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教えておくれ、鏡よ鏡よ鏡さん

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

「他者は、自分を映す鏡です」

これは、カウンセリングでは「とても大切なこと」として教わった記憶がありますし、僕たちも常々大切にしている部分です。

これを、自分の対面にいる相手が理解してくれた瞬間は、なんというか、とても嬉しくなるような気持ちです。これまでにもメンタリングやキャリアカウンセリングを通じて、何度も体験をしてきましたが、またそういう瞬間がありました。

僕たちプロタゴワークスが実施する「メンタリング」は、主に組織開発を行うための手法として、「対話」をベースにしたうえで、キャリアカウンセリングやキャリアコンサルティングの技法と、それ以外の様々な技法を掛け合わせて構築しているものなので、この「メンタリング」に臨む方によって、その個人が受ける印象は大いに変わってくるでしょうし、そもそも、同一人物だとしても「その時の状態」とか「変容具合」によって、僕たちに対する印象が大いに変わってきます。これは、提供している僕たち側から見た場合の想像ではなく、実際にこのサービスを受けた人達の感想として上がってきている時事としての話です。

具体的な感想としては例えばこんな内容がよくある例です。

当初は、「これって何をする時間なんですか?」と言っていた人が、メンタリングを数回実施する中で時間の経過とともに様々な話をしていく中で、「この時間があって良かったです」と感想が変化していった人。

「どうせ経営者に頼まれて我々従業員を査定しに来たんでしょ?」と警戒心満点で言っていた人が、メンタリングを継続していき、「これのおかげで会社が変わってきて以前よりもやりやすくなってきました」と感謝を述べてくれるようになった人。

「こんな事やっても何の意味も無いと思いますよ」と未来について諦めモードだった人が、最終的には「この時間とプロタゴさんのおかげで今後について考えられるようになりました」と、前向きな未来志向に変化していった人。

こんな風に、本人にとっても会社にとっても望ましい方向で変容していった人達は、一様に、メンタリング開始時の自分自身を振り返ってみて、「あの頃の自分は、プロタゴワークスやメンタリングについて、一方的に悪感情を抱いていた」という趣旨の話をしてくれています。

もちろん、全ての人が、こんな風に変容していくわけではありません。

冒頭の言葉のように、あくまでも僕たちは、「その人自身を映す鏡」としてそこに在る事をとても大切に考えているので、「その人の在り方」をそのまま映し出す「鏡」である僕たちに対して悪感情を抱いているという状態のままで居続ける、という人も中にはいます。

こういう場合、その多くが、個別に様々な「嫌な記憶になっている過去」が存在していたという話を聴くことが多く、その強烈な過去の記憶に囚われ続けてしまっている状態であるケースです。そういう時に、いつもこんな事を考えます。


「変容する人」と「変容しない人」の違いはどんなところにあるんだろう?


この「問い」は、僕たちにとって常に考え続けている「問い」でもあります。

もちろん、全て個別の案件なので、その理由は千差万別であり多種多様ではあるんですが、それでも「ある一面」においては、「全て同じ」と括る事もできるんじゃないかなと考えている部分もあります。

その「ある一面」とは、「変化する事を避けている」という一面が共通しているんじゃないかという事です。

「変化する事を避ける」という気持ちは、僕もとてもよく分かります。自分自身も、ついつい「変わらない」を選択してしまう事がありますし、そういう時には、認知的不協和の解消をしてしまっているのを自覚している場合も多々あります。変わらないといけないのはわかっているのに、変わる必要があるのはわかっているのに、でも、やっぱり「変わらない」を選んでしまっている自分がいるし、それを黙認してしまう。

なぜなら、「変わる」とか「変化する」のは、とても大変だし、負担だし、ツラいからです。

「変化する」というのは、文字通り「変わる」という事であり、「変わる」という事は、言うまでも無く「今のままではなくなる」という事です。

「今のままではなくなる」という事は、「何らかの選択と決断」が必要になります。例えば「何かを、止める」とか「何かを、始める」とかの決断や、それよりも前に、「止めるかどうか」とか「始めるかどうか」とか「何を」についての選択が必要です。

そして、それらの選択や決断をする時には、確実について回るのが「それまでの自分が間違っていた(ダメだった)」という事を受け入れる必要があるんです。これが、とてつもなくツラいわけです。

さらに、その後に待ち受けているのは、「今のまま」ではない「新しい事」を始める必要があるわけです。これが、また大変だし、慣れてないし、なんなら初めてトライする事なので、またツラい。

こんな風に、「変化する」という事について回る諸々があるので、それを避けて通りたくなるのは、多くの人に共通する部分だと思っています。

それこそが、上で書いた「変容しない人に共通する一面」なんじゃないのかなと。

だけど、「変容しないまま在り続ける」を選んだ人も、実際には、気付いてしまっているんだと思います。

本当は、その組織が成し遂げる目的を考えた時に、自分自身の選択が非合理的である事を。

だからこそ、目の前に存在している「鏡」に対して、声を荒げたり一方的な物言いをしたりする事で、「他者という鏡」に映っている「自分自身」を威嚇して攻撃を加える事で、「だから仕方ないんだよ」「だから、変化しない事を選んだんだよ」と無理矢理にでも納得させようとしているんじゃないのかな、と感じるんです。


とは言え、僕は、そもそもがとても短気な人間です。
いまでこそ、こんな風に、「他者は自分を映す鏡」とか言っていますが、その昔は、「やられたら、声を荒げずにやり返す」を信条としていたこともありました。

今思うと、あの頃の自分は(起業もしていないし、もちろんメンタリングなんてやっていませんでしたが)、とてもじゃないけどカウンセラーには向いていないという自覚もありました。そして、カウンセリングがうまくいかないことに滅入っていた事がありました。

そこから紆余曲折あって、ようやく今の、「秘技:明鏡止水」を手に入れました。

もちろん、そうは言っても、ウチの提供する「メンタリング」は単なるカウンセリングだけというわけでもないので、いつでも「明鏡止水」でいるわけでもありません。

なかなか、言葉で伝えきる事は難しいなあ、とこれを書きながら思っています。


まあ、一度に全て書ききれるわけでもないから、こうやって毎日noteを書いているわけなんですが。


こうやって色んな事を思い返しながら、「ただそこにいて人の話を聴く」という事の難しさを、あらためて確認することになりました。

これからも、「明鏡止水」を忘れぬよう、精進していきたいと思っています(決して、やり返す事なかれ、という言葉も一緒に忘れぬように)。


あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/


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