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地方の印刷会社を全国の人に知ってもらうために、広報未経験だった私がやったこと【後編】

こちらの続きになります。




05. 非公式PRキャラクター「プロたん」の誕生

Twitter運営にも少しずつ慣れてきた頃、他の企業公式Twitterを見ていて感じたことが人気の企業公式Twitterアカウントの中の人はキャラクターが確立しているということでした。あまり自分を出しすぎて自分の事ばかり投稿してしまうとプライベートアカウントになってしまって企業PRという機能は果たせていませんし、企業PRばかりしていては堅苦しい印象になりがちでそれだけでフォロワーが増えたりバズったりすることは稀です。
(もちろん、前編『03. 発信するだけではダメ』にも記したように、誰もが知っている企業ですでに沢山のファンがいるということであれば企業PRのみでも十分かと思います。)

そこで一度は私も中の人としてキャラクターを確立しよう!と思うのですが・・・あまり社交的ではない私は、中の人を前面に出して活動するということに少し苦手意識がありました。私ひとりでやっていけるのだろうか、という漠然とした不安もありました。

私ひとりでやっていけるか不安?
一緒に広報活動をしてくれる人が欲しいなら自分で作ればいいのでは?

というノリで「プロたん」を作りました。プロたんという名前は、プログラフ株式会社のプロ、一種の敬称のようなイメージでたんを組み合わせました。ちなみに初期絵はこんな感じです。

プロたんの初期絵

その当時よく使っていた顔文字(´-`)から着想を得たキャラクターデザインで、とってもシンプルです。おそらく一度見たら誰でも描けると思います。

弊社のロゴ

弊社のロゴはモノトーンでシンプルなデザインなので、プロたんを作る時も極力無駄なものは排除しました。

そして作った、と言っても会社の意向ではなく、私が勝手に生み出したものなので、この時点では「非公式」PRキャラクターでした。一応弊社社長には「当社のキャラクターを描いてみました・・・プロたんと言うんですが・・・」くらいの話はしていたと思います。多分・・・。(多分・・・。)


06. キャラクターを育て、非公式から公式に

キャラクターを作った!あとはこの子と一緒に運営していくのみだ!と思っていたのですが、当初はキャラクターの設定、キャラクターや投稿を通して何を伝えたいかというのがブレブレでした。

2020年10月に投稿していた初期プロたん

こういう性格で、こういうものが好きで、こういう時はこういう反応をする子で・・・といったキャラクター像が全く出来ていなかったのです。

そこで、箇条書きでキャラクター像を作っていきました。

  • プロたんを初めてTwitterに投稿したのが9月だったので、9月17日(キュートな日)がお誕生日。

  • マッチャ(抹茶)が大好き。←マッチャは半角カタカナにする。

  • イメージカラーはマッチャイメージのプロたんグリーン。(C50/Y100)

  • よく体育座りをしている。

  • 部屋の真ん中にいるよりは、壁を背にしてるのが落ち着く。

  • 喋る言葉は基本「マッチャ」「マッチャア!」「マッ・・・」「チャア」「チャ」など「マッチャ」から取ったもの。

などなど・・・こうして以前からイラストもブラッシュアップし、「プロたん」のロゴも制作。ロゴは中の人の手書き文字をベースに、ゆるくて可愛らしいプロたんの雰囲気をイメージしてみました。

プロたんのプロフィール

キャラクター像をがっちりと決めた上でキャンペーンにも力を入れ、コラボ限定グッズを作ったりして、地道にフォロワー数を伸ばしていきました。

そうこうしているうちに、弊社営業スタッフづてに「クライアントがプロたんのファンでいつもSNSを見てるって!」と聞く機会が増えていきました。そして「印刷会社は他にもたくさんあるけれど、プロたんが好きだからプロたんの会社にお願いしたい」とお仕事を頂くこともあり、とうとう社長からも公式PRキャラクターとしてプロたんが認められたのです。

弊社HPにて掲載されているプロたんの写真

ちなみに弊社HPのMEMBER欄にもしれっとプロたんがいます。(イラストにするか迷った挙句、他スタッフと同じように写真にしました。)


07. キャラクターを通して視覚表現を届ける

弊社は印刷会社ですが、企画からデザインも手掛けています。今や印刷会社もデザイン部署があり、デザイナーが在籍しているというところも多いと思います。しかし、一般的には印刷会社というと「もらったデータをチェックして印刷するのみ」というイメージを持たれている方も少なからずいらっしゃると思います。

実は弊社も、『プログラフ株式会社』という社名に変える前は『岩橋印刷株式会社』でした。私が入社した時はすでに今の社名でしたが、社名を変えた理由としては印刷会社のイメージを払拭したいという想いがあったそうです。

