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巌流島の真っただ中に佇んで

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

人が集まって形成されている“組織”の中に問題が起きると、その組織のメンバーは大抵みんなが困ったり悩んだりします。

そして、その問題によって起きる表層の出来事によって、みんなが右往左往したりトラブルを起こしたりしながら、徐々に組織自体にダメージが蓄積していきます。

だけど、その問題が「本当はどんな理由で起きているのか?」という真因を見つけるのは、なかなか大変な作業です。

何か一つの事実があったとしても、組織のメンバーそれぞれの立場や価値観から眺めた時には、その“事実”を受け止めた人によって見え方や評価が全然違います。

例えば、「とある組織の中で、AさんがBさんと話をしている中で、AさんがBさんをて怒鳴りつけるという事が起き、それを見ていたCさんがAさんの行動を注意したら、Aさんがそれ以降“BさんとCさんとは二度と口をききたくないし関わりたくない”と公言する」という出来事が起きたケースで見ていきます。

この時、Cさんの言い分は「AさんがBさんを怒鳴りつけていたので“怒鳴る”という行為について注意をした。何かがあって怒鳴ったとは思うけど、叱るのであれば声を荒げる必要は無いから」というものです。

Bさんは「Aさんと話をしたていたら突然Aさんが怒鳴りだしてびっくりして本当に怖かった」というものです。

Aさんの言い分は「Bさんが幾つかの選択肢の中から決断できずに相談があったので相談を聞いていた。その中で、Bさんと一緒にそれぞれの特徴を明確にしながら1つずつ確認していったが“選べないどうしたらいい?”と言い続けていて埒があかなかったので、目的から考えたらどれもそれほど大差が無いから好きなのでいいのでは?と話を切り上げようとした。そしたら、Bさんが逆切れして“その言いぐさは何なの?”と言ってきたので怒鳴りつけた」というものでした。

そんなトラブルが起きていた時に、起きている事実は一つなのに三者三様の事実の捉え方があり、それが故にトラブルになり、組織内がギクシャクしてうまくまわらなくなるということに繋がります。まさに感情と感情のぶつかり合い、感情の三つ巴戦、決戦!感情の巌流島、的な様相を呈していました。いやいや、刀の鞘は捨てないで欲しいんです。納めどころは持っておきましょうよホントに。抜き身の真剣は振り回してはいけません。「マジでヤバイぞこれは」という感じでした。

この話は、傍から見れば「えー?大人なのにそんな感情のもつれからのトラブルなんて起きるの?」と感じるかもしれませんし、くだらない話に見えるかもしれませんが、実際には“こういうこと”は意外と色んな組織で起きているというのが僕たちの実感ではあります。

そんな状態だったところから、3人の当事者を交えて“対話”を行ったことで、無事にトラブルは解消しました。解消というくらいなので、3人は一応は「和解した」という状態になり、健全なコミュニケーションを取れるようになったわけです。

“対話”をすることで、それぞれの人達が「なぜ、この人はこういう発言や行動をするのか?」ということをお互いに受け止め合い、わかったところは受け入れ、わからなかったところは「そういう考え方もあるのか」という納得をしたわけです。

「あの時、起きた出来事についての“自分の見方”と“相手の見方”を理由とともに知ることで、“自分の見方・感じ方”以外のモノを手に入れることができた」

これができたことで、グチャグチャだった状態から和解にもっていくことが可能になりました。

そして、この問題の真因も“対話”によって見えてきました。

ここに書いてある情報だけではわかりづらいですが、話を掘り下げていくとこの3人を含めた組織内の全員が「個人の価値観や倫理観からの発言や行動を日常的にしている」ことが見えてきました。

つまり、「組織としての行動の基準になるモノが存在していない」ということが真因の一つだったわけです。

確かに、経営理念もなければ行動規範も無いという状態だったので、それぞれの人が頼みにできるのは“一般常識”とか“個人の倫理観”とか“個人の価値観”しかなく、当然ながらそれぞれの中にしかないモノは大小さまざまなズレを引き起こしてしまいますし、そのズレによって生じる摩擦は“協働”を妨げる大きな要因になります。

「コイツ、何わけわからねーこと言ってやがるんでい!」ってな感じに。

そうして、「誰に頼まれたわけでもないのに」お互いに「我慢に我慢を重ねて」様々な空気の読み合いや忖度をしまくった挙句、「(勝手に大きなストレスを抱えてしまって)我慢の限界が来た人」が引き金を引いてトラブルの火薬庫に引火して爆発する。そんな典型的な事例だなぁと思いました。

だけど、こうも思うんです。

これだけ世の中にたくさんありふれた典型的なトラブルも、“対話”を用いることで簡単に(?)トラブルの解消と和解を行いつつ“問題の真因”の発見もできてしまうなんて、まさに“対話の力”を示すことができたという意味でも典型的な事例だなぁ、と。

やはり、“対話の力”はとっても凄いなぁと実感しつつ、「対話をするという訓練を積んでいて助かったぜ・・・」というのも実感を伴った正直な感想です。“対話”を仕事で扱うことで研鑽ができていて本当によかったとホッとしています。



あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/

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