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「伝える」➡「伝わる」:「伝わる技術」から学ぶコミュニケーションとマネジメント

※この記事は全文無料で読むことができます。

2021/04/15

こんにちは。HACOです。

コミュニケーション本は数あれど、よい本はどれですか?と聞かれると、なかなかに返答が難しかったりします。

それは、もちろんコミュニケーションの目的や対象者が誰なのかによって変わってくるからということもありますが、何となく違和感をもつ本が多いような気もします。

おそらく、「コミュニケーションを上手くする」が前提にあるからかなと思ったりします。間違っていないと思うのですが、目的と手段が混同している問題なのかもしれません。

「伝わる」ことが大切で、コミュニケーションの上手さはどちらでもよいのではないかと思います。もちろん、コミュニケーションの技術を言語化して、技術を向上することで、「伝わる」ことも増えてると思うのでそれでよいのですが。何となくの違和感は個人的にあったりします。

「おもい」「考えていること」を脳から取り出して言語化すること。それを相手に「言うこと」から。できれば「言う」だけでなく、「伝える」意識をもって言うことを。そして、「伝わる」ように伝えることへ。そんな流れを考えていたりしました。

伝えるために、「目的を明確にすること」「伝わっているかどうか確認すること」などを意識していたことに、プラスαの知見を増やしてくれたのが、今回のこの本です。

「伝わる技術  力を引き出すコミュニケーション」 風間 八宏 (著)

「伝える」技術ではなく、「伝わる」技術。

ここがしっくりポイントのような気がします。「伝える」技術ではないところですね。

自分で考えさせるにはどうするか。「頭の中」を変えるには、何をどう伝えるか。選手がついてくるために、どんなコツがあるのか。組織はどうすれば一枚岩になるのか。人を育て、人を動かし、チームを強くする風間流コミュニケーション術を初公開。これはスポーツはもちろん、ビジネス、教育などどんな組織でも通じます。

コミュニケーション + マネジメントの教科書としておススメです。理論だけでなく、実践してどうなったかの結果をみながら考えることができます(現在の川崎フロンターレ名古屋グランパスを参考に)。その点は、サッカーへの興味やこだわりがあるかに拠ってしまう部分がありますが、サッカーを知らなくても十分に得られることがあるのではないかと思います。

サッカー好きだけでなく、それ以外の方にも読んでもらいたい本です。そのために、ちょっとだけ、内容を紹介していきます。キーワードをいくつか書き出していきますので、どこかに興味が沸くことがあったら幸いです。

目次
序章 二つの大原則
1章 伝えるか、伝えないか
2章 「伝えない」から伝わる
3章 自分と向き合うということ
4章 「やらされる」から「やる」へ
5章 指導者の原点
6章 伝えるために言葉を砕く
7章 個人が強いとチームが強い
8章 前へ進む道を用意する

目次だけでも、ちょっと気になりますね!指導者マネジメント職の方は特に。人材育成の参考にもなります。

もう少し、内容を抜粋していきます。キーワードをならべてみます。そのキーワードの内容は、興味がわいた際には、実際に書籍で確かめてもらえたらと思います。

「伝わる」ために必要なことや考え方。

■目的論

・主役は選手。
・選手はうまくなりたい、監督はうまくさせたい。お互いの目的がしっかりしているから「伝わる」。
相手の人格、尊厳は否定しない。
否定していいのは、プレー(仕事)だけ。
仕事の問題として指摘していれば、感情論ではなくなる。
感情がもつれていては、伝わることも伝わらない。

■伝えること、伝えないこと

「頭の中を変えよう」という意志があるのは、
自分としっかり向き合って、自分で考えている人間だけ。
自分としっかり向き合っていない相手には、
あまり「伝えない」ほうが伝わる。
自分自身を見つめているなら、伝えても「伝わる」。
安易に伝えすぎてしまうと、自分で考えなくなり、
変えられる「頭の中」も変わらなくなってしまう。

■自分で考えるようになるために

自分で考えさせないと、結局、伝わらない。
「自分で考えること」がなければ、意味がない。
言葉で伝えることが、逃げ道を与えることになりかねない。

■「やらされる」から「やる」へ

楽しむことを怖がるな。好きなことに真剣に、
一生懸命取り組む。それが楽しむこと。
自分で望まなければ、何も始まらない。
自分で望むようにさせるのに「伝えない」のも大切。

■どう伝えるか(どんな言葉を使うか)

「人のせい、物のせい」にしないで済む、
前向きでいられる目標を伝えよう。
よく使われる言葉ほど、実は意味が曖昧だ。
外国語などは特に注意すべき。
正確に意図が伝わるか一度疑ったほうがいい。
「~しなければならない」と伝えると、失敗が許されなくなる。
「~してやろう」なら、積極的な失敗が次につながる。

■成長のための道しるべ

「頭の中」を変えるためにどうするか。考え方を整理できれば、
「やらされている」状態から、「やっている」状態になる。
失敗というのは、気づかないことと、やろうとしないこと。
気づかせ、やらせる。日々、それらを「伝える」のが
指導者の最大の仕事。
「集中力」の3要素は、「目的達成意欲」と
「楽しもうとしている思い」と「不安」。
これが4-4-2のバランスの時が一番いい。
判断を人に委ねてはいけない。

最後の「判断を~」って、「生殺与奪の権を他人に握らせるな!!」って、富岡義勇さんも言ってます!「判断が遅い!」( ・д・)彡☆))Д´)って、鱗滝さんも。

「考えること」「主張すること」などなど、「鬼滅の刃」でもいろいろ考えますね。誰のため、何のためという目的論と感情論といろいろなものが交じり合って、よい物語でした。

キーワードだけですが、現場で、教育環境や育成環境、臨床の場での経験がある方は、何か引っかかるものあったのではないかと思います。実践のための本なので、育成の経験者はより深く感じることがあるのではと。

風間八宏監督の本を読むことになったきっかけは、名古屋グランパスの監督になってくれたこととからです。そのことにより、自分の試行や経験を整理することができた部分は多分にあります。ここ十数年の間に影響を受けた人物のひとりですね。サッカーの楽しみ、サッカー観戦の楽しみを倍増させてくれたことも大きいです。スタジアムに行きたくなるチームをつくってくれました。

心理学、サッカー、マンガ、アニメ、ゲームなどなど、どの分野から入っても、同じようなところに行きつくのは「人間」を理解すること、「人間ってなんだ?」につながる興味深い現象です。「つながっている」んだなと思います。今後もいろいろなことから、人間理解を深められたらとも思います。

この文章が皆さんに「伝わる」のかどうか、技術不足が否めないので深追いはせずにそっと…。

次回は、「考える」にフォーカスした本を紹介予定。


最後まで読んでいただきありがとうございます。
今日もよい一日を。

それでは、また。

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