってー。」 仕事から帰って来たキミにそう語りかけるも、「そうなん…
冷たい霧のような雨が降っている。 真美はターミナル駅の駅前広場に立っていた。 広場には大…
いやだ。 嫌だ、 嫌だよ、 なんで、わたしが渡すの? わたしが先に好きになったんだよ。 「レ…
「レイちゃんから。これ。」 登校するとミキが下駄箱で待っていて睨みつけるような顔して手紙…
「ゆみ子、1番に電話。コスモス商事さんから」 「ごめん、後でかけ直すって伝えて」 5分後には新製品会議が始まる。ラップトップを抱えて階段を駆け上がるともう主だった面々が集まっていた。 「この印刷予定、少し遅らせられない?」 席に着いた途端マーケティングの佐々山君が原稿をヒラヒラさせる。来年度のカタログに新しく開発した広告の文言を入れたいとのこと。 「無理!」 すかさず一言で切って捨てる。 「印刷所への入稿は遅くとも23日までよ。その後年内校正、年明け初日に色校一
今日はクリスマスイブ。 街は浮かれ、電飾が光り輝き、どこを見ても全身から幸福が迸る人々が…
朝起きると、ベッドサイドに見覚えのある箱があった。 サンタクロースかな、と考えて自分…
人生って幸せと不幸のバランスが上手く調節されているのかもしれない。私の人生、19歳までは常…
もう、なんでクリスマスイブだからって恋人同士で過ごさなきゃいけないの?別にひとりでもいい…
その日、明らかに彼女の後ろ姿は落ち込んでた。 いつも静かな君が、人知れずしょんぼりして…
中岡はじめさん主催の俳句インポスターズ、「最も罪深い句」の栄誉を受けた二つの句からCanva…
日が昇り始めた清々しい時間。対面のホームでは、人が列を作りはじめている。「まもなく電車が参ります」機械のアナウンスのそれを、無意味な事だと俺は思わない。駅という場所を創る為には、何かの音が必要なのだ。物足りなさを補う為ではない。駅を演出する為なのだと俺は思う。 「みんなが私達を見ているみたい」 俺だけじゃない。俺達は、そこにいなければならない訳でないのに、そこから動き出せなかった。 「そんな訳はないけれど、そんな気がするな」 「うん。私達ってどう見られてるかな? 出勤前の