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立ち向かおうかどうしようと思ったら

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

ウチが携わらせてもらう仕事では、様々な業種の企業に組織開発で関わらせてもらっています。

そんな多種多様な組織を外部の者として内側から観察していると、組織内で起きている“問題”は本当に様々なモノがあるんだなぁと、ある意味では感心してしまうような心境に陥ることがあるんです。

でもそれと同時に、それらの“問題”の原因を探っていくと、大抵の場合はほとんどが“人間関係”に纏わるモノに辿り着くのがいつも「面白いなぁ」とも感じています。

とは言え最初の時点から「組織を変えたい」という依頼がウチに舞い込んでくることはかなり稀です。それよりも、まずは「○○を何とかしたい」という経営者から見えている“問題”を何とかするために声を掛けてもらうことが多くあります。

そうしてウチが関わらせてもらっていくうちに段々と「それまで見えていなかった“問題”の真の姿」が見えて来ることがよくあります。

そこに浮かび上がってくるのは、“カッツモデル(カッツ理論)”で言う“業務遂行能力(テクニカルスキル)・人間関係能力(コミュニケーションスキル)・概念化能力(コンセプチュアルスキル)”の中の“対人関係能力”に関わるところでの問題がほとんどだったりしてきます。

そして、それが見えて来るまではその組織内では、業務遂行能力“のみ”を重要視していて、業務遂行能力“のみ”を評価する仕組み“しか”無かったりしているのが実情だったりしています。

当然ですが、業務遂行能力“のみ”が評価され重要視され賞賛されるような組織であれば、概念化能力と対人関係能力は軽視されますし、それどころか“そういう組織”の中では概念化能力や対人関係能力については“そういう組織”の中で育まれてきた文化や風土に合致するモノ以外は“ダメなモノ”と見なすようになっている場合が多くあります。

そんな状態になっているわけなので、組織内の人たちはとても一生懸命に業務遂行能力“だけ”を伸ばそうと必死になるわけです。

でも、“カッツモデル”で提唱されているように、組織内の各階層ごとで必要となってくる能力が変化していきます。新入社員に近ければ近いほど、業務遂行能力&対人関係能力の2つが求められますし、対極にいる経営者に近づくほど、概念化能力&人間関係能力の2つが求められます。その両極の間で業務遂行能力と概念化能力の必要性が変化していくわけなんですが、どの階層であっても“対人関係能力”だけはずっと必要とされる割合が全く変わりません。

この“カッツモデル”における必要な3つの能力の割合こそが、実際のその人の任されている仕事の中身なんだろうな、と考えています。

つまり、「組織内のどの階層にいる誰であっても、組織内の人達と円滑にコミュニケーションをはかるというのは、絶対にやらなければならない仕事であり、その重要性は“その人自身”が任されている仕事の半分を占める割合である」ということがハッキリと言えるんじゃないかなと。

そして、そもそも“これ”は大前提として存在していて、それ以外の部分であるもう半分の割合の中で、「頭を働かせて考える仕事(概念化能力)」と「手や体を動かして作業する仕事(業務遂行能力)」が役割によって変化するんじゃなのかなと。

こうやって“カッツモデル”の考え方を通して、その組織の中で起きている“問題”を見ていくと、その原因は結構単純に見えてくるんじゃないかと考えています。

そうやって見てみると、最後に考えなければならないモノも見えてきます。

「その“人間関係の問題”が起きているのはなぜなのか?」⇒「その原因である○○はなぜ起きるのか?」⇒(以下繰り返す)

と、それこそ5回くらい、いや、そんなに「なぜ?」を繰り返す必要すら無い場合がほとんどだったりするんですが、ともかく「なぜ?」を繰り返していくと、最後に辿りつくのはその“人間関係の問題”にまつわるそれぞれの当事者達個人の中にある事が明確になってくるわけです。

そこにあるのは、「その人の感情によって役に立つ行動にブレーキがかかっている」という状態です。

例えばこんな具合に。

「過去に、◇◇さんから何度も言われた“凄く嫌な言葉”があるから、自分は◇◇さんを許せないので、あの人からの頼まれごとに対しては“できません”と断ることにしている」

「△△さんは、上司なのに自分に責任が降りかかってきそうな時は“知りません”とか言って逃げるくせに、私たち部下の功績は自分の手柄にしようとしてくるから、もう今はできるだけ深くかかわらないようにしている」

なんてことは、色んなところで本当に“あるある事例”だったりしています。

もちろん、“本当に重大な出来事”については、こういう感情のもつれも一旦飲み込んで“仕事”として取り組むことがあるようですが、それ以外の“日常の仕事”においては、個々人が感情の方を優先させている場合が多いということが、起きている“問題”を観察することでハッキリと浮かび上がってくるわけです。

更に“あるある事例”を言えば、こういった感情のもつれによって起きている“人間関係の問題”については、そこに関わっている当事者の誰もが「自分の言動には正当性がある」と信じて疑わない場合がほとんどです。

だからこそ、この“人間関係の問題”の解消は、いつだって途轍もない難問ですし、おいそれと解消することは叶わず長期間に渡ってのさばり続け、それがどんどん広範囲に広がっていき徐々に周囲も蝕んでいき、時間の経過とともに手が付けられない状態になってしまう。なんて状態も“あるある事例”だったりするわけです。

そうなると、個々人への関わりももちろん必要ですが、もはやそれだけでどうにかなるわけではありません。

個人への関わりと同時に、組織自体へのテコ入れが必要不可欠になってきます。

もっと具体的に言えば、「“カッツモデル”で言うところの“対人関係能力”を高めることは組織の誰にとっても重要な仕事である」と誰もが考えて行動を始める環境づくりが必要不可欠です。

