Project U/0 #001
#001 楼に上って
案内された先には大きな扉があった。
古い書物にあった、羅生門が現代にあれば
このくらだったのだろうか。
来るものも去る者も拒むような
重厚な扉がアズマの前に鎮座している。
「この先が内部施設となります。私の案内はこちらまでです。あとはデバイスに従った行動をお願いします。」
続けるように「失礼します。」と一礼すると
案内役の研究員は来た道を戻っていく。
アズマは左手を見つめ、
軽く握ったり開いたりを繰り返した。
もう違和感は全くない。
デバイスを