いざ立ち向かえ
こんにちは。
株式会社プロタゴワークスあかねです。
「上司と部下の間に起きる“すれ違い”から組織のパフォーマンスが下がっていく」ということが色んなところで起きているのを見聞きします。
例えば、「部下が任されてやっている仕事の内容を上司が把握できていなくて進捗も確認できておらず全て部下に丸投げになってしまっている状態」とか、「部下が“任された”と認識している仕事の範囲と上司が“任せた”と認識している仕事の範囲がずれている状態」とか、「部下が“指示された”と認識している仕事の内容と上司が“指示した”と認識している仕事の内容がずれている状態」などなど、そんな“すれ違い”が生まれることによって組織の中に“不信感”とか“不安”とか“不満”が広がっていってパフォーマンスの低下に繋がっていたりするわけです。
こういう“すれ違い”が起きている職場にいる人達は口々に「忙しくて~」と口にしていることが多いなと感じます。
上司が部下の仕事の進捗を確認できていないのも、部下が上司に相談できていないのも、上司が詳細な指示を出せていないのも、部下が上司にちょっとしたことを質問できていないのも、全てが「忙しくてその時間がとれなかったから」ということになってしまっているのが現状だったりしています。
こういう話を聞かせてもらっていつも思うのは、「働いている人の中で、忙しくない人ってどこかにいるんだろうか?」ということです。
「誰かの困りごとを解決するのが仕事」だとするならば、仕事をする人は大抵みんな忙しいはずです。
「あー、暇だ―、どうやって時間を潰したらいいんだろう」なんて思いながら働いている人がいるとしたら、それはデビット・グレーバーが言うところのブルシットジョブに違いないので「誰かの困りごとを解決すること」とはとっても縁遠いコトなのかもしれませんし、そもそも、そんなに暇なブルシットジョブであれば上司と部下の間に“すれ違い”なんて起きることもないのかもしれません。
でも、現実の“仕事”の多くはそんなブルシットな状態とは程遠く、とにかくみんなが「忙しい」状態であるというのが僕が中小企業に関わらせてもらっている中での実感です。
そんな誰もが「忙しい」状態だからこそ、上司と部下が“目的”に沿った状態でコミュニケーションを取る必要があるんじゃないかと考えています。
「忙しくてそんな時間が取れない」とハナから“できない理由”を当てはめるのではなくて、「忙しいからこそミスやトラブルを極力なくして仕事を進めるために」と現状を別の角度から眺めてみることが必要なんじゃないかと思うんです。
それを実行するためには、上司と部下とで密なコミュニケーションを取り合う時間をスケジュールとして入れ込んでしまって、他の予定をブロックしてしまえばいいだけです。その時間は他の何の予定も入れず、別の予定と入れ替えることを不可にして、上司と部下とのコミュニケーションをとるための時間に限定する。
ただそれだけで“すれ違い”は目を見張るほどに減っていきます。
「そうは言うけどさ、忙しいからそんな時間はとれないよ」
この話をすると、こういうことを言われたことが多々ありました。
でも、そう言っていた人達の多くが、その後に“今までとは比較にならないくらいの途轍もなく大きなトラブル”に見舞われたことによって、結局は、「上司と部下とで密なコミュニケーションを取りながら仕事を進めざるを得ない状態」になってしまっていたのは何かの皮肉かもしれません。もちろん、組織にもその人自身にとっても多大なダメージを負いながら。
それでも、結果的には「上司と部下が密なコミュニケーションを取りながら仕事を進める」ということができるようになったんだから“結果オーライ”と言えるのかもしれないよなぁ、なんて思いつつも「だからもっと早くやっておけばよかったのになぁ」と思わないでもありませんが。
同じ組織の中で働く人達の間に“すれ違い”が起きているのであれば、その“すれ違い”をそのままにしておいても何らかの“良い効果”を生み出すことはありません。
“すれ違い”の存在に気が付いたなら、それは「今まで以上に密なコミュニケーションを取る必要性がありますよ」という信号なのかもしれません。
その信号を見逃さず、適切な対応をとることでダメージを未然に防いだり回避できたりするのは間違いありません。
「忙しい」のは重々承知していますし「今まで以上に密なコミュニケーションを取っていきましょう」というのが負担になるのも重々承知しています。
だけど、“すれ違い”が発生しているってことも「これを放っておいたらあまり良くないだろう」ってことも本当は重々承知しているんじゃないでしょうか。
だとしたら、「本当はやらなきゃいけない」ってことも重々承知しているんじゃないでしょうか。
「忙しい」んだから、これ以上忙しくなったらどうにもならなくなってしまいます。
自分の仕事に付随している“すれ違い”も“忙しさ”も目の前に存在しているのであれば、いくら目を逸らしても、いくら目を瞑ったところで、消えて無くなるわけもありません。
それらが、これ以上どうにもならない程の「忙しさ」に変化する前に、ほんの少しの「忙しさ」をプラスアルファで引き受けることで、それらの解消に立ち向かえるんじゃないかと思っています。
立ち向かうために引き受ける。
なんかちょっと勇者っぽさのあるこの語感が、忙しい中でも己を振るい立たせてくれる感じがしています。
そして、勇気が無ければ立ち向かうことも引き受けることもできないわけですから、これをやれるということは確かに“勇者の証”なのかもしれません。
あかね
株式会社プロタゴワークス
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