これらに取り組み始めることで、“人間関係の問題”が横たわっていた組織は、ゆっくりではありますが段々と変わっていきます。

そんな時に、その組織の中に“対人関係能力”が高い人や、その素養がある人がいたとしたら、それはとてもラッキーです。
何しろ、“対人関係能力”の向上が必要な状態の真っただ中にその能力を持った人がいるわけですから。

そもそも「他者の“対人関係能力”を見極められる力」を持っている人がいたとしたらそれもとてもラッキーです。
なぜなら、「“対人関係能力”という目に見えないモノを見て、それを目に見えない“基準”と照らし合わせて“比較検討”するという“概念化能力”を備えている」という事を表す可能性が高いからです。

そして更には、「“対人関係能力”の有無を判断できるということは、その人も“対人関係能力”を備えていないと判断はできないわけなので、“対人関係能力”&“概念化能力”のどちらも高いレベルで備えている」という事を表す可能性が高いわけです。

ただ、この“カッツモデル”で言われている3つの能力については、「各階層ごとに備えていることが望ましい能力」なだけであって、必ずしも、「上の階層にいる人ほど概念化能力が高い」ということを表しているわけではありません。
そもそも、“カッツモデル”と同じように、その組織を構成する人たちがしっかりと各階層ごとの能力を持って発揮していると仮定したら、“人間関係の問題”が組織内の至るところで現れているなんてことは起きていないハズなんです。理論通りなのであれば当然です。

ということは、こんな風に考えることもできるんじゃないかと思うんです。

もしも、組織の中で“人間関係の問題”が起きていて、且つ、“対人関係能力”を備えている人が組織内にいる場合(しかも、その人があまり組織内で評価されていない場合)があるとしたら。

その組織は、実は“途轍もないポテンシャル”を秘めているのかもしれません。

何しろ、この場合であれば「適材適所が全くできてない状態」と言っていいわけです。つまり、「適材適所の実現ができた状態」になった場合には、その現状の組織が生み出す成果とは“全く比べ物にならないような良い状態”を生み出すことができる可能性がとても高いのではないか。だとすれば、これは間違いなく“途轍もないポテンシャル”だと考えられます。

そんな風に考えると、もし仮に「今現在の組織の状態に辟易してネガティブな状態」にあったとしても、組織として「役に立つこと」に取り組むことができたとしたら、今現在とは真逆の「ポジティブな組織とポジティブな自分」に作り変える事が可能なはずです。

僕たちが関わらせてもらう組織に対しては、例えば今日ここに書いたような話をもうちょっと各組織や各個人に合わせた形で伝えつつ、一緒に“希望”を描けるように取り組んでいます。

そのためにも、「諦めないで取り組み続けることが大事です」と常に伝えていますし、「一緒に頑張りましょう」と声を大にして伝え続けていこうと思っています。

「なぜこうなってしまったのか?」も「どうしたらよいのか?」も、こうやって考えていくとそこまで複雑な話ではなくて意外に単純だったりするんです。だから、「何にどうやって取り組んだらいいのか?」も結構単純なことだったりするわけです。

ただ、結構単純なことなんですが、「やる」となったら「途轍もなく困難を伴う」という“だけ”の話です。

そんな“途轍もない困難”に取り組むのに、「自分だけ」とか「自分達だけ」でやるというのは、更なる“困難”を呼び寄せる可能性が高いかもしれません。

これだけ“問題”が山積みですから、“困難具合”もかなりのモノに感じているかもしれません。

そして、もう既に“困難”だとわかっているんですから、「“困難”に立ち向かう為の助っ人稼業を生業としている者」である僕たちと一緒に取り組みましょう。

言うなれば、ダイエットやボディメイクと同じです。

「これまで一人ではダイエットを成功させることができなかった人」が、「ボディメイクの専門家であるパーソナルトレーナー」の助力を仰いで自分の理想のカラダを手に入れるかのように。

ダイエットの正しい知識と結果に繋げた経験を持った助っ人稼業をしている誰かと一緒にやるのであれば、例え“困難”だとしてもシンプルな事(食事・運動・休息)を習慣として、その人個人の特性に合わせて継続できるようにサポートすることで、必ず理想のカラダに近づいていく事が可能である。

「これと全く同じ構造である」と、僕たちは自分達のやっている仕事を捉えているので、自分達のことを“組織開発・人材開発のパーソナルトレーナー”だと見立てています。

“ダイエット”も“人間関係の問題”も「それが問題である」と感じてる人にとっては、「それに立ち向かうこと」が“途轍もない困難”であることは間違いありません。

「そんなモノに、たった一人で単身で立ち向かう必要はないんじゃないですか?そもそも、単身で立ち向かう為には相当の準備が必要なんじゃないでしょうか?」

「そんなこと言ったって、この“途轍もない困難”を乗り越えなければ、結局逃げ出す以外に道はないじゃないか!だからやるしかないでしょうが!」

「その“途轍もない困難”を乗り越えるために、なぜ一人でやらなければいけないんですか?必要なのは、困難を乗り越えることでしょうか?それとも、“あなた一人で成し遂げること”なんでしょうか?」

「だって、自分の力でやらないと何も手に入らないんじゃないかと思うんです。今までだってずっとそうしてきたんだし」

「それをやって本当に手に入れたいモノは何ですか?」

「それは…えっと…」

「思い当たるモノがあるようですね。じゃあ、そのために“役にたつこと”って何ですか?」

「(     )」

空白にはどんな言葉が入るのかは僕たちにはわかりません。

でも、いつ何時、誰から声がかかっても大丈夫なように「常在戦場」の心構えで準備だけは常に欠かさずにしていますので。



あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/

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