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【PR NOWはじめます】New normal時代のPRとは?

PR NOWはじめます

はじめまして。
総合PR会社プラチナムです。

弊社はベクトルグループの戦略PR事業として2002年に設立以来、「PRの力で商品や企業、ブランドの価値を創り、社会に貢献する」というミッションの下、あらゆる良いモノを世の中に広めるために、約200人のメンバーが日々活動しています。

設立から18年、弊社は変わりゆく「PR」にとことん向き合ってきました。

そんな「PR」は今、大きな転換期を迎えていると感じています。

新型コロナウイルスの感染拡大により、奇しくもほんの数ヶ月で消費者行動は大きく変化し、それに伴い企業に求められるコミュニケーションも根底から覆りつつあります。
この変化は、もはや「いかに困難な時期を乗り越えるか」という短期における課題ではなく、前提の変化した世の中(new normal)にいかに対応し、共存することができるか、という転換期の到来であり、
PRをはじめとするコミュニケーションのあり方も、変化を余儀なくされています。

プラチナムでは、日々めまぐるしく変化するコミュニケーションやPRの「今」と「これから」をお伝えすべく、この度、この「PR NOW」をはじめることにしました。

初回となる今回は、弊社代表の吉柳さおりが、今、既に訪れているnew normalな時代にこそ求められるコミュニケーションを中心に、「PRの機能の変化」、「PRクリエイティブの変化」といった2つの点からご紹介していきます。


【1.PRの機能の変化】

以下の世の中の変化を背景に、PRの機能 ・目的は、ますます「認知・パブリシティ」ではなくなり、より「ダイレクトな購入導線創出」につながるアクションと、ブランド体験の提供することの重要性が増しています。


<PRの変化をもたらす4つの背景> 
● 実店舗の閉鎖によって、今までオンラインに消極的だった人も、オンラインでの購買体験に利便性を感じ始めることによって購買のオンラインシフトが進んだこと
● 差し迫った経済不況がコンシューマーの見通しを根本的に変え、「コンシューマーの倹約化」が進んだこと
● 倹約が進む一方で、今まで以上に「(自身の価値観にとって)必要不可欠だと感じるものは進んで購入するようになった」(エッセンシャル消費)こと
● それに伴う「ギーク消費の増加」

こういった変化傾向の中で、マーケティングファネルに沿った従来のコミュニケーションや、メディアにアプローチして露出を作り、生活者に情報を届けるという王道手法は徐々に力を失いつつあります。

現在はメディアありきではなく、ブランドがコンシューマーに直接情報を届けること、その場で購買を体験できる機会を創出すること、そして、“より求められる形”で人々にブランド体験を提供することが重要となっており、PRパーソンもこのような手法を取り入れていくことが必要になってきています。

【2.PRクリエイティブの変化】


今世の中で起こっているのは、「強制的なビヘイビアチェンジ」とも言えます。
そのようなNew Normal時代において、当然コンシューマーのインサイトも大きく変化しており、PRプランニングにあたっては、コンシューマー視点、インタラクティブ、スピード感、ブランドを中心としたコミュニティ形成といった視点が必要になります。
上記を踏まえ、NewNormal時代のPRクリエイティブのポイントについて考えていきましょう。

B to M to C から、C to B to M へ
従来のPRコミュニケーションの有り方は、まずブランドがメッセージを発信し、メディア露出を通じてコンシューマーに情報を届ける(B to M to C)という形が王道でしたが、現在は企業がコンシューマーの欲求を汲み取り、ハブとなるアクションを起こすことでトレンドを共創し、最終的にメディアがそれを取り上げる(C to B to M)という形に変化しています。

<C to B to Mのコミュニケーションで重要なポイント>
1.スピード感
現在の目まぐるしく社会情勢が移り変わり、様々なアクションが起きる中で、PRパーソンにはコンシューマーインサイトを的確に捉えるだけでなく、それをもとにした迅速な行動力が更に重要になってきています。

2.完結型コンテンツより、インタラクティブコミュニケーション
コンシューマー視点を基点としたスピード感のあるプランニングが求められる中で、コミュニケーションの有り方は「完結したコンテンツを作り込み、それを届ける」という形から、「コンシューマーとインタラクティブな関係を保ち、共感の場やトレンドを共創する」(ブランドが生活者の中で起きているトレンドに乗り・力を借りる)という姿勢がより重要になっています。

<C to B to Mの事例>
このC to B to Mという情報の拡がり方はNew Normal時代においてより顕著になっていますが、SNSを起点とした生活者間での話題をメディアが後追いするという形は以前からスタンダード化していました。
例えば、2018年にアンダーアーマーがTwitterに投稿し話題になった、NBAのスーパースター、ステフィン・カリー選手の動画。

日本の学校に訪問したカリー選手が、女子生徒にシュートの指導。
しかし、全校生徒のみならず、憧れのスーパースターを目の前にして緊張してしまったのか、彼女のシュートはなかなかゴールに入りません。
3回目のシュートに失敗すると、恥ずかしそうにその場から走り去ろうとする女子生徒。
するとカリー選手は彼女を呼び止め、語りかけます。
「僕も30年間プレーしているけどすべてのシュートが入るわけじゃない。入らないことは全然問題ない。大事なのは入るまで打ち続けること」
カリー選手の激励を受け、もう一度チャレンジした彼女のシュートは見事に成功。会場は大いに沸き上がりました。

動画自体はおそらくその場にいた方のスマホで撮影されており、作り込まれたブランデッドムービーのような高いクオリティではありません。
しかし、「スーパースターの言葉で一人の少女が成長する瞬間」という多くの人が共感しやすいストーリーを、生活者の心を動かしやすい「リアル」な瞬間として切り取ったこの動画は、Twitterに投稿されると瞬く間に拡散。
SNS上で大きな反響を呼び、それを受けメディアが取り上げるという、まさにBtoCtoMの流れで情報が拡がっていきました。
「完結したコンテンツを届ける」のではなく、「共感の場やトレンドを共創する」という、企業やブランドに今求められるコミュニケーションの分かり易い例ではないでしょうか。

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いかがでしたでしょうか。
第一回ということで気合が入り長くなってしまいましたが、
New normal時代のPRにおけるポイントの一部をまとめさせていただきました。

次回は、New normal時代のPRにおける変化のもう一つのポイントとして、【趣味関心で繋がる特定クラスターの創造】についてお伝えしたいと思います。

<吉柳 さおり>
大学在学中にPR会社ベクトルにアルバイトとして入社し創業に参画。2002年にベクトル取締役に就任。04年にPR事業会社プラチナムを設立し代表取締役に就任。慶応義塾大学にて非常勤講師としてPRの講義を開催。SpikesAsia PR部門グランプリ、日本PRアワードグランプリ、Cannesなど受賞。

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Platinum_PR@vectorinc.co.jp



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