お手柄よりも大事なことは
こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。
「自分の“手柄”へのこだわりを捨てて、“役に立つこと”に取り組んだらこうなりました」
今日は、とあるところで開催されたイベントに参加してきました。
僕も仲間も、そのイベント自体には一切何も関与していませんが、そのイベントを企画して裏方として全てを取り仕切っていた人から「良かったら見に来て下さい」と声をかけてもらったので、仲間と一緒に参加することにしました。
イベントを企画して裏方で頑張っていたその人(Aさん)は、常日頃から「自分が勤めている職場がある地域をもっと盛り上げたい」という想いをもって日々の仕事に取り組んでいるのを僕も仲間もよくよく知っていました。
というのも、時折Aさんがウチの会社に遊びに来てくれて、自分自身の仕事やその地域を盛り上げたいという“想い”についてたくさん話をしてくれることがあったからです。もちろん、その話の中には仕事で行き詰ったことや人間関係についての相談なんかも入ってくるわけですが、そんな話を“友人”という立場からよくよく聞かせてもらっていて、求められればアドバイスをしたりすることもありました。
そんな彼が、いつの間にやら、その地域を巻き込んだイベントの開催に向けて動き出していたようで、いつだったからそのイベント開催に関しての相談を受けたことがありました。
曰く、「自分がここまで色々やってきたけど、イベント開催にあたって大きな広場を借りる必要が出てきたが、それでそこを管理している団体に協力を求めに行ったら、自分達の団体を“後援”として入れて欲しいと言われて、随分と都合がいいこと言うよなぁって思ったんですよ」
なんて話をしてくれたことがありました。
その話を聞いて、「なるほど、確かにそういう状況に自分が遭遇したら同じように憤るかもしれないなぁ」なんて思ったのでそのまま伝えたような記憶があります。
ただ、こんなこともその後に伝えました。
「僕も憤るかもしれないけど、それはそうとして、“役に立つこと”をすると思います。例えば、この件で言えば大きな広場を借りる必要があるからそれが叶うように行動します。そうすると、自分の叶えたいことが叶うようにすることが一番大事なことであり、役に立つ行動になりますよね」
そんな話を受けて、Aさんは「いや、確かにそうかもしれないけど、でも相手のあの態度はないだろうと思うんですよ!」と、語気を強めていました。
「なるほど、確かに相手の態度や言い分は筋が通ってはいないなぁと僕も感じます。じゃあ、筋が通っていないから協力してもらうことは諦めて他の方法を考えますか?」
するとAさんは、「いえ、あの広場が借りられないとこのイベント自体が成立しない可能性が高くなります」
「そうなんですね。でも、相手の態度は気に入らないわけですよね。そうなると、Aさんにとっては、何が一番大事なことですか?その団体の担当者に屈しないことが大事ですか?それとも、イベントが無事に開催できるようにすることですか?」
「うーん…それは、イベントが開催できることが一番大事です。でも、自分の手柄を横取りされるような気がしちゃって…」
「確かに、手柄を横取りされるような気がするかもしれませんよね。ただ、Aさんはそもそもどうしてそのイベントを開催しようとしてたんですか?」
「え?そりゃあ、この地域をもっと盛り上げるために、地域で初めてのイベントを開催して盛り上げるための第一歩をと思って」
「なるほど。地域を盛り上げるために、その一歩目として初開催のイベントを実施したかったんですね。そのイベントを開催した立役者としての手柄も一緒に欲しいし、手柄が手に入らないならイベントの開催はできなくてもいいかなと思ってるんですか?」
「いえ、手柄なんてどうでもいいのでとにかく地域を盛り上げるためにイベント開催は絶対にやりたいんです!」
「じゃあ、答えは出てますよね」
「ああ、確かに」
「“イベント開催”という目的を叶えるために、他の人の協力が必要で、その協力者が手柄を欲しているならどんどん手柄にしてあげたらいいんじゃないですか?だって、Aさんの目的は“初めてのイベントが開催されること”なんですから。目的は“手柄を立てる事”じゃないですよね?」
「はい。違います。このイベントを開催して地域を盛り上げていきたいんです」
「じゃあ、その目的を叶えるための“役に立つこと”をすればいいんじゃないですか?手柄を立てることは、Aさんの目的を叶えるために役に立ちますか?」
「いえ。全く役に立たないですね」
そんな会話を交わしていたことをすっかり忘れていました。
でも、今日行ったイベント会場でAさんに会って立ち話をした別れ際に、冒頭の言葉を言われて、そういえば以前に上記のような会話をしたことを思い出しました。
「“役に立つこと”をしましょう」という言葉を、Aさんが真正面からしっかりと受け止めてくれて、それを実際の行動としてとったからこそ、今日のこのイベント開催に繋がったことは僕と仲間が明確に認識しています。
Aさんから事前にもらっていたこのイベントのチラシには、“主催”や“後援”や“共催”にAさんの名前もAさんが所属している組織の名前も全く見当たりませんでした。その欄に記載されていたのは、Aさんが一人で動きはじめて、段々とイベントの姿形が見え始めてきてから開催に協力してくれ出した人達の名前が入っていました。
イベントはどうやら大盛況だったようで、運営に携わった人達の誰もが予想していた来場者数よりも実数が大きく上回っていたようで運営の人達からは嬉しい悲鳴がちょこちょこと起きていたようでした。
会場でAさんと別れて、また運営に戻っていくAさんの後ろ姿を見ていたら、なんだかとっても嬉しい気持ちが湧いてきたのは、本人には伝えずにここだけの話にしておきます。
自分の感情よりも“役に立つこと”に取り組む人は、こうやって確実に“目的”を叶えることに一歩ずつ近づいていく。
そして、“それ”は間違いなくその人自身に自己効力感や自信を与えるし、それが更なる“希望”になっていく。
そんなことを、今日のAさんの姿や晴れ晴れとした表情から、あらためて客観的な事実として受け取ることができました。
こういうことが目の前で起きる度に思うのは、自分達もしっかりと“役に立つこと”を見失わずに行動するということを、あらためて強く意識して取り組んでいかないといけないなぁと思うんです。そうじゃないと、Aさんに偉そうに講釈を垂れただけのしょうもないヤツに成り下がってしまいかねませんから。
目的を叶えるために役に立つことをする。
「とってもシンプルだけど、とっても難しいこと」を体現していた人を、しっかり見習っていかねばなりません。
あかね
株式会社プロタゴワークス
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