見出し画像

【怠惰なデブが導いた”最強ダイエット思考”】食べたい欲求 vs 満腹という事実

俺は今、無性にカレーライスが食べたい。

さっき昼飯を食べ終わったのに、だ。ここ最近の体重変化をずっと観察していて、1年前と比べて、ちょうど3kg太ってしまっていることに気づいた朝、僕は意気揚々とスーパーで1日の3分の2の野菜が摂れると豪語する198円のサラダと2リットルの水90円を購入して会社に出かけた。

不思議なものでちょっとずつ体重が増えているときは、「まあ、今日は食べ過ぎたしな」と短絡的な考え方で乗り切って翌日に少しまた体重が減って…というのを繰り返して安心していたのに、長い目で見てみるといつの間にか3kgも太っていた現実。

これはまずい、、デトックス効果が期待できる「ファスティング」をやってのける時期がついにやってきたんだと思って、買ったサラダと水。デスクに置いてしばらく仕事していた。

まだ大丈夫。自分に言い聞かせる。

俺はお腹が減っているわけではない、ただ何かを食べたいという欲求に駆られているだけだ。あと1時間は食べなくてもいけるはず。そう何度も何度も自分に言い聞かせていた。

しかし、集中して仕事をしているはずなのに、何度時計を見ても、5分しか経ってない。本気でお腹が空いたらサラダを食べる。そう朝に決めたじゃないか。集中集中。ああ、なんで3分しか経っていないんだ。

そんな攻防戦を30分は続けただろうか。空腹というよりもメンタルで負けた俺氏。ついにサラダに手をつける。

カロリーではなく糖質をなるべく摂らなければ痩せる。30回噛んで、食べ物そのものの甘味を感じられるくらいに、”ながら食べ”は辞めて、30分かけて昼食を取ろう。知識は十分にある。あとは実行力だけだ。

でも、見ちゃうよね、YouTube。

なんて俺は意志の弱い人間なんだ。あっちゃんの言葉に自分の意志力の弱さをどうにかしてもらおうとしてみてしまったYouTube大学。この状態がやばすぎるだろ、どう考えても。そう分かっていても、ながら食べをしてしまったのです。

ただ、30回は噛んでみた。無機質な野菜サラダに糖質少なめのシーザードレッシングを少量かけて食べている。しまった、最初の方にガッツきすぎて、残り3分の2以上もサラダが残っているのにシーザードレッシングがほとんど無いじゃないか。絶望。潤いが損なわれた198円のサラダをなんとかたくさん噛んで食べる。あっちゃんの言葉を聞き、意識高い系になりつつ、とにかくたくさん噛む。あれ?意外とドレッシングなくても味する気がしてきたぞ。錯覚に陥り始める。あーでも噛みすぎて食べるの面倒くさくなってきた。顎が疲れる―。だるー。

ああーカレーが食べたいな。

いつも食堂でカレーを食べるときはサラダを追加する。その記憶が突然蘇ってきたのだ。ああ、このサラダを食べ切った先に、カレーが待っている。脳ミソがおかしいことにそんなことを考え始めていた…。いかんいかん!俺は今日このサラダと2リットルの水だけで生きるのだ。あとは、自分の腹や脚にため込んだ糖を存分に使って生命活動を維持すれば、ただただ痩せていくのだ。そう、これまでの自分の怠惰な生活を戒めろ!そういうカレー食べたいって考えに及ぶ、お前の思考そのものがデブなんだ!!!

自分との会話を何度も反芻してなお、カレーは食べたい。そう思ってしまったときに、ふとある疑問が浮かんできた。

俺は腹が減っているのか?

そう考えると、腹は減っていないのかもしれない、と思った。腹が空いているからカレーを食べたいと思ってばかりいたのだが、実はそうではない。慣習としてサラダの後はカレーが待っているという脳の思考回路が当たり前になっていたからこそ、カレーを食べたいと思っているだけ。

本当に何度もやったことがあること、経験があること、習慣化していることっていうのは恐ろしい。ホメオスタシスって言葉があるように、人間は維持することが大好きで、そのループから逸れることをすごく嫌がる生き物なんだもんで、今回のカレーライス思考もきっとそうだ。

カレーライスを食べることで満足するのは、俺の空腹ではなく、”いつも通り”を完遂したことで感じる達成感なんだ、その習慣をリプレイするために、俺は「食べたい」と思っているのだ。

「空腹」から自由になれた気がした。

これまで「食べたい」呪縛に囚われていた自分からの解放。それを存分に感じることができた。自分自身のお腹と向き合った事で、本当に満たしたいものは何なのか、それに気づくことができた。

デブ化していた思考は、ここに原点があったのか…!

お昼になったから息抜きがてらご飯を食べるべき、今たくさん食べておけば夜はそんなに多く食べなくても大丈夫、ストレスを感じるくらいなら食べた方が良い…。とにかくカレーを食べたい。カレーを食べたい。食べちゃダメだ、食べちゃダメだ、そう禁じれば禁じるほど食べたくなっている。いろんな迷信を自分自身で作り上げてきた。

その迷信はただの迷信で、シンプルに自分の胃袋に聞いてみればよかっただけなのだ。

「お腹は空いているのかい?」

多分本気でお腹が空いてれば、腹は鳴るだろうし、自分が思っているよりお腹は空いていない。我慢するわけでもなんでもなくて、「お腹が空いているだろう」「お腹が空いているから集中できないんだろう」という決めつけが自分自身の食欲を倍増させていたのだ。

こう書いていたら、自分に自信が持てて来た。これからは大丈夫な気がする。なぜなら俺は今、198円のサラダでお腹はいっぱいだからだ。体は脳ミソよりも正直だ。

さて、休憩時間終了。

怠惰な自分の脳ミソを騙し切ったぞ。

よろしければ怠惰な僕にサポートのお恵みを…。あ、でもお金を簡単に与えたらもっと怠惰になっちゃうから、ダメか(笑)