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そういうもんだということで

こんにちは。

株式会社プロタゴワークスあかねです。

「“仕事”という言葉は誰にでも通じますが、その言葉に対するイメージは一人ひとり全然違うので、組織の中では最も齟齬が起きやすい言葉です」

先日、とある経営者の方と話していた時に伝えたことです。

この話をしたのは、この経営者の方が自社の社員さん達に向けてとある内容を全体発信する予定でいる事柄の中に“仕事”という単語を入れていたのでその言葉の意味するところを聞かせてもらっていたことがきっかけでした。

その経営者の方は、凄く当たり前のように“仕事”という言葉にそれはそれは幅広い様々な意味を込めて使っているということが文脈からも受け取れるような言葉の使い方をしていました。

ただ僕たちがこれまでにしてきた数多の“キャリアに関する面談の経験”からすると、この“仕事”という言葉にそこまでの幅広い多様な意味を込めて使っている人というのはほとんどいなかったという事実があったので、冒頭の話をすることになりました。

“仕事”という言葉は、それこそ働いている人であれば誰もが日頃から使っているし耳にすることがよくある言葉です。

でも、その時に口にしたり耳にしたりする“仕事”という言葉の意味が自分と他者との間で全く同じ意味として機能しているタイミングが一体どのくらいあるんでしょうか?

わかりやすいところで考えてみると、例えば“経営者”と“社員”とでは恐らく“仕事”という言葉の意味が大きく違っているというのは中小企業で言うともはや「あるある」と言っても過言ではないんじゃないかと思っています。また、同じ組織の中でも役職が違えば“仕事”の意味が変わってきてしまうのも「あるある」だろうと思っています。

だけど、こんな風に「“立場”が違えば、同じ言葉でもその文脈や意味が違っている」ということを誰もが当たり前のこととしてコミュニケーションをとっているかといえば、それは当たり前ではなかったりするのが現実です。

何しろ、“立場の違い”というのは想像力を駆使するだけではどうにもならないことがあるからです。

例えば、“新入社員の立場”しか知らない入社して1か月くらいしか経っていない人が“係長の立場”や“課長の立場”や“部長の立場”なんてモノを想像力だけを駆使してイメージしたとしてもその想像が現実を捉えられていることはほとんどないのが現実です。

でも、“課長~部長の立場”の人達が“新入社員の立場”をイメージすることは可能ですし、新入社員が上司の立場をイメ―ジすることの困難さに比べたらとても簡単にイメージすることができるはずです。

なぜなら「既に経験しているから」。

「経験したことの無いことであっても想像力を駆使すればイメージすることは不可能ではない」というのも確かに一面本当のことではあると思います。そうでなければ、この世界に“新しいモノ”が生まれることは無いはずですから。

でも、そんなイノベーティブでクリエイティブなことは誰にでも出来ることでは無いというのも本当のことなはずです。なぜなら世の中でイノベーターとかクリエーターと呼ばれる人達はそんなにたくさんはいないわけですから。

だけど、「自分が既に経験したことを活用して想像して行動する」ということは多くの人ができるはずですし日々やっているはずです。

何しろ、そうでなければ、毎日の中で起きる全てのこと__目が覚めてから布団を出て身支度をととのえて出社したり出かけたりして誰かに会って何かをしてまた帰宅する等__ということは、“実際には”全てその日に初めて遭遇する新しいコトだらけであるはずですが、ほとんどの人にとっては「もう何日も何回も経験しているいつもと同じコト」として何の支障もなく難なくこなせるように頭の中で処理されていて何だったら「いつ何をどうやっていたのか」を明確に思い出すのが難しいくらいオートマチックに行動してしまっていることすらあるくらいです。

そんな誰もがやっているし出来ている「自分が既に経験したことを活用して想像する」ということを、少しだけ時間を長めに巻き戻してみて思い出してイメージすることで、随分と以前に通過した時点の“自分”がその時に「何をどのように考えていたのか」について振り返ってみて、それを目の前にいる人が使っている言葉や考えているコトに当てはめたり照らし合わせてみたりすることで、目の前にいる人が「何をどのように考えているのか?」という“問い”を立てることが容易になったりしてきます。

そしたら仮説を立ててそれを確認するために“問い”を投げかけて相手が何を考えているのか確認したりすることで、お互いに使用していた“同じ言葉”のズレを確認することができたりするわけです。

ただこういう“言葉のズレの確認”をする際には、「意味がズレている可能性がある」ということがわかるためにも“その経験”が必要です。

だから、「基本的には“たくさんの様々な経験をしている側”からしかアプローチすることはできない」ということが大前提だったりもしてきます。

つまり、「自分が既に経験したことを活用して想像する」ということができるとしたら、自分と相手を比較してみて“そのコト”について「より多くの経験を積んでいる側はどちらなのか?」ということを考えてみると、「“そのコト”について、より多くの経験を積んでいる側からしか手の差し伸べることができない」ということが明確になってしまうわけです。

その明確になったコトをしっかり押さえることができてしまえば、冒頭の話をされた経営者の方のように、とてもスンナリと「まあ、そうですよね」と受け入れて納得して実行にうつす覚悟が即できたりするわけです。

いつだって、なんだって、何かをするんだとしたらまずは“わかってる人”がやるしかないんです。

だって、“わかってない人”がその何かをするなんてことは“わかってない”んだからやるはずも出来るはうもないんです。

そして、“わかってない”ということが“わかる”ためには“わかってる”ということが必要です。

だから、しょうがないんです。

“わかってる”んだから、“わかってる人”がやるしかないんです。

だって、“わかってない人”は未だ手にしていないモノを手にしているコトが“わかってる”というコトなんでしょうから。

だから、しょうがなく仕方ないからやるしかありません。

色んな思いを抱えながら、それでもやるしかありません。それが“わかってる人”のやらないといけないことなんじゃないかなと思っています。

しょうがないから、仕方ないから、頑張っていきましょう。



あかね

株式会社プロタゴワークス

https://www.protagoworks.com/

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