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<Project MINT Luminary Talk! vol.3~ゲスト鈴木絵里子さん~>開催しました! #イベントレポ

 6月25日(金)にProject MINTアドバイザーの鈴木絵里子さんをゲストにお迎えして<Project MINT Luminary Talk! >が行われました。

 鈴木絵里子さんは、全ての人が充実した人間らしい「ホリスティック」な人生を送れる世界を創り上げることを目指すウェルネス コミュニティMIKO Holistic Wellnessの創設者であり、社会的インパクト投資を中心としたベンチャーキャピタリスト、二児の母でもあります。さらに、今年5月には日本初となるESG投資重視型グローバル・ベンチャー・キャピタル・ファンドであるMPower Partners Fund L.P.を立ち上げられるなど、幅広く活躍をされています。また、今回はProject MINT専属コーチでもありMIKOのコミュニティマネージャーも務める藤井がモデレートを行いました。
 
 今回は、ますます不確実な時代で、女性が個人として、これまでの固定化されたジェンダー観が根付く社会や組織の中で生き抜いていく上で重要なスキルについて、対話を通し模索しました。

▼当日の流れ▼
- イントロ
- パネルトーク
- 対話 (Q&A) 、まとめ


  まずはイントロとしてProject MINTのプログラムやコミュニティについて植山より説明させて頂きました。ゲストの鈴木さんには、ミント0期(パイロットプログラム)の頃からインパクトデーにもご参加いただき、さらに、本業先のVC(ベンチャーキャピタル)やMIKOでもMoonlightingとしてフェローを受け入れて下さるなど、多方面でご支援を頂いています。
 続いて、藤井よりMIKOのコミュニティについて、また、MIKOが掲げるウェルネスの概念などについて説明をしました。

 そして、鈴木さんと植山のパネルトークへ。
まずは今回のテーマである女性のエンパワーメントやウェルネスの観点を含めて、自己紹介をしていただきました。

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鈴木さん:様々な活動をしていますので、「いったい何をしている人なの?」と思われている方も多いと思います(笑)私はジェンダー関係なく人間として生きていきたいと考えています。と言いますのも、そもそも人間は多面的だと感じているからです。今日は様々な観点からお話を出来たら嬉しいです。

植山からは、自身のパワフルな祖母のストーリー、企業で初めて感じたジェンダーバイアス、アメリカ生活で得た新たなジェンダーの視点などをお話しました。藤井からは、今までの経歴を紹介すると共に、自身の出産・子育てで初めて感じた社会的マイノリティの立場からの視点でも自己紹介を行いました。


ーずばり今の時代、女性を取り巻く環境・社会はどう変化しましたか?(世界、日本の状況をどうみますか?)

藤井:特に絵里子さんが今年立ち上げたVCではESG投資やジェンダー投資に力を入れています。ビジネスの観点からもお話を伺えればと思います。

鈴木さん:今までのVCの機能にさらに女性やサステナビリティの視点を掛け合わせて、このVCを立ち上げました。時代の流れもあり、ESG(E=環境、S=社会、G=ガバナンス)が重視されてきているのを感じています。そういう時代になってきました。現実的にサステナビリティ重要視の方が増えていまして、良い変化を実感しています。5年前までは「女性起業家、女性投資家が増えて多様化することで良い変化が起きます」と言っていたのは私しかおらず、当時モヤモヤを抱えていました。しかし、変わってきました。もし今私と同じような状況にいる場合、その抱えているモヤモヤは正しいと思います。いつかは変わります。

藤井:良い変化はありつつも、モヤモヤはまだありますよね。まだまだ女性起業家へは厳しい状況がありますよね。

鈴木さん:特に2020年コロナ禍もあり、女性起業家には厳しい年だったと思います。コロナ禍にも関わらずスタートアップ全体では好調だったんですが、女性起業家への投資の割合はとても少なかった現状があります。ここが変わるためには、色々な層での多角的なアプローチが必要だと感じています。草の根レベルで女性起業家を増やす活動や、アンコンシャスバイアスで無意識に女性を排除してないか、などマインドセットの啓蒙も必要なのではないでしょうか。ただ全体としてよりこれらが重要視される時代になったので、スタートアップやVCだけではなく他の業界でも声を挙げて大きな渦つくっていきたいですね。まずはデータで可視化することで実態を把握することがファーストステップとして必要かもしれません。

藤井:アンコンシャスバイアスが重要視されてきたのは大きな変化ですね。女性もバイアスを持っていることを念頭に置くことが大事ですね。この問題が可視化されてきた気がします。

植山:アンコンシャスバイアスの根深さを感じています。これはとてもチャレンジングな課題だと思いますが、多方面からマインドを変えていく必要性を感じています。バイアスを念頭に置いた上で、女性管理職の割合など国としての指標を上手く活用出来たらいいのかもしれませんね。


ー日本では、まだ根深く、固定されたジェンダー観(女性は家庭を守り、男性が働く)が残っています。そんな矛盾とどう女性や個人は向き合っていけばいいですか?

