結構バッチリ出来てるんじゃないですか
こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。
「社内の人ともっとコミュニケーションをとった方がいいとは思っているんですけどコミュニケ―ションが苦手で…」
先日、外部メンターとして他社の社員さんの話を聞かせてもらっている時にこんな話をしてくれた方がいました。
「“コミュニケーション”が苦手」そう自覚している人はたくさんいますし、実際に他者とのコミュニケーションが苦手なあまり、一緒に働く人達とのコミュニケーションを可能な限り避けている人に出会ったのは、この時が初めてでなく、これまでに何度もありました。
そんな時には、(可能な場合に限ってですが)こんな質問を投げかけることがよくあります。
「自分自身について、コミュニケーションが苦手だと認識しているのはなぜなのか?」と。
「自分はコミュニケーションが苦手である」という自己認識を持っているということは、それを自覚するための“なんらかの理由”があるはずです。それがどんな理由であるにせよ、それを聞かせてもらわないことには話がそこから先に進まなくなってしまいます。
なぜ「話がそこから先に進まない」かと言うと、ただ単に「コミュニケーションが苦手」なんだとしても、ただ“苦手”なだけなのであれば特に何の問題も無いはずなので、外部メンターとして話を聞かせててもらった時に「ただ単に苦手だ」という話が出て来る可能性は極めて低いわけです。例えば、「仕事で困っていること」について話をする時に、自分自身のやっている仕事と何の関連性も無いはずの“ただ単に苦手な事柄の話”として「自分、球技が苦手で特に苦手なのがバスケットボールなんですよ」とか「自分、しいたけが苦手で食べられないんです」という話をするはずがないのと同じように、“ただ単に苦手な事柄の話”として「自分、コミュニケーションが苦手なんです」という話もするはずがありません。
でも、この話をしてくれた方と同じように、「コミュニケーションが苦手」という話をこの外部メンターの時間の中でしてくれるとしたら、そこには「仕事において“他者とコミュニケーションをとる”という事は重要である」という認識があるからこそ、この話をしてくれるわけです。決して、“苦手な球技”や“苦手な食べ物”と同じ意味での“苦手”という意味ではないわけです。
そうしてそのタイミングで“問い”を投げかけることで、その方が「自分自身について、コミュニケーションを苦手だと認識している理由」についての話の尻尾が見えてきました。
その方はこんなことを理由として話してくれました。
「他者と何を話したらいいかわからない」
確かに、何を話したらいいかわからないことってよくあります。
人見知りを自覚している僕は、この方が話してくれたこの理由についてとても共感しましたし、とても納得しました。
「何を話したらいいんだろう?」
そう思った瞬間に、言葉は口から出て来なくなるし、挙動は不振になるし、心拍数うは上がるし、相手に何て思われてるのか気になるし、とてもいたたまれない気持ちになるし、上手く話が出来ない自分に対して自己嫌悪をするし、良い事なんて何も無いからそれだったら最初から“コミュニケーション”なんて出来るだけとらずに、仕事上の必要最低限の関わりだけで済ませておくようにすればこんな嫌な思いをすることも無くなるはず。
その昔、自分自身がこんなようなことを考えていて、実際にそうやって振舞っていて、“コミュニケ―ション”を苦手に感じていた頃のことを思い出しました。
その方には、そこから幾つか質問をさせてもらいました。僕が、外部メンターとしてその方と話をしている中での印象についても伝えつつ。僕から見ると、普通に話が出来ているし、真面目に一生懸命コミュニケーションを取ってくれているその方に「コミュニケーションが苦手」という印象はほとんどありませんでした。とは言え、「この人、コミュニケーションが得意そうだな」とも感じませんでしたが、取り立ててコミュニケーションについて何らかの問題がありそうにも感じなかったので、それをそのまま伝えました。
そして質問の一つとしてこんなことを投げかけてみました。
「今日の時間の中で、何を話したらいいいかわからない、と思う瞬間はありましたか?」
「特にありませんでした」
「何を話したらいいかわからないと思う時とこの時間には何か違うところはありましたか?」
「あー、えーと、何だろう」
「今日が僕との初対面でしたけど、休日に何をやっているかとか好きな事についても話してくれましたよね?」
「はい。休みの日に何をやってるかと質問されたりしたから…」
この辺りで表情や態度に変化があったのを感じ取ったので、少しだけ話の角度を変えることにしました。
「僕としては質問に答えてくれたので更に質問がしやすかったです」
「ああ…」
「僕は自分の話をあまりしていなかったことに気付きましたか?」
「はい。質問がたくさん」
「そうですね。質問をたくさんさせてもらいました」
「質問をしてもらえて話がしやすかったです」
「質問されて話をしてる時にどんな感じがしましたか?」
「どんどん話ができて楽しいし興味をもってもらえてる感じがしました」
「“何を話したらいいんだろう?”とはならなかったんですよね?」
「自分も、そうすればいいんですかね?」
「そうすればとは?」
「自分から質問をすればコミュニケーションがうまくいったりとか」
「質問されると、話ができて楽しいし興味をもってもらえる感じがするって言ってましたよね?」
「はい」
「相手がそう感じてくれて話をしてくれたとしたら、それはコミュニケーションがうまくいったってことになりますか?」
「そうだと思います」
「であれば、何を話したらいいのかわからないと感じてしまう相手には質問をしてみることから始めてみるのもいいかもしれませんね」
最後には、こんなことを話してくれました。
「今までよりもコミュニケ―ションをとるのをやってみようと思います。自分から質問をしてみます」
何かを決心した人の表情っていうのは、相手が誰であっても、いつだって「かっこいいなぁ」と思ってしまいます。
次に会う時には、「やってみてどうだったか?どんなことを感じてどんなことを考えたのか?」そんな話を聞かせてもらえるのを楽しみにしておこうと思っています。
あかね
株式会社プロタゴワークス
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