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【介護分野】リハビリ専門職が伝える車椅子患者の介護のコツについて

 本日は、車椅子患者を介護する際のコツをいくつかご紹介致します。


【車椅子から移る際のコツ】

◯  車椅子の取り外し可能な部品を外す

 車椅子には、取り外し可能な部品が存在します。その中でも主に、フットレスト(足置き)アームレスト(肘置き)を外しておくと乗り移りの介助が楽になることがあります。
 ※車椅子でも2つの部品が外せないタイプも多くあるため、ご理解下さい。
 
この2つを外すことで足や肘などの接触による擦りむきを同時に予防出来ることもメリットの一つです。
 アームレストは乗り移る側、フットレストは左右とも外しておくのが私としては1番おすすめです。中にはアームレストを支持として使うため外さない方もいますが、正解はないため、参考程度にお願いします。

◯  ベッドの高さを調整する

 介護ベットなどの多くは、高さ調整できる機能を備えているものもあります。
 そのようなベッドを使用させれている方は、高さを調整してみて下さい。
 基本的には、車椅子の座面よりも低めか同等の高さに設定することをおすすめします。もしずり落ちそうになった場合に高い状態ではかなり介助しにくくそのまま転落の危険性もあります。 
 しかし、高さを低くすると座った際に後ろへ倒れてしまう危険性もあるため、注意は必要です。
 また、ベッドから車椅子へ移る際は逆にベッドの高さを上げた方がいいです。

◯  浅く腰掛けてもらう

 座面が深いと足の裏ヘ重心を落としにくく立ち上がりしにくいため、極力浅く腰掛けてもらった方が良いです。その際に、ずり落ちない様に気をつけて下さい。

◯  足を手前に引いてもらう

 足を伸ばしたままでは私たちでも立ち上がりが難しくなります。座った姿勢から膝より足が後ろに位置する程度まで引いてもらうことをおすすめします。片方しか引かない場合はその様な形でも構いません。

◯  身体を前に倒すように介助する

 立ち上がりを介助する際に最も重要なのは自分の腰を痛めないことです。立ち上がりは上に立ち上がるイメージがありますが実際には前方にまず重心が移動します。そのため、持ち上げようとするのではなく、一旦お辞儀をして前に経由してから立ち上がりを促すと上手くいくことが多いです。

◯  複数人で介助する

 複数人いる場合は前と後ろなど担当することが重要です。医療スタッフでさえ介助により腰を痛める方も多いため、医療知識のない方ではより痛めやすいと思います。

◯  スライディングボードを使用する

 スライディングボードは、車椅子とベッドを橋渡しする板のことです。介護する対象者のお尻の下に差し込むことで立ち上がらせるのでなく、スライドする形で乗り移りを誘導することで介助者の負担を減らすことが出来ます。
 しかし、注意点としては差し込みが甘いと途中で転落する可能性があるため、説明書や介護スタッフへ使い方を聞くことをおすすめします。

【おわりに】

 本日は、車椅子からの介助方法についてお伝えさせて頂きました。
 実際に今すぐ介護用品がなくすぐに使用できないこともお伝えしてしまいましたが、立ち上がりの際のポイントなどすぐにでも役に立つ要素もあります。
 家族の介助などでお困りでしたら、ケアマネージャーやお住まいの地域の介護事業所など相談窓口を利用したり通院や入院中であれば、医療専門職のスタッフへお声掛け下さい。
 最後まで閲覧頂きありがとうございました。日頃よりフォローやスキのご協力感謝致します。


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