鈴木さん:私自身もとても課題意識を感じていて、今も向き合っている課題です。私自身の生い立ちや現在のグローバルな仕事柄もあり、日本の固定概念に違和感を感じることが多いということもあるかもしれません。それでも10年ほど前に長男を出産した当時は、育児や家事、家族とのコミュニケーションに関して、周りからも自分自身でも過度なプレッシャーを感じていました。しかし現実的色々なことが回らなくなってきて、また、失敗から学んだことも多く、ある時を境にその在り方を変えていきました。自分が思っていることを周りに訴えていかないと何も変わらないと実感したので、自分自身と向き合い「自分にとって何を大切にするか」を大事にしています。あとは、周りとのコミュニケーションの方法だと思います。

植山:固定化されたジェンダー観は誰しも持っていると思います。そのジェンダー観が悪いというのではなく、様々な考え方があっていいのではないでしょうか。例えば、その発言をした人の奥底にあるニーズを引き出してあげると、「表面的には固定されたジェンダー観が現れているかもしれないが実は繋がりを求めていた」など、その人の人間的な本来の欲求の側面が見えてくることもあるかもしれません。固定化されたジェンダー観に過剰に反応してしまう部分もあるのかもしれませんが、自分からの見え方とその人のニーズの調和が取れたらいいのではないでしょうか。


ージェンダーの社会的役割に囚われずに個人としてどう生きていくか?そのために女性や個人はどんなスキルが必要?

鈴木さん:「今の時代に」という観点から、自己認知の力が大事なのではないでしょうか。究極的には「自分がどう生きたいか?」ということが大事なのではないかと思います。刺激や知見を学べるコミュニティに属すのもいいのではないでしょうか?MINTとMIKOの宣伝になってしまいますが(笑)

藤井:MINTはプログラム最初の3週間はひたすら内省をしていきます(笑)

植山:そうですね。私も先程もお話したように、自身の奥底にあるニーズを知っておくと相手との繋がりがみえ、より生きやすくなるのではないかなと感じています。

鈴木さん:今の変化の大きい時代は、常に新たな学びが必要とされているのを日々感じています。自己認知で今の自分のことを受け入れ労りながら、「まだまだ学ぶことがある」という謙虚さも持ち合わせるバランスも必要なのかなと感じています。

植山:とても共感します。自身の「~すべき」というこだわりを一歩引いて俯瞰して認識し、そこから自身のアップデートをしていくことが必要ですね。

藤井:ヨガでは「こだわりは執着につながる」と考えられています。こだわりすぎてしまうとで周りが見えなくなる。また、何にこだわっているのかも分からなくなってしまうこともあるかもしれません。アンコンシャスバイアスしかり、様々な性質・考え方があることを認識しコミュニケーションを取っていくことが大事なのではないでしょうか。

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ー女性の間でも様々な価値観を持つ人がいるように思います。どうしても似た価値観の人で固まってしまいがち。どう付き合っていくことが重要ですか?

鈴木さん:先程の話から考えると、価値観はその人が実はどのように感じているのは分からないですが、似た境遇の人で固まりがちなことは理解できます。SNSが広まっている現代では特にそうかもしれませんね。他人と比較してしまうのはとてももったいないことだと思います。年齢や性別などで比較しないで自由に生きられるようになりたいですね。また、コンフォートゾーンを超えるといいますか、少し冒険をして敢えて自分が慣れていない、普段とは違う環境に身を置くこと、そして自分の枠を超えていくことも必要なのではないでしょうか。

藤井:確かに他人と比較してモヤっとしてしまう瞬間がありますよね。その瞬間こそが自分が何を求めているのか認識できる機会にもなりますよね。ジャーナリングやマインドフルネスなどを上手く活用して、自分自身に意識を向けていくことが大事なのかもしれませんね。


ーMIKOやESG投資を通して絵里子さんが目指したいことは?

鈴木さん:MIKOではウェルネスやウェルビーイングを身近にしたいという想いで仲間と活動しています。この混沌とした現代で「本当に必要なものは何か?」を意識しながら、全てのものが繋がっているという考えも分かりやすく楽しく広めていきたいです。また、ESG投資に関しては、ビジネスにおいて人間や地球環境を念頭に置くことが当たり前になってほしいので、力を入れてこの活動を続けていきたいと思っています。


ー参加者へのメッセージは?

鈴木さん:一つは、このようなイベントへ参加頂いた方々には強い想いがあるのではないでしょうか。ぜひ目指すものへ向かって、なんでもいいから行動してほしいと思っています。自分が信じることをやり続けることが大事だと感じています。それを続けていくためにも、良い仲間を見つけることも大事だと思います。二つ目としては、何をやりたいかまだ分からない方、やりたいと思っていることがやっぱり違ったという方もいると思います。ぜひ自己認知をして自分自身と深いレベルで向き合ってほしいと思います。私自身もいつも念頭において日々過ごしています。

植山:MIKOのように人間としてお互い繋がれて、自分が自分らしく居られる場所・コミュニティはとても大事だと感じています。そのためには自己認知が必要ですし、それをサポートしてくれる仲間も大事ですよね。今まだモヤモヤしていても、それを見つめポジティブに変えていけたら嬉しいですよね。


続く参加者との対話では、このような質問が上がりました。

「自分の能力、市場価値をどのように適正に評価するのか、また、それに対して自分の期待値をどうコントロールするのでしょうか?」
「女性だからこそ得られたキャリアはあると感じていますでしょうか?」
「鈴木さんはESG投資のVCを立ち上げられましたが、これから目指したい社会は何でしょうか?」

鈴木さん、ご参加いただきました皆様、貴重なお時間をありがとうございました!

当日の動画はこちらから視聴可能です。
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