とはいえ、弊社の企業理念は【印刷を「魅せる」に】ということで、印刷会社であることが原点です。

PROGRAFでは紙への印刷=一番得意な視覚表現方法ではありますが「イメージをカタチにすること」の手段の一つとして考え、先行きが懸念される印刷業界において、印刷を根源に置きながら「視覚表現(魅せること)」を通して印刷会社のビジネスを変え、新しい価値を創造し、需要力を上げます。

プログラフとは」- プログラフ株式会社HPより

合わせて「すべての人のためにイメージを具現化しよう。」というミッションを掲げ、視覚表現におけるイメージ(デザイン、紙、印刷、加工、効果など)を具現化することで価値を提供し、すべての人にとって有益である企業を目指しています。

そこで、広報物として作り始めたのが「プロたんおたより」です。

高透明PETを使用した「プロたんWinterカード」
短冊としても使える「プロたん七夕カード」
表面の天の川部分にホログラム加工を施しました。
封筒もオリジナルで作った「プロたんハロウィンカード」
プロたんならぬゴーストたんがお菓子を抱いているように見える仕組み。
本体と持ち手のパーツを合わせて強度を増した「プロたんペーパーうちわ」。
コートボールを合紙して作ったプロたん絵馬。
裏面には今年の抱負が書けます。

写真は一例ですが、こんな感じでプロたんを通して様々な紙、加工、デザインをお届けしてまいりました。お問い合わせをいただく中には、「これを見たのですが・・・」と言ってくださる方もいらっしゃいました。

ウチではこんなことができるよ!ぜひ作ってみませんか?!という、いかにもバリバリ営業な広報物を送るのは気が引けてしまうタイプなのですが、これであれば「プロたんでこんなの作ったよ!見て見て!」というテンションでお送りできます。ついでに「へえ~プロたんのところってこういうデザインや印刷、加工ができるんだ~」と思ってもらえれば御の字です。

初めてプロたんおたよりを作り始めてからもうすぐ3年が経とうとしていますが、今後も皆さんへプロたんを通して様々な視覚表現をお届けできればと思っています。


08. キャラクターブランディングに更に力を入れる

今までTwitterには1枚、2枚のイラストを投稿していたのみだったのですが、プロたんというキャラクターの世界観を更に深く描くため、新たにInstagramを設立しました。

4コマ漫画でプロたんの日常を描いています。

Twitterで投稿しているイラストも、もちろんストックしてInstagramに投稿しているのですが、Instagramのみで投稿している限定ストーリーもあります。お話は大体4コマ内でまとめているのですが、それはスワイプをして次の画像を見るInstagramの特性と4コマの相性がいいなと思ったからです。

昔話シリーズ。原作通りの結末にあえてしないものも。

年末年始、GW、お盆などの長期連休は大体毎日更新しています。内容は身近に感じてもらえるようにその季節感に合わせたネタにするよう心がけています。

どうしてもBtoBの企業は一般消費者からすると堅いイメージを持たれがちだと思っています。現にTwitterでも「印刷会社ってなんだかお堅いイメージがあってちょっと苦手・・・」という投稿を目にしたこともあります。(実は私も今までそういうイメージを持っていました。)
そういった堅いイメージを、キャラクターを使用することで少しでも和らげられたらと、SNS関連の投稿では基本プロたんを会社の顔として使用しています。

ちなみ余談ですが、BtoC向けにグッズ販売も行っています。

プロたん1周年記念グッズの一部。
2周年記念ではお届けBOXもプロたん仕様に。
限定ショッパーには「ICHIMATSU」という紙を使用しました。
プロたんの2年間がぎゅっと詰まったポートフォリオ。
プロたんのプロフィールから中の人のコメント、今までの歩みなど。

LINEスタンプも発売中です。(ちゃっかり宣伝)
【日常編】  /  【敬語編】
※敬語編は、定額制のスタンプ使い放題に加入されている方はそのままお使いいただけます。

LINEスタンプは現状【日常編】と【敬語編】の2種類販売中です。

もうすぐ3周年を迎えるプロたん。
3周年では、今まで「欲しい!」と声の多かったぬいぐるみを発売予定です。

現在発売中のぬいぐるみストラップより大きめ+おすわりで自立できるので、ぬい撮りが捗りそうです。

個人的にはカフェでのぬい撮りがお気に入りです。

「SNSでたまたま見かけた白いこの子、プログラフって会社のキャラクターなんだ~」とプロたんをきっかけに弊社のことを少しでも知ってもらえたら嬉しいです。

そして今日も、私はプロたんと二人三脚で広報活動をがんばるのです。

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