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オーストラリアと私―第2話「大学入学後の英語学習」

サークルの勧誘

 大学入学後、校内の銀杏並木を歩いていると、声をかけられた。「英語会に入りませんか?」という誘いだった。チラシにスピーチやディスカッションをしますと書いてあり、おもしろそうなので「スピーチって何をするんですか」と聞いてみたところ、「自分はスピーチは専門じゃない…説明できないので部屋に来てください。スピーチの人が誰かいると思うから」と言われ部屋に行った。専門ってなんだと思っていると、1年生の夏から、「スピーチ」「ディベート」「ディスカッション」「プロナンスエイション」というグループに分かれて、選んだグループで専門的に(スピーチならスピーチを)活動するという説明があった。何となく雰囲気が良かったので英語会に入ることにした。

スピーチを選んだ理由

 スピーチを選んだ理由は、英語の論文を書いて、それを英語弁論大会で発表するという形式からだ。将来、大学の研究者を志していたため、英語会で、論文の書き方、発表の仕方、しかも英語でのプレゼンを学んでおけば、絶対に役に立つと思った。それは現在思うと正解だった。現在大学生に教えていると相変わらず、パラグラフライティングを身に着けていない学生が多い(参考:レポートの構成とパラグラフ・ライティングを知る | 名古屋大学生のためのアカデミック・スキルズ・ガイド (nagoya-u.ac.jp))。これをマスターできたことは研究者の道を歩む者としてはかなりメリットがあった。

すぐに英語が話せるようになった

 英語会に入ったおかげで1年生の時に、英語が話せるようになった。具体的には、次の方法による。第一に、英語発音の矯正を自分で行った。使った教材は、カセットテープ 小島義郎 英語発音の基礎 | NHK出版 (nhk-book.co.jp)である。これは優れた教材で、わずか3か月で発音が上手になった。第二に、英語会の1年生前期必須のコンテスト(著名人の演説を暗記してプレゼンする)に参加したことである。その際、キング牧師のI have a dreamを暗唱した。その発音や発表の仕方は先輩部員に指導いただいた。(参考:https://www.youtube.com/watch?v=_9iATuA6JTE)第三に、スピーチコンテストに出場した。その際、自分で作ったスピーチ原稿を暗記して臨んだ。

 演説やスピーチの丸暗記は英会話力向上に非常に役に立った。スピーチの丸暗記は、大変そうに思えるかもしれないが、自分で書いた論文(原稿)なので、それほど大変ではなかった。ここで覚えたフレーズやボキャブラリーは、実際の英会話で役に立った。
 しかし、私は当時外国に行ったこともなく、行きたい国も決めていなかった。いよいよオーストラリアという国名と出会う時がくる。それは大学3年生の春だった。これについては第3話でお話をする。

©Dr Hiroshi Sato 2022


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