それが感知できたならもっとうまくいくのかな

こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。

組織開発という仕事をしている関係で、自分達の会社ではない「他社」にお邪魔する事がよくあります。

そうすると、必ずと言っても良いくらい、同じような事に思い悩んでいる人達に出会います。

「自分以外の社内の人が何を考えているのかについて、想像を巡らせて気を揉んでいる人達」です。

そういう人達がしてくれる話に共通しているのは、例えばこんな内容です。

「みんな、あの件(その組織内での課題としてその人が認識している事など)について、こんな風に思っているんだと思うんです。だから、今後それが色んなとこで影響してくるじゃないかなと心配しているんです」

そして、これはもう当然かもしれませんが、そのうちの誰に尋ねてみても必ず、ほぼほぼ同じ回答が返ってくる「問い」があります。

それは、こんな「問い」です。


「今、お話してくれた事について、実際にどう思っているのか聞いてみた事はありますか?」

「いいえ、ありません。自分がそう思っているだけですけど、でも、みんなそう思っているんじゃないかなあと思うんです」

「なぜ、みんなそう思っているんだと思うんですか?」

「なぜって、普通はそう思うんじゃないですか?」


現実で同じ組織にいて一緒に働いている実在の仲間というよりも、その人の想像の中にいる“実在の人物”が考えているかもしれないと思う事について、(さらに)想像をしてみて、その「想像した人が、想像の中でするリアクションを想像して、そのリアクションの後に起きるかもしれない結果を想像して、心配している」という事が、よく起きているんです。

頭の中のリソースを「想像の想像のそのまた想像の…」にはたくさん割いているけれども、「現実に何が起きているのか」の確認については、特に何のリソースも割いていない。

第三者として外側から関わって客観的に見ると、この事実には簡単に気付く事ができるんですが、その組織の中にいる当事者からは、なかなか気付くことができないというのが、「組織で働く」という事の難しさなんですよね。そんな事を心の中で呟いてみたり、時には、実際に相手の方に伝えてみたりするわけです。

このケースに遭遇する度に、「相手の気持ちを想像しましょう」というメッセージに対して、恨みがましい気持ちを抱きます。

この言葉は、至るところでよく耳にします。僕が子どもの頃にも学校でもよく言われたような気もしますし、様々なメディアでもこのメッセージはたくさん発信されているのを見聞きします。もちろん、これはとても大切な事だと思っていますし、自分自身も心掛けるように気を付けています(難易度は高いですが)。

それを大前提にしたうえで。

この「想像する」という事について、こんなにとてつもなく難しい概念を、物凄く簡単に一言で言ってくれるよなあ、と思うわけです。あまりにも無責任が過ぎるんじゃないのか?と思うわけです。

そもそも、「相手の気持ちを想像する」とは、具体的な行動としては一体どんな行動を指しているのか?

そもそも、「相手の気持ちを想像する」という行動の“やり方”について丁寧に教わったよ、という人は一体どれくらいいるんだろうか?

そもそも、「相手の気持ちを想像する」が出来ているかどうかは一体どうやって判定するのか?

そもそも、「相手の気持ちを想像する」を例えば“できた”と仮定して、じゃあその後は一体何をどうするのか?

もちろん、「そんなの、私は家庭で(もしくは、その他何らかのコミュニティとか誰かから)教わったよ」という人達もいるんだとは思います。でも、そういう人たちは、とても恵まれてきたんだろうなあ、と思うんです。

少なくとも僕は、「相手の気持ちを想像する」という事について、これまでの人生で誰かから教わった事は無かったと記憶しています。

今現在、自分が実践している「相手の気持ちを想像する」については、過去の自分の人生の中で膨大な(思い出したくも無いような)失敗を重ねてきて、散々痛い思いをして身に付けたモノなんです。途轍もなく長い時間をかけてトライ&エラーを繰り返した末に身に付けた、自分が自分のためだけに使う事のできる「想像するという技術」なんだろうなという実感があるわけです(そして、その技術を使う事で、昔のような痛い思いをする事がめっきり無くなってきたので、「想像する」という事が昔よりはできているんだろうと「想像」しているだけなんですが)。

そんな僕ですから、今の仕事をする中でよく出会う人達と同じように、

「自分がこう思っているんだから、他の人もそう思っているはず」

そんな風に、「想像したつもり」になっていた事が、過去にはたくさんありました。


でも、今の僕が当時の自分に声かけをするとしたら、こう言ってあげようかなと。

「お前は、エスパーじゃないんだから、ちゃんと相手に聞いてみないとわからないだろ」と。


自分が自分にするアドバイスの通り、僕はエスパーじゃありません。だから、「相手の気持ちを想像」はしてみますが、実際に相手がどんな気持ちなのかは、相手の話を聞いてみないとわかりません。

勝手に「想像したつもり」になって、独りよがりになっていても、相手の為になるかどうかわからないし、自分の為にもならないという事を、今はよくよく理解しているつもりです。

なので、可能な限りフィードバックを求める事にしています。

もちろん、相手が言っている事が全て本心からなのかどうかも僕には実際にはわかりようもありません。エスパーじゃないので。

だから、よくよく話を聞かせてもらいます。

そのうえで、「見立て」を行い、対話をする事で、その人達が自分で気づきを得て、どんどん変容していくのをちょっとだけサポートしています。

こんな風に、観察・解釈・介入を進める事で、組織開発を進めています。

どうしたって、僕の中に超能力が目覚める事はありそうに無く、どれだけ願ってもエスパーにはなれそうにないので、こうやって地道に組織開発をするしかありません。

そんな、特別な能力や超能力の持ち合わせが無い僕ですが、

ただ一つだけわかっている事があるんです。

それは、「相手の気持ちを、どれだけ想像したとしても、自分には本当のところはわからない」という事だけです。

だから、話を聞かせて下さい。よろしくお願いします。


あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